知夏七未
(更新)
みなさんこんにちは!ななみです。
前回の「主語と動詞からやり直す基礎英文法」はいかがでしたか?
本日は文法講座の第2回目。
「文法なんて嫌だ~!」という方も、「文法気になる!」という方も、
肩ひじ張らずにくすりと笑いながら学んでいきましょう!
【登場人物】
ななみ:今日はりっかさんのリクエストにもあった、“受け身”についてお話ししたいと思います。
りっか:受け身かあ・・・タイプじゃないなあ。
ななみ:そういう話じゃなくて・・・
英文法における大事なポイントですよ!
まずは、そもそも受け身(別名“受動態”)ってなんだっけ?
という前提からおさらいしましょう。
ななみ:まず、前回もやったとおり、英語の文章には主語と動詞が必ずあります。
そして、目的語をうっかり抜かさないようにしないといけないんでしたね。
カフェオレがビールになっちゃうかも、なんて話、覚えていますか?
こういった「主語が何かの行動をする」文章を、“能動態”と言います。
りっか:わかります、わかります。
ななみ:(2回言うってことはわかってないっぽいな。。)
いっぽう、受動態(受け身)にはbe動詞が必須です。
主語と動詞のあいだに必ずbe動詞。
そして、動詞は過去分詞形、辞書を引くと3番目に出てくる形を使います。
“Write-Wrote-Written”の“Written”ですね。
“Like-Liked-Liked”など、過去形と過去分詞形が同じものもありますが、
決して過去の話をしているわけではありません。
勘違いしないように気をつけましょう。
りっか:あれ、じゃあ過去の受け身にしたいときはどうなるんでしたっけ?
ななみ:その時は、動詞ではなく、be動詞が過去形になります。
be動詞といっても、“be”をそのまま入れるわけではありません。
例えば“It is”を“It was”にすることで、過去の話ができるんです。
りっか:とりあえずメモメモ。
ななみ:ところでりっかさん、
受け身って実はそんなに使わないって知ってました?
りっか:まあそうですよね〜。
・・・って、え!?どういうこと!?今回の授業のコンセプトが!!!
ななみ:まあ落ち着いてください!!
受動態(受け身)じゃない文章でも通じるものは、
能動態にするのが通常なんですよ。
わざわざ受け身にするのは、それなりの理由があるときだけなんです。
ななみ:そのひとつが、された感を強調したいとき。
能動態では「目的語」にあたる言葉を主語に持ってきて、
受動態にすることで「された」というニュアンスを出すことができます。
例えばね、パーーーンチ!!!!
りっか:えっ、ちょっ、なに!?
ななみ:今の状況、誰かに伝えるとしたら?
りっか:ヘルプミー!!
ななみ:間違ってないけどそういうことではなくって!
これがスタンダードな言い方です。
でも、ここで“された感”を強調したいなら
とも言えます。
スタンダードバージョンの目的語にあたる“me”を主語にして、
“I was”とするわけですね。
りっか:私はななみ先生に殴られた・・・
ななみ:ごめんね?あとでカフェラテおごってあげるから許して?
りっか:・・・うん♡
ななみ:もうひとつ、もっと一般的に受け身が使われる機会があります。
それは、主語があいまいなとき。
りっか:と、言いますと?
ななみ:例えばね。
「この席は彼がとっていますよ」という時は、
これをわざわざ“The seat is taken by him.”とは普通言いません。
でも、誰がとっているのかわからないけれど席が埋まっているときは、
という言い方をよくします。
“Someone takes the seat.”とも言えますが、
“The seat is taken.”に“by someone”は通常つけません。
りっか:なるほどね。
ななみ:ほかにも、「あの子がいい番組だって言ってたよ」なんて話を伝えるときは
という具合に、「言っていた人」を主語にするのが普通の言い方です。
でも、噂として聞いた場合、誰が情報の発信源かわかりませんよね。
そんな時は、
という受け身の言い方にしたりします。
“It is said”は「~らしい」と意訳されますが、
「言われている」という受け身です。
じゃあこれに“by~”を加えるとしたら誰になりますか?
りっか;う〜ん、誰だろう。
Someone? Somebody? Some people?
ななみ:そうそう!いいですね!
また、「~らしい」と意訳できるその他の言い方としては、
や、前回やった“They”を使った“They say〜”という言い方が使われます。
特定の人の動作ではない時、人を主語に持ってくるかわりに、
受け身を使って状況を主語にするんですよね。
りっか:へぇー。
ななみ:学校のテストでは「能動態を受動態にしなさい」なんて問題を出したがって、
“He takes the seat.”を“The seat is taken by him.”にさせるんだけど、
実際ほとんどそんな言い方はしないんですよ。
能動態だと主語があいまいで文がぼや~っとするから、
あえて受け身にすることが多いということを知っていてくださいね。
ななみ:さて、ここからは、
絶対絶対絶対に間違えてほしくないポイントを解説します。
ここだけはマスターして帰ってくださいね。
りっか:うん!がんばる!
ななみ:じゃあ、映画を観に行ったとします。何か観たい映画はありますか?
りっか:ある!ジョニー・デップと少年時代のレオナルド・ディカプリオが共演した、『ギルバート・グレイプ』っていう90年代の映画なんだけど、
知的障害のある少年を演じたレオナルド・ディカプリオの演技がすごいんだって。
ほらみて、これこれ。
ななみ:へ~すごい組み合わせ!
では、その映画を観たと仮定して、感想を教えてください。
「すごかった!」ということを伝えるために、“amaze”を使いましょう。
“I’m〜”から始める場合、“amazing”と“amazed”のどちらかを使うんですが、
りっかさんならどちらにしますか?
りっか:正解率は50%か・・・
じゃあ、いったん“I’m amazed”で。
ななみ:「いったん」ってずいぶん適当だな~。。
とりあえず次の質問!
今度は映画を観て、「つまんなかったなあ」という時。
「飽きる」に関係する“bore”という言葉を使いましょう。
“I’m〜”につなげるなら、“boring”と“bored”、どちらだと思いますか?
りっか:“I’m boring”にしよっかな?
ななみ:しよっかなで答え決めてる。。ハテナマークついてるし。。
ななみ:コホン。
これね、“I’m〜”には、“amazing”、“amazed”、“boring”、“bored”、
どれも続くんですよ。文法上は。
ただし、“amaze”や“bore”のような感情動詞は「その感情を与えるもの」。
“amaze”は「すごい!」と思わせる動詞、“bore”は飽きさせる動詞なんです。
りっか:と、言いますと?
ななみ:つまり、“I’m amazing”というのは文法的にはあっているんだけど、
「私って超すごい人なの!!人々を驚嘆させちゃうわ!!」
というゴリ押しの自己アピール文になってしまうってこと。
りっか:え、そんな意味になっちゃうんですか?
ななみ:そして、“I’m boring”というのは、
「私ってつまらない人間なんです。。皆を飽きさせちゃいますよ。。」
というネガティブ発言になってしまうんです。
りっか:そんなつもりで使ったんじゃないのに。。
映画つまらなかったって言いたかったのに。。
ななみ:へこまないへこまない。
映画に飽きちゃったのは“りっかさん=I”ですよね。
であれば、この感情を与えられたという意味で受け身を使わないと、
そういう感情を持っていることにはならないんですよ。
りっか:なるほど。受け身にすることで、自分の感情を伝えられるわけね。
ななみ:じゃあもし観た映画がつまらなくて、
“The movie is”もしくは“It is”から始めるとしたら、
“boring”と“bored”のどちらを使いましょう?
りっか:えーと、“bored”?
いや待てよ・・・“boring”?
ななみ:あやしいな~。
今回の場合、“The movie”は人を飽きさせる主体ですよね。
だから、受け身を使わずに、
“The movie is boring”、“It is boring”とするのが正解です。
りっか:うわ。これ慣れないと間違えるなあ。
ななみ:ほかにも、
など、感情動詞は同じルールです。
“I’m tired”はこれで定着しているようで、
“I’m tiring”と言う人に出会ったことはないのですが、
「私いま混乱してます」って伝えたいんだろうに
なんて宣言している人がたまにいるので、注意してくださいね。
本当に“confusing”な人になっちゃいます(笑)
“He is amazing”なども使いますが、
ここで「すごい!」と思っているのは“He”ではなく、周りの人々ですよね。
その人自身が他人に影響を与える、という時には、
“人 is 〜ing”という形を使うんです。
りっか:そっかそっか!
ななみ:“game”、“movie”、“talk”、“work”など、
人に感情を与えるものが主語でその様子を表す時は“〜ing”。
人や動物が主語になってその気分を表す時は“〜ed”。
感情を引き起こすのか、その感情になっているのか、
正しく使い分けられるようにしましょうね!
わからなくなりそうな方は、
りっかさんと一緒に顔で表現して覚えちゃいましょう!
ではご一緒に〜!!
ななみ:なんか結局どれもかわいいな。。
もっと吹っ切れた顔のできるみなさま、ご応募お待ちしております(笑)
ななみ:ところで、感想を言っているときなんかに
とか
なんて言い方をよくします。
“〜ing”と“〜ed”の使い分けはもう大丈夫ですよね。
ではこの“really”と“actually”の違い、わかりますか?
りっか:“really”は「すごく」で、
“actually”は「実は」みたいな感じ?
ななみ:いいですね!さらに違いをわかりやすくすると、
“really”は「実に」「本当に」、
“actually”は「実は」「本当は」、という意味になります。
“really”は強調なので、
“amazing”につけても“bored”につけても、ただ度合いを強めるだけ。
一方の“actually”は転換。
つまり、「予想外に」というニュアンスが含まれるんですね。
という、事前の予想を暗に意味しています。
りっか:“actually”ってよく聞くもんなあ。
そんな意味があったんだ。
ななみ:でも、口癖のようにやたらと“actually”から会話を始める人が多いのも事実。
「実は」というほどの話の転換もないのに、ついつい使ってしまっているんです。
ですので、特別気に留めなくても大丈夫です!
日本語でも「てゆーか」から会話を始める人っていますよね?
これも転換の言葉なはずですが、もはやそんなの関係ないでしょ?
りっか:言葉の乱れってやつか。
ななみ:そういうことかもしれないわね。。
りっか:てゆーか先生、そろそろ時間!
ななみ:あ、本当だ!
てゆーか、今「てゆーかって変な日本語だね」って言ったところなのに!
りっか:先生も使った!
ななみ:。。。
日本語も英語も、正しく使うためには意識が必要ということですね。
受け身や感情の表現をなんとな~く使っていたみなさん、
今日の文法講座で得た知識をきちんと意識して、
これからは使いこなしてくださいね!
それでは今日の講座はここまでとなります。
りっか:ありがとうございました!
ななみ:こちらこそありがとうございました!
では次の文法講座もお楽しみに!See you〜!!