Hiroe H
(更新)
みなさんは、「等位接続詞」と聞いて何を思い浮かべますか?
英語初心者だと「この言葉自体初めて聞いた」という人もいるかもしれません。英語学習歴の長い方なら「and や but でしょ」と答えられる方もいるでしょう。
等位接続詞には and と but のほかにも or や for などがあり、用法も複数あるので意外と奥深い単元です。
今日はこの等位接続詞を徹底解説していきますので、ここでしっかり覚えて英語力の上達へとつなげましょう!
「等位接続詞って要するに接続詞のことなんでしょ」と思われた方はいませんか?
確かに等位接続詞は接続詞ですが、英語の接続詞には2種類あるのをご存知でしたか?
1つは今日紹介する等位接続詞、もう1つは従位接続詞と呼ばれるものです。
ちなみに従位接続詞(または従属接続詞)は、従節と主節を結びつける語で that、if、when などがあります。
では等位接続詞とは一体どういうものなのでしょう。
「等位」という漢字からもなんとなく想像ができるかもしれませんが、「対等の関係にある語と語、句と句、節と節を結ぶ語」のことを等位接続詞と言います。
等位接続詞は大きく分けて「and」「but」「or」「for」の4種類あります。
and や but はその中でも使用頻度が高く、英語学習者の皆さんも日常的に目にしたり、耳にしたりしていますね。
では実際に例文と合わせて、それぞれの種類と用法を見ていきましょう。
連結の等位接続詞 and には5つの用法があります。
語と語、句と句、節と節を結ぶ and は「AとB」「AそしてB」のように訳すことができ、最も知られている and の使い方と言っても良いでしょう。
「私は青とピンクが好きです」
→blue と pink という語と語を等位接続詞 and で結んでいます。
「彼は昼も夜も勉強した」
→by day と by night という句と句を等位接続詞 and で結んでいます。
「私はピアノを弾いて、娘は歌を歌った」
→I played the piano. と My daughter sang. という節と節を等位接続詞 and で結んでいます。
順序・結果を示す and は動作の順序「〜してから〜する」や物事の因果関係「AをするとBになる」を示します。
「母は洗濯をして、それから外に干した」
→まず洗濯をして、それから干すという動作の順序を示しています。
「彼女が部屋に入ると、みんなが静かになった」
→彼女が部屋に入ってきたのでみんなが静かになった、という2つの物事の因果関係を and で示しています。
命令文+and で使われる and は条件文と同じで「〜しなさい、そうすれば…」という意味になります。
「この道をまっすぐ行きなさい、そうすれば右手にその店が見つかりますよ」
→Go down … という命令文と you will find … という文を and で結び、「〜しなさい、そうすれば…」という条件文と同じ意味を示しています。
「取っ手を左に回しなさい、そうすればドアが開きます」
→Turn the knob … という命令文と the door will open. という文を and で結び、「〜しなさい、そうすれば…」という条件文と同じ意味を示しています。
2つのものを and で結ぶことで単一の概念を表すことができます。
「お昼にピーナッツバターとジャムのサンドが欲しい」
→ピーナッツバターとジャムのサンドは海外ではとてもよく食べられているもので、この2つはセットという概念があるので、peanut butter と jelly を and で結び単一物を示しています。
「あなた方を夫と妻と宣言します」
→夫と妻も2人合わせて1つという概念があるので、husband と wife を and で結び単一物を示しています。
同じ語を and で結ぶことで反復・連続を示すことができます。
「彼女は私に同じ質問を何度もした」
→again という同じ語を and で結び「何度も」という反復を示しています。
「この辺りの家の値段はますます上昇している」
→higher という同じ語を and で結び、値段が引き続き上昇していることを示しています。
選択の等位接続詞 or には3つの用法があります。
「AあるいはB」の意味で使うことができます。原則としてAとBは語と語、句と句、節と節のように文法上対等のものを置く必要があります。
「犬あるいは猫、どちらか好きですか?」
→dogs か cats という2つの選択を表しています。
「我が家で泊まるか、あるいはホテルで泊まることができます」
→you can stay at our house と you can stay at hotel という2つの選択を表しています。
等位接続詞の or は、「すなわち・言い換えると」という意味でも使えます。通常 or の前にコンマをつけ、「A=B」の関係が成り立ちます。
「たったの5マイル、言い換えると約8キロだよ」
→five miles = eight kilometers の関係が成り立っていますね。
「これは囲炉裏、すなわち日本の床よりくぼんだところにある炉床です」
→Irori = Japanese sunken hearth の関係が成り立っていますね。
命令文 + or で使われる or は「〜しなさい、さもないと」という意味になります。otherwise に置き換えて使うこともできます。
「急ぎなさい、さもないと電車に乗り遅れますよ」
→Hurry up, otherwise you’ll miss your train. と言い換えることもできます。
「たくさん水を飲みなさい、さもないと脱水症状を起こしますよ」
→Drink lots of water, otherwise you’ll get dehydrated. と言い換えることもできます。
対立の等位接続詞 but には2つの用法があります。
「A、しかしB」の意味で使うことができます。AとBには相反する語・句・節などを置く必要があります。
「その男の子はとても小さかったが、とても勇敢だった」
→Aは very tiny、Bはそれに相反する句 very courageous がきています。
「彼は誠実な人かと思ったが、そうでなかった」
→Aは he was an honest man、Bはそれに相反する節 he wasn’t (an honest man) がきています。
not A but B は「AではなくてB」という意味で、ここの but は「しかし」とは訳さないので注意しましょう。
「重要なのは勝ち負けではなく、どのように試合をプレーするかということだ」
→Aは whether you win or lose、Bはそれに相反する how you play the game がきています。
「彼女のことを好きなのは、彼女が可愛いからではなく思いやりがあるからだ」
→Aは because she’s pretty、BはAに相反する because she’s caring がきています。
理由の等位接続詞 for は「というのも〜だから」という意味の用法があります。
前の文の理由や補足説明をするときに使い、文語的なかたい表現なので口語では使いません。
「陽が昇り始めているに違いない、というのも雄鶏が鳴いているから」
→陽が昇り始めていると思った理由を for 以下で説明しています。
「彼は疲れ切っていた、というのも13日間続けて働いているからだ」
→彼が疲れ切っている理由を for 以下で説明しています。
なお、この表現は過度にフォーマル、かつ古めかしいニュアンスのため、ネイティブスピーカーはほとんど使いません。
今日は等位接続詞 and、but、or、for について詳しく解説してきましたが、いかがでしたか?
特に and にはたくさんの用法があり驚かれた方もいるかもしれませんね。ですが使い方自体はとてもシンプルなので、ここでそれぞれの用法をしっかり覚えるようにしましょう。
「A、すなわちB」の意味を持つ or や「AではなくてB」の意味を持つ but も例文と合わせて覚えると、頭に入ってきやすいと思います。
ただ暗記して覚えるのではなく、自分で例文を作ってみたり、実際の会話で何度も使ってみたりするのが英語上達への鍵となりますよ!