Hiroe H
(更新)
ジュエリーショップで気に入った指輪を2つ見つけました。
1つを手に取って見た後、「もう1つの指輪も見せてください」とお願いするとき、あなたなら「other」を使いますか? それとも「another」を使いますか?
英語を学習している方なら、1度は目にしたことがある other と another。英和辞書で調べると other も another も「ほかの・別の」という意味があり、みなさんはこの2つの違いや使い分けに悩んだことはありませんか?
今日は「other」と「another」の違いを詳しく解説していきたいと思います。それぞれの用法をしっかり理解し、自然と使い分けができるようになりましょう!
other は「ほかの人・物」という意味で、複数形は others になります。
通常、other は代名詞と形容詞として用いられますが、副詞としても用いることができます。
また特定の人や物のことを言う場合、冠詞の the をつける必要があるので気をつけましょう。
代名詞とは名詞を繰り返して使うのを避けるために使う、代わりの語のことを言います。
先ほどジュエリーショップで2つの指輪を見ているシチュエーションがありましたが、2つのうちのもう1つを見たいときに、代名詞用法の other を使って言うことができます。
「もう1つの方を見せていただけますか?」
この other はすでに話題に上がっている特定の2つの指輪のうち、もう1つのことを指しているので、the をつけてあげます。
しかし、実際の日常会話では、Could you show me the other one/ring? のように other の後ろに one や ring をつけて言う方が一般的です。
その場合は other の形容詞用法になるので後ほど詳しく説明します。
「ほかの人に親切にしなさい」
ここでの others は s がついているので複数の人を指していることがわかりますね。そして the がついていない others は、特定の人ではなく(自分以外の)ほかの人一般を表します。
次に形容詞と副詞の用法を持つ other を見てみましょう。
形容詞は名詞や代名詞を修飾し、副詞は動詞だけでなく形容詞、名詞、代名詞などを修飾できます。
「もう1つの指輪を見せてもらえますか?」
代名詞用法で少し触れましたが、特定のものを指す the other の後ろが名詞の単数形(ring)の場合、「2つのうちもう一方の」という意味になります。
「残りの本は全て処分した」
特定のものを指す the other の後ろが名詞の複数形(books)の場合は「残り全ての」という意味になります。
「また別のときに会いに来てください」
この other は形容詞用法の other で time を修飾しており、「別の・ほかの」という意味になります。
「申し訳ないとしか言えなかった」
この other は副詞用法の other で other than という形でよく使われます。意味は「〜のほかに・以外の」です。
another は an と other からできた語で、「もう1つの別のもの・人」を表します。
another は other と異なり、複数形がありませんので注意しましょう。
また、another にも代名詞用法と形容詞用法があります。
「この色はあまり好きじゃないです。ほかのを見せてくれますか?」
この another は代名詞用法です。another を使って言うと「ほかの多数」ではなく、「ほかのもう1つ」を指していることになります。
また another は不特定のもの・人を表すので、ここでは「不特定のものをもう1つ見せてくれ」と言っていることになります。
Can you show me another colour? のように、another の後ろに colour をつけて言う方が一般的です。その場合は、another の形容詞用法になりますのでまた後ほど説明します。
「彼にはすでに2人のアシスタントがいるが、さらにもう1人つくらしい」
この another も代名詞用法で、ここでは「もう1人の別の人」を表しています。
「ほかの色を見せてくれませんか?」
この another は形容詞用法で colour を修飾しています。原則 another の後ろには名詞の単数形がきます。
「ワインをもう1杯どうぞ」
この another は形容詞用法で glass を修飾しています。前にも述べましたが、another は an + other なので、another の前には冠詞や some、any などはつかないので気をつけましょう。
「もう10ページ書いたけど、あと2〜3ページ書こうと思う」
この another も形容詞用法で pages を修飾しています。
先ほど another の後ろには名詞の単数形がくると言いましたが、この another は「さらに・追加の」という意味で、この場合は後ろに名詞の複数形がきます。
この例外の another もしっかり覚えておきましょう。
前項では other と another の意味と違いを解説しましたが、この項では other と another を使った英語の慣用表現を紹介したいと思います。
other と another の違いだけでなく、慣用表現も覚えていろいろなシーンで使えるようになりましょう。
「理解することと教えることは別物だ」
To understand and to teach are two different things. と言い換えることもできます。
「トムとジャックが交互に話した」
one after the other は通常2つのものや2人が交互に何かをするときに使います。
「人々が店から次々に走り出てきた」
one after another は不定数の人や物が次々に何かをするときに使えます。
「私は隔週で給料をもらう」
every other day「1日おきに」、every other year「1年おきに」、every other line「1行おきに」などと表現できます。
「彼はごく平凡な俳優だよ」
just another day「いつもと変わらない日」、just another guy「どこにでもいる男性」などと表現できます。
今日は other とanother の違い、そして other と another を使った英語の慣用表現を紹介しましたが、いかがでしたか?
other は the をつけるかつけないかで、特定・不特定を表すことができました。また others と複数形にすることもできました。
それに対し、another は an + other なので冠詞などはつけることができませんでしたね。「さらに・追加の」という意味を持つ another 以外は、単数の「ほかのもの」を表すことも忘れず覚えておきましょう。
other と another を使った英語の慣用表現も日常会話でよく使えそうなものを選んでみましたので、どんどん使ってみてください。
other と another の違いを理解し正しく使い分けるには、何度も使ってみることです。繰り返し使うことで自然と耳と口が覚えてくれるので、間違って使うと不自然な感じがするようになります。
何度も口に出して練習し、耳でしっかり覚えましょう!