さな
(更新)
違う国から来たお友達がいるとしましょう。そのお友達を、英語で誰かに紹介したいときに「この方は〇〇人です」と言いたいけれど、どのように呼べばいいかわからないという経験はありませんか?
日本語だと最後に「人」を付けるだけですが、英語だと国によってさまざまな呼び方があります。
突然ですが、ここで問題。
Norway(ノルウェー)出身の人をなんと呼ぶかわかりますか?
NorwayeseでもNorwayanでもないですよ。
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正解は、Norwegianです!
このように、最後に -ese や -an を付ければ良いというわけではなく、国によって語尾が異なったり、形全体が変わってしまうこともあるのです。そしてこの決まった名称は「住民の呼称」と言います。
今回は不規則な例とともに、英語での住民の呼称をいくつかご紹介します。少しでもパターンを理解できると、いきなり会話で使うことになっても安心できるでしょう!
住民の呼称とは、ある一定の地域、自治体、または国の住民に対して用いられる固有の呼び方です。日本語ではしっくりこない言葉かもしれませんね。
英語では、住民の呼称は demonym(デモニム)と言います。複数形は demonyms です。
demonym は特定の国のほかに、ある州や都市の人に対して使われることが多々あり、たとえばNew York出身やNew Yorkに住んでいる人のことはNew Yorkerと呼びます。
実はこの demonym という単語は1990年より普及したそうで、それ以前は「著者のペンネーム」を表す言葉として使われていました。意外と新しい言葉なので、英語がネイティブの人でもわからないことがあります!
ではここで、意味をもっと深く知っていただくために demonym という言葉を分析します。
まず、dem- は「人々」を意味するギリシャ語の接頭辞です。続いて、-onym という接尾辞は「名称」や「名前」に用いられることが多いです。そのため、直訳すると demonym は「人々の名称」という意味ですが、日本では「住民の呼称」と呼ばれるようになりました。
Japanese、Chinese、Vietnameseのように、住民の呼称では終わり方にパターンがあるということに気付きましたか?
実はよく使用される接尾辞というものがあるのです。ここで、一般的に使われているものをいくつかご紹介したいと思います。
最初によく使われる接尾辞は -(a)n です。たとえばKorean(韓国人)、Mexican(メキシコ人)、German(ドイツ人)などがありますよね。
次は -i ですが、 -i で終わる呼称はなにか思い浮かびますか? これは少し難しいかもしれませんが、Israeli(イスラエル人)やNepali(ネパール人)などがあります。
こちらもよく見かける接尾辞ではないでしょうか。たとえばItalian(イタリア人)やIndian(インド人)というふうに -ian は使われます。
-ite は国の住民の名称として使われることが少なく、実はVancouverite(バンクーバーの人)やBrisbanite(ブリスベンの人)などと、特定の都市に住む人に対して使用されることが多いです。
-er は国、都市、ともに使用され、たとえば国だったらNew Zealander(ニュージーランド人)、都市だったらLondoner(ロンドンの人)などがあります!
日本人であればこちらはわかりますよね。Japanese(日本人)やChinese(中国人)のように -ese は使用されます。
よくある接尾辞を理解した上で、次は国名とどのように関係しているのかを見ていきたいと思います!
なんとなく想像はつくと思いますが、-land で終わる国名は最後に -er をつけると住民の呼称になることが多いです。では、以下の国名と住民の呼称を見てみましょう。
まだまだ -land で終わる国名はありますが、基本的にはこういった感じです。
しかし、ここで注意すべき例外もあります。
このように、最後に -er が付かない国名もあります。ThailanderやFinlanderと言ってしまわないよう、気を付けましょう。
*ニュージーランド人のことはNew Zealanderと言いますが、国のシンボルのキーウィ鳥に由来し国民もKiwiと呼ばれることがあります。
さて、次は -a で終わる国名について説明したいと思います。
-a で終わる国名はたくさんあります。また、住民の呼称もシンプルで、最後に -n を付けるだけのケースが多いです。早速例を見てみましょう!
このように、最後に -n を足し付けるというルールを守る国はたくさんあります。
そしてもちろん例外もあります。なかには以下のような国があるので気を付けましょう。
国名が -a で終わっていても、接尾辞が -n ではなく -ian に変わるものを主として挙げてみました。そして、Botswanaのように単数系と複数形で呼称が変わってしまうこともあります。
*Aussieはオーストラリア人特有の略語・スラングです。形容詞としても名詞としても使えます。
さて、Japanはこのカテゴリーに当てはまるということで、どんなルールがあるのか気になるのではないでしょうか?
-n で終わる国名の住民の呼称は、終わり方が3種類ほどあります。
まずは、Japaneseのように最後に -ese が付く例を見てみましょう。
LebanonだけLebanoneseではなくLebaneseになるので、ここだけ気を付けると良いでしょう。
次は、-ian を付け足す終わり方の国をご紹介します。
最後に、-i を足し付ける国名は以下のようになります。
このように一定のルールはないですが、パターンを覚えておくと困ったときに少しは役立つのではないかと思います。
-o で終わる国名は少ないうえ、接尾辞にパターンもないようです。いくつか見てみましょう。
このように、-o が -an に変わる例がいくつかありますが、そのほかはルールが特にないようですね。
ほとんどのケースでは、国名の最後に先述のような接尾辞が付きます。
しかし、もちろん不規則なケースもたくさんあります。国名のどこかが削られて短くなるものや、原型がなくなるものまでさまざまな例があります。
こういうものは覚えるしかありません。早速いくつか見ていきましょう!
なかには、スペインやトルコのように、名詞と形容詞と2通りの名称がある国もあります。
He is a Spaniard.(名詞)
He is Spanish.(形容詞)
She is a Turk.(名詞)
She is Turkish.(形容詞)
このように、使い方に気を付けながら使用すると良いでしょう。
*Pinoy(男性)とPinay(女性)は、フィリピン人という意味ですが、Filipino(男性)・Filipina(女性)よりも少しカジュアルな言い方になります。
いかがでしたか?
英文ニュースなどで耳にしたことがある呼称もありましたよね!
パターンがあったりなかったりで戸惑うこともあると思いますが、いつかきっと役に立つ情報だと思うので、ぜひ頭の片隅に置いておいてください!