Yoko
(更新)
文の要素、基本の文型、補語…こんなキーワードを聞いただけで頭が痛くなる文法アレルギーな方はいませんか?
確かに、文法はちょっと難しかったり面倒くさかったりしますが、英文を理解する上でとっても大切な要素です。
そこで今回は、文章の成り立ちを理解する上で基本となる【文の要素】【基本の5文型】を「補語」という観点からもう一度おさらいしてみましょう!
みなさん一度はどこかで「S, V, O, C, M」というのを見たり聞いたりしたことがあると思います。
「S, V, O, C, M」と言われると難しそうに聞こえますが、これらは簡単に言うと【文の要素】のことです。
どんな文章もこれらの要素が集まって成り立っているのですが【文の要素】は大きく分けて、以下の「5つ」あります。
これらは「文章の中でどんな働きをしているか」を表したもので、名詞・形容詞といった「品詞」とは別物であることに注意してくださいね。
いまいちピンとこないものも含まれているかと思うので、簡単におさらいしてみましょう。
まず「S」にあたるのが「Subject(主語)」で「誰が」「何が」を表します。
主語になれるのは名詞と代名詞です。
「V」にあたるのが「Verb(動詞)」です。述語としての働きをするので「述語動詞」と呼ばれ、「〜である」「〜する」などの状態や動作を表します。
述語動詞になれるのはbe動詞、一般動詞、助動詞+動詞などです。
「O」にあたるのは「Object(目的語)」です。動詞が表す動作の対象になる語で「〜を、〜が」にあたります。目的語になれるのは名詞と代名詞です。
My father gave me a cute puppy.
「父は私に可愛い子犬をくれました」
「C」にあたるのは「Complement(補語)」です。これは、主語あるいは目的語の名詞・代名詞がどういうものなのかを説明する語で、補語になれるのは名詞と形容詞です。
最後に「M」にあたるのが「Modifier(修飾語)」です。名詞を修飾する形容詞、動詞・形容詞を修飾する副詞といった、肉付けの役割を果たすものがこれに当たります。したがって、修飾語は無くても文法的には文章が成立します。
続いては基本の文型をさらっとおさらいしましょう。基本の文型は全部で5つです。
2と5にC(補語)が出てくることが分かりますね。
そして、先ほど「無くても文章が成立する」と紹介した「M(修飾語)」は基本の5文型には登場しないことにも注意が必要です。
まずは、それぞれの文型をさらりとおさらいしてみましょう。
主語(S)と動詞(V)だけで文章が完成している、最もシンプルな構造の文章です。
S= a dog、V= barked
主語(S)と動詞(V)に補語(C)が加わった文章です。
S= the dog、V= is、C= old
主語(S)と動詞(V)、目的語(O)で出来上がった文章です。
S=I、V= touched、O= the dog
主語(S)と動詞(V)に目的語が2つ(O)ある文章です。
S= my father、V= gave、O= me / the dog
主語(S)と動詞(V)、目的語(O)に補語(C)で成り立っている文章です。
S= I、V= named、O= the dog、C= John
さて、ここまでおさらいした中で「補語」とはどんなものか、パッとイメージできますか?
「補」という漢字が付いているので、あまり大事ではなさそうな印象を与えますが、そもそもの “complement” の意味とは、
a word or group of words added to a sentence to make it complete
(出典:Merriam-Webster)
つまり「補語」が無いと文章が成立しないというとても重要な役割を担っている「影の実力者」なんですね。そして、何を補っているのかというと、主語や目的語が「どんなものか」「どんな状態か」という説明を補っているのです。
基本の5文型の第2文型(SVC)と第5文型(SVOC)の例文を再び登場させてみましょう。
S= the dog, V= is, C= old
補語である “old” は主語である “the dog” がどんな状態かを説明して補っていますね。
S= I, V= named, O= the dog, C= John
ここでの補語は “John” で、目的語の “the dog” がどんなものか(ここでは名前)を説明して補っています。
このように、主語や目的語を説明して補うのが「補語」の役割です。
基本の5文型に登場した「SVC」と「SVO」、または「SVOO」と「SVOC」を見て、目的語と補語の違いがイマイチ分からない…と思った方はいませんか?
“old” は「補語」
“the dog” は「目的語」
“me / the dog” はともに「目的語」
“the dog” は「目的語」、“John” は「補語」
パッと見ただけでは混乱してしまいがちな目的語と補語ですが、それぞれの働きはまったく違うのです。もう一度簡単に比較してみると、
です。そして、実はもっと簡単に見分ける方法があるのです。
必ず【補語=補われる側の語(主語もしくは目的語)】という図式が成立することが大きなポイントです。
補語と目的語それぞれの働きを考えると当たり前のことですが、これが最も簡単に見分けるコツです。
補語がどんなものなのか、役割や見分け方はマスターできましたか? 最後にクイズに挑戦してみましょう!
以下の5つの文章のなかで、補語を探してみましょう。なかには補語が含まれていない、ひっかけ問題もあるので気をつけて下さいね。
いかがでしたか?それでは正解です。
補語あり
2.amazing(The view=amazingで「S=C」が成立)
3.happy(The boy=happyで「S=C」が成立)
5.open(the door=openで「O=C」が成立)
目的語と補語の区別に迷ってしまった方は、1つ前の章をもう一度読み直してみて下さいね。