Mei
(更新)
突然ですが、毎年4月23日は何の日かご存じですか?
アースデー(4月22日)でもない。
良心の国際デー(4月5日)でもない。
中国語デー(4月20日)でもない。
正解は…
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「国際英語デー(English Language Day)」です!
今回はそんな国際英語デーにちなんで、この記念日が成立したきっかけ、英語デーに関連する英語表現、そしてぜひ知っていただきたい最近辞書に登録された英単語をご紹介したいと思います!
国際英語デーがどのように制定されたか、その背景について、まずお話ししていきたいと思います。
国際英語デー(通称英語デー)は国連が「言語と文化の多様性を祝う日」として定めたことが始まりです。
これは、国連で使われている公用語が基準。その公用語を国連で等しく使えるように促すための日でもあります。
国連組織で使われている公用語は6つあり、各言語には、それぞれ祝う日が定められているんですよ。
これを受け、ブリティッシュ・カウンシル(英国の公的な国際文化交流機関)はTwitterのハッシュタグを使って、毎年英語に沿ったさまざまなテーマのキャンペーンを開催しています。
2021年のテーマは「#inoneword(ひとつの単語で)」でした。急激に変わっていく世の中に対して、自分が思い浮かべたことを、たくさんの方々が英単語ひとつで投稿していきました。
✏️大切な言葉 #inoneword :Tomorrow(明日)
「明日は新たなチャンスをもたらします。とても前向きになれる言葉です」By @mattintokyo
4/28まで『in one wordキャンペーン』開催中 https://t.co/HoX89jJIv0#英語デー #英語の日 #UNEnglishLanguageDay ✨ pic.twitter.com/xSNCCdnFHn
— ブリティッシュ・カウンシル (@jp_British) April 27, 2021
ちなみに、4月23日は、かの有名な小説家・William Shakespeare(ウィリアム・シェイクスピア)が誕生した(と考えられる)日でもあり、没日でもあるのです!
有名な脚本家・小説家でもあるほか、現代英語に大きな影響をもたらした人物なので、このシェイクスピアの日を「英語のための日」とするのはぴったりですね!
そして同じ日の23日にはスペイン語デーがあるのですが、これはスペイン人作家のMiguel de Cervantes Saavedra(ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ)の没日とされているからです。
ミゲル・セルバンテスは「ドンキホーテ」という小説の著者です。
4月23日は、英語とスペイン語に影響を与えた有名作家たちの人生の節目にあたるので、なんだか感慨深いですね。
ここからは、英語デーに関する話題になった場合に知っておきたい英単語や表現をいくつかご紹介したいと思います。
「国際連合」のことを指します。
今回の英語デーは国際連合が制定した日なので、この単語(名称)はぜひ覚えておきましょう!
発音は「ユナイテッド・ネーションズ」です。
これは「多言語主義」という意味になります。
先ほど説明したように、英語デーは、国連で使われている言語を基準に、言語と文化の多様性をお祝いする日です。
そのような日にはこの単語は欠かせられないでしょう。
「マルチリングアリズム」と読みます。
Cultural (文化的な)+ diversity (多様性)で「文化的多様性」という意味になります。
世界はさまざまな文化で成り立っているものです。文化の多様性について話すときにたくさん出てくる単語なので、ぜひ覚えていきましょう!
「カルチャル・ダイバーシティー」と読みます。
Observance (規律) day (日)で「記念日」という意味を持つこの単語。
Anniversary と言いたいところですが、これは個人的な記念日ではなく、国連が決めた正式な記念日ですので、observance day と言います。
「オブザーバンス・デー」と読みます。
Official (公式な) language (言語)で「公用語」という意味です。
国連の公用語と言いたいときは UN’s official language と言うことができます。
「オフィシャル・ランゲージ」と読みます。
英語デーを記念して、2022年に正式に辞書に登録された英単語で、すでに広く使われている英単語を10個ご紹介していきたいと思います。
これらは、Reader's Digest上で「正式にMerriam-Websterが出版する辞書への追加」が発表された言葉です!
毎年どんどんと新しい単語ができていくのを見ていると、時代が進んでいると感じられますね!
何度か聞いたことがあったり、既知の単語も出てくるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
キャンセル・カルチャーという単語を聞いたことはありますか?
文化(カルチャー)を拒否する(キャンセル)と、一瞬だけ意味がわからなくなるかもしれませんが、簡単に言えば「干される」という意味です。
インフルエンサーなどを含む著名な方が、問題発言や行動をしてしまうと追放されるという意味になります。
以下がMerriam-Websterでの説明です。
The practice or tendency of engaging in mass canceling as a way of expressing disapproval and exerting social pressure.
「 不評を表明し、社会的圧力をかける方法として、大いに拒否をする習慣または傾向のことをいいます」
これは「バイポック」と読みます。
Black, Indigenous, and People of Color(黒人、先住民、有色人種)の略で、これらの頭文字をとって BIPOC になります。
もともと、People of Colorという言葉自体は1700年代から使われているそうで、これに Black (黒人)と Indigenious (有色人種)の頭文字を追加したものです。
BIPOC 自体は2013年ごろにSNSで頻繁に使われるようになってから知られるようになりました。
BIPOC の方々の多様な文化をリスペクトする意味で使われるようになったのが始まりです。
Merriam-Websterでは以下のように説明されています。
Black, Indigenous, and People of Color.
「黒人、先住民、有色人種のことをいいます」
読み方は「デカーシレーション」です。
難しいうえに長いこの単語は一体なんぞや、と思う方が多いと思いますが、一言でいうと「出所・脱施設化」という意味です。
世界規模で見ると、米国はことあるごとにすぐに刑務所に入れて閉じ込める割合が高いとされているので、刑務所の収容人数を超えてしまうことがあります。
そこで、一定の人口に占める収監者の人数を減らす目的で、この decarceration という言葉が誕生したのです。
Merriam-Websterではこのように説明されています。
Release from imprisonment. also : the practice or policy of reducing the number of people subject to imprisonment.
「禁固刑からの釈放。また、禁固刑に服する人の数を減らす実践や政策」
Crowd (大勢)からの funding (資金調達)。
そうです、日本でもよく聞く「クラウドファンディング」のことです。
例えばの話から考えてみましょう。
いますぐ起業したい。
でも起業できるだけのお金がないから、インターネットなどさまざまな方法を使って資金を募るのがクラウドファンディングです。
日本でも広く使われているだけに、まだ正式に辞書に登録されていないだなんて驚きですね!
そんなクラウドファンディングのMerriam-Websterでの説明はこちら。
The practice of obtaining needed funding (as for a new business) by soliciting contributions from a large number of people especially from the online community.
「多くの人々、特にオンラインコミュニティから寄付を募ることで、(新規事業のように)必要な資金を調達することをいいます」
Gig (単発のお仕事) worker (働く人)で、主に1日で終わるような仕事を請け負う人、つまり「単発で仕事をする人」のことを指します。
フリーランサーに似ているのですが、決定的な違いがあります。それは、フリーランサーは専門的なスキルを用いて1日では終わらないようなプロジェクトの仕事を、ギグワーカーは1日で終わる単発の仕事を請け負うところです。
そんなギグワーカーの説明はMerriam-Websterではどうなっているのでしょうか。
A person who works temporary jobs typically in the service sector as an independent contractor or freelancer : a worker in the gig economy.
「独立した請負業者またはフリーランサーとして、通常サービス分野で一時的な仕事をする人 : ギグ・エコノミーにおける労働者のことを指します」
Sapio (賢明である)sexuality(性的指向)で、人の知性に魅力を感じるセクシュアリティの一種です。これだけだと理解し切れないと思うので、もう少し詳しくご説明します!
世の中にはさまざまなセクシュアリティがありますが、そのなかの一つに新たに加わったのがこのサピオセクシュアル。
レディーガガの「Shallow」という曲をプロデュースした音楽プロデューサーのマーク・ロンソンもその一人です。
彼が答えたELLE girlのインタビューによると、ロンソンさん自身はバイセクシャルでありながらも、毎回相手に惹かれる部分はすべて、その人の知性なんだそうです。
Merriam-Websterではこのように説明されています。
Of, relating to, or characterized by sexual or romantic attraction to highly intelligent people.
「高度に知的な人々に対する性的またはロマンチックな魅力を感じてしまう性的指向のことを指します」
この単語の読み方は「ジェダイ」。
勘がいい方はもうお気づきでしょう。そうです、あのスター・ウォーズに登場する正義のヒーローで「ジェダイ」からきた英単語です。
特定の分野や努力において、並外れた技術や専門性を発揮する人のことを指すときに使われる単語です。
そんなジェダイですが、Merriam-Websterでは以下のように説明されています。
A person who shows extraordinary skill or expertise in a specified field or endeavor.
「特定の分野や努力において、並外れた技能や専門性を発揮する人のことを指します」
「エイ・エス・エム・アール」のほかに「アスマー」とも読めるこの単語。
最近よく見かけるかと思いますが、これは Autonomous (自律的) Sensory (感覚) Meridian (絶頂) Response (反応)の頭文字をとった略語で、「自律的感覚絶頂反応」という意味になります。
聴覚や視覚だけで、心地よくなったり脳みそがゾワゾワする感覚のことを言います。
筆者は、タロットカードをシャッフルする音だけでも眠くなったりすることがあるので、おそらくこのASMRに当てはまるのではないかと思います。
さて、そんな ASMR ですが、Merriam-Websterではどのように載っているのでしょうか。
A pleasant tingling sensation that originates on the back of the scalp and often spreads to the neck and upper spine, that occurs in some people in response to a stimulus (such as a particular kind of sound or movement), and that tends to have a calming effect.
「頭皮の裏側から始まり、首や背骨の上部に広がる心地よいピリピリ感のことを指します。人によっては、特定の種類の音や動きなどの刺激に反応して起こり、心を落ち着かせる傾向があります」
直訳すると「銀のキツネ」になるのですが、これは白髪の中年男性をイメージして作られた単語です。
これは、中年の白髪頭が銀ぎつねに似ていることからきています。
そして fox (キツネ)は英語のスラングでは「魅力的」という意味を持っています。つまり、魅力的な中年男性という意味になります。
また、俳優のジョージ・クルーニーさんの魅力的な姿から作られた単語だという一説もあるのだとか。
そんな silver fox は、Merriam-Websterではこのように説明されています。
An attractive middle-aged man having mostly gray or white hair.
「白髪の多い魅力的な中年男性のことを指します」
最後にご紹介するのは、この @ です。
そもそも単語ではなく、記号ですよね。
しかし、このマークはソーシャルメディアなどではよく見かけます。
これは、@マークの後ろにユーザーネームをつけて相手をメンションする、別名「タグづけする」からきた新単語なんです。
誰か、もしくは何かに対して自分の主張を述べたり、何かに対して軽蔑するようなことを言ったときに、責任逃れするために「自分が言ったということを言及しないでほしい」ときに使われることが多いです。
また、とある話題に巻き込まないでほしいというときは「Don't @ me(ドント・アット・ミー)」という使い方もできます。
今までは単なる記号として登録されていたのですが、今回は動詞として新たに辞書に登録されることになりました。
そんな @ ですが、Merriam-Websterではどのように説明されているのでしょうか。
To respond to, challenge, or disparage the claim or opinion of (someone) —usually used in the phrase don't @ me
「誰かの主張・意見に反論する、挑戦する、軽蔑するときに使われます。通常、don't @ meというフレーズで使われます」
今まで見かけていたけどまだ正式に辞書に載せられていなかった単語や、「これ単語だったの?!」と思うような言葉が新たに辞書に載せられるようになりましたね。
この記事でご紹介した新単語を応用して、会話に取り入れてみるのはいかがでしょうか?
今後もさらに未知の単語が作られ、「英単語」として正式に認識されていきますので、アンテナを張って、ぜひ新単語を応用してみましょう!