DMM英会話ブログ編集部
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学校で教えてくれる英語はどれも丁寧で礼儀正しいものばかり。ただし、そうした英語もほんのちょっと言葉を変えるだけで、またはその時々のシチュエーションによっては、相手を怒らせる表現になってしまいます。
今回は、「そんなつもりじゃなかったのに」という誤解を生みやすい英語表現をご紹介します。細かなニュアンスの違いを理解して、真の表現力を磨きましょう。
「日本語を話す能力が君にはあるのかな?」と相手を小ばかにしたニュアンスに聞こえてしまうかもしれません。
本来、日本語に限らず、言葉というのは能力的なものではなく習慣的なものです。“Can you~?” だと能力をあからさまに尋ねることになり、相手を侮っている印象を与えてしまう可能性があるでしょう。
これなら「日本語を話す習慣があるのですか?」と、マイルドに尋ねることができます。
相手の申し出、好意をぴしゃりとはねつけるイメージです。「いいえ結構です!」という強い拒絶の意思を相手に伝えることになります。
実は、ネイティブはあまり “No thank you.” という表現を使いません。英語は必ず「Yes/No」がはっきりしているというのは誤解です。相手の好意をやんわりと断る表現もきちんとあるのです。
そんな時には、次のような表現を使いましょう。
「なんでここ来たの?」とフランクに尋ねたつもりが、「どうしてあなたはここに来たのか、理由を言ってください」と相手に迫る感じで伝わってしまうかも。相手は職務質問されているような嫌な気分になってしまうかもしれません。
こんな表現ならば、相手を不快にさせることなく理由を尋ねることができます。
相手のずうずうしい要求に「今度はいったい何の用だ?」とイライラしているようなイメージです。ぶっきらぼうな言い方に聞こえてしまうかもしれません。
喜んで相手の要件を尋ねたいときには、
と言いましょう。“want” はそもそも直接的、本能的な欲求、なりふり構わない欲求を表すので、親しい間柄ならともかく、目上の人に対して使うのは失礼にあたります。
何か問題がないか確認したいと思っていても、「何か文句あんのかよ?」と相手に噛みつく印象を与えてしまうかもしれません。
問題点を指摘してほしいときなど、特に喧嘩するつもりがないなら、
と穏やかに優しく言いましょう。
仕事を進めるときに問題がないか尋ねたいのであれば、
という表現も使えます。
相手の言葉が聞き取れなかったから正直に伝えただけなのに、「わけわかんないよ」と相手の理不尽さ、支離滅裂さを非難する伝わり方をしてしまうかもしれません。
相手の英語がうまく聞き取れなくてもう一度聞きたいならば、
と語尾を上げて言えば十分です。より丁寧に言いたければ、
という表現も◎です。
上司に対する尊敬の気持ちを伝えたつもりが、「君のことは尊重するよ」「君には一目置いているよ」と上から目線な印象で伝わってしまうかもしれません。
そもそも “respect” は年齢的、立場的に同等な人に対して使う言葉で「軽く見ていない、なめていない」というニュアンスがあります。日本語訳では「尊敬」というより「尊重」という言葉の方が近いでしょう。
相手に尊敬や憧れを伝えたいのであれば、
こんな表現をする方が、より適切です。
自慢話やお説教など、相手が言っていることに対して「自分はどうでもいい」という気分を表すときに使う表現です。相手には「それがどうした?」「だから何だ?」とぶっきらぼうな印象を与えるでしょう。
単純に「それでどうした? それでどうなった?」と相手の話を促したいだけであれば、
ちなみに、“So what did you do today?” のようにwhat疑問文の頭にsoを使うことは問題ありません。
「噂を聞いてる」「良い噂を聞いてる」と伝えたつもりでも、相手には「あなたはひどい人だと聞いてるよ」という意味合いに聞こえてしまいます。
ここでは、過去形ではなく現在完了形を使います。
時制が変わるだけで意味が大きく変わるので、要注意の表現ですね。
直訳は「俺と一緒に来た方がいい」。 “had better~(〜した方が良い)” を使うと、「さもないととんでもないことになるぞ」と上から目線で警告を発しているイメージです。
「そうした方がいいですよ」と義務・忠告を与えたいというニュアンスであれば、次のような表現を選びましょう。
気になるあの人との食事デート。けれど、こんな英語表現を使ってしまうと、相手が知らない間に怒っている? なんてことが起こるかもしれません。
デート相手はもちろん、お店の店員さんにも失礼な口の利き方をしていれば、「次のデートはないな……」と思わせてしまうでしょう。
相手に不快な思いをさせたくなければ、次のような表現を選ぶのがベターです。
“Please sit down.” では強制的な感じがします。
“It’s good.” では「まあまあじゃない」ととられます。
“Would you~?” だと「相手が当然それをしてくれるもの」というニュアンスがあるので、使い方によっては嫌味に聞こえます。
“cheap” を使うと「安っぽい、品質が悪い」というマイナスのイメージを与えます。
“I want~” を使うと子供じみた、ぶっきらぼうな口調に聞こえます。
“You gave me the wrong change.” は「ごまかそうとしてない?」と詰問しているニュアンスです。
いかがでしたか? 今回ご紹介した表現は、どれも普段の会話の中で何げなく使ってしまいそうなものばかりです。
言葉とは繊細なもので、ちょっとしたミスや誤解が人間関係にヒビを入れかねません。そうした悲劇を防ぐためにも、何げなく使う言葉のニュアンスにもう一度注意深く気を配ってみてくださいね。
【バリエーションを身に付けて、表現力をもっと豊かに!】