DMM英会話ブログ編集部
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イディオムとは、言葉に本来の意味とは違うニュアンスを持たせた言い回しのことで、日本語の慣用句にあたります。ネイティブ・スピーカーの日常会話には実はイディオム(慣用句)がたくさん散りばめられていますが、本来の意味と違うぶん、聞き逃してしまっていることも多いんです。それはとてももったいない…!
そこで今回は、アメリカの英語話者がよく使うイディオムの中から【食べ物】を使ったものをピックアップ。一度にすべては難しいかもしれませんが、自分の好きな食べ物があれば、それを使ったイディオムから実際に使ってみてください。会話がグンとナチュラルになりますし、話すことが楽しくなりますよ!
Let's get started!(さぁ、始めましょう!)
《例文》
A:I don't know if I'd be a politician or a mom.
「政治家になるべきか、母親になるべきか、迷っているの」B:It's apples and oranges unless you are talking about a stay-at-home mom.
「それは比較にならないよ、在宅で育児専業の母親じゃない限り」
どちらも果物とはいえ、異なる種類のリンゴとオレンジを比較しても意味はないという意味です。
“apples and oranges” と複数形をとります。“I love apples.” と言う場合、特定のリンゴではなく、リンゴ全般を指すので複数形とするのと同じですね。
※ stay-at-home mom:在宅で育児専業の母親
《例文》
Sarah is the cream of the crop from/in the class of 2014.
「サラは2014年度卒業生の中で最優秀だ」
“cream” は牛乳の最上質の部分から作られる+ここでの “crop” は「作物」ではなく「ある一団や群れ」の意味、というところから「あるグループの中で最上の人物」を指します。
※ the class of 2014:2014年に大学を卒業した学生たち。日本の「●期生」のように使います。
※ 食品としての生クリームは “heavy cream” と言います。
《例文》
Teachers think Amy is a bad apple in the class.
「先生たちはエイミーをクラスの問題児だと思っている」
樽の中にひとつ腐ったリンゴがあると周囲のリンゴも傷むことに由来します。
“a bad apple” と必ずaが付きます。日本では「腐ったミカン」と表現しますね。
《例文》
Jay and Eve are like two peas in a pod. They work together very well in our department.
「ジェイとイヴは最強コンビなんだ。うちの課でとても相性よく仕事をしているよ」
※ このコンビで仕事をするから良い成果が出ている、という意味合い
親しい二人を、“pod(豆のさや)” の中に隣り合って収まっている “peas(豆)” に例えた言い回しです。いわば「最強コンビ」です。
《例文》
It's a secret birthday party for Ronny. Don't spill the beans, OK?
「これはロニーのびっくり誕生パーティなの。言っちゃダメよ、分かった?」
缶やザルに入った “beans(豆)” を誤ってぶちまけてしまう様と、秘密をうっかり漏らして情報を広めてしまうことを掛けたイディオムです。
※ 一般的に大きな豆を “bean”、小さな豆を “pea” と呼び分けますが、厳密な区分はありません。グリーンピース(green pea)、大豆(soybean)など、豆の種類によって名称の一部となっているものもあります
《例文》
This is an unbelievably luxurious hotel! I feel like I'm in the land of milk and honey!
「このホテル、信じられないくらい豪華! 豊穣の土地にいるみたいだわ!」
旧約聖書に由来するイディオムですが、宗教に関係なく使われます。また、本来は「豊かな土地」を指しますが、これも今ではゴージャスな場所ならどこにでも使えます。
《例文》
A:I've saved money to buy a new bike, but my wife spent it without telling me!
「新しい自転車を買うためにヘソクリしていたのに、妻が黙って使っちゃったんだよ!」B:That’s the way the cookie crumbles.
「ものごとはそんなものだ」
直訳すると「それがクッキーが粉々に砕ける様だ」ですが、何ともコメントのしようのないことが起こったときに「仕方ないよね」という意味で使います。
《例文》
You don't need to sugarcoat it. I know what kind of person Michael is.
「言い繕わなくていいよ。マイケルがどんな人間が知っているから」
本来は砂糖で薬を包んで飲みやすくする糖衣のことです。そこから、本来の姿を隠して良く見せかけることを言います。
《例文》
The restaurant Jay brought to me was so cheesy. I'll never go out with him again.
「ジェイが連れて行ってくれたレストラン、全然さえなかった。彼とはもう二度とデートしない」
“cheese” を形容詞型にした “cheesy” がなぜかネガティヴな意味で使われるようになりました。
なお、チーズをたっぷり使った料理、チーズ風味豊かな料理を “cheesy” と言うこともあります。こちらは褒め言葉ですね。
《例文》
Singing, dancing, acting... Maya does many things but modeling is her bread and butter.
「歌、ダンス、演技……マヤはいろんなことをしているけれど、いちばん稼げているのはモデル業なの」
欧米ではパンとバターが最も基本的な食べ物であることから、それを得るための仕事を指します。そこから転じて「最も基本的なもの、こと」の意味で使われることもあります。
《例文》
Teachers use a carrot and stick approach to teach students.
「教師は生徒を教えるのにアメとムチの手段を使うよね」
馬を働かせるために美味しいニンジンを与え、同時に “stick(木の小枝、ムチ)” で打ちもする、まさに「アメとムチ」です。
“a carrot and stick approach” とすると、意図的にその手法を使った教育法や社員育成法という意味になります。
《例文》
It's a hot potato to tell Brook that she's fired.
「ブルックにクビだと伝えるのはやっかいな仕事だよ」
熱々の焼きジャガイモ。手に持っていられず、思わず誰かに投げてしまいたくなりますね。そんな風に人に押し付けたくなるような難問を指します。
《例文》
Though Shota was born in Japan, but raised in NY, he's as American as apple pie.
「ショータは日本生まれだけどニューヨーク育ちだから、アップルパイ並みにアメリカンだよね」
アップルパイがアメリカを象徴する食べ物であることから派生した言い回しです。人だけでなく、モノや事象についても使えます。
《例文》
My comforter is now as flat as a pancake after I put it in the dryer.
「乾燥機で乾かした後、布団がパンケーキみたいにペチャンコになった」
これも13と同じ理屈です。アメリカで平たい食べ物といえばパンケーキ!
パン、バター、チーズ、パンケーキ…など、やはりアメリカの食卓によく並ぶ食べ物を使ったイディオムが多いですね。イディオムは自分で使ってこそ本当の意味で身に付きます。実際に食べながらイディオムを口にしてみるのもおもしろいかもしれません。
それではまた次回をお楽しみに。
See you around!(またお会いしましょう!)
【目指せ慣用句マスター!】