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その英語、タメ口だけど大丈夫?英語の敬語・丁寧語表現を使いこなそう!

その英語、タメ口だけど大丈夫?英語の敬語・丁寧語表現を使いこなそう!

「英語には敬語表現がない」というのはウソです。

厳密に言えば、日本語のように体系だった複雑な敬語はありませんが、相手との距離感に応じた丁寧な表現はあります。
いずれ海外で働きたい人・会社の上司が外国人という人は、特に丁寧な表現を使いこなせるようにしたいところ。フランクな言葉と丁寧な言葉を使い分けることができれば、あなたの英語力がさらにアップすること間違いありません!

 呼びかけ編 < sir と ma’am を使おう>

呼びかけ編

相手への呼びかけで一般的なのは「Mr./Mrs. + 名前」ですが、相手の名前がわからない場合には “sir” “ma'am” を使います。

男性には “sir”

映画などでよく兵士が上官に対して “Yes, sir!” と言っていますよね。日本人は「イエッサー!」に軍隊のイメージを持ってしまいますが、実はそうした場合に限りません。学生が男性教師に、ホテルやレストランの従業員が男性客に呼びかける際などにもこの “sir” が使われます。

女性には “ma'am”

女性に対しては “ma’am” が使われます。“ma’am” は “madam” の口語的な言い方で、「マーム」と発音します。

この “ma’am” は使い方に注意が必要。そもそも “ma’am” という呼び方には相手を成人女性として尊重するという意味合いが込められているのですが、女性によっては「おばさん扱いするな」と嫌な気持ちを持つこともあるそうです。

同じアメリカでも南部では “ma’am” を敬称として学んでいますが、北部では “ma’am” = おばさん と捉えている場合も多く怒りやすいことも。名前を知っているのであれば名前を呼ぶのが一番ですし、知らなければ何もつけないという手段もあります。使い方には注意しましょう。

《使い方例》

  • May I help you, sir?
    (従業員が男性客に)「いらっしゃいませ」
  • Ma’am, is there a problem?
    (インストラクターが会員に)「なにか問題ありますか?」

 疑問文編 <文頭に5W1Hは失礼?>

 

 

 

疑問文編

物事を尋ねるときには、“what” や “where” などの5W1Hの疑問詞を使いますよね。ただし、これも単純に使っては失礼にあたる場合があります。

  • Where is the bathroom?
    「トイレはどこ?」
  • What is your cellphone number?
    「携帯の番号は?」

一見問題なさそうですが、これではぶっきらぼうな聞こえ方になってしまいます。
より丁寧に言いたいときは次のように言いましょう。

  • Could you tell me where the bathroom is?
    「トイレがどこにあるか教えていただけませんか?」
  • May I have your cellphone number?
    「携帯の番号を教えてもらってもよろしいですか?」

ポイントは、疑問文を依頼や許可を求める文に変えることです。次の項で、依頼や許可を求める際の注意点をお伝えします。

依頼・許可編 < could と would を使おう>

依頼・許可編

人に対して何かをお願いしたり許可を求めたりする際は、相手との距離感や上下関係に応じた表現をチョイスしないと不快感を与えてしまう可能性があります。

  •  Open the window.
    「窓を開けてよ」

これでは命令文となり、いくら親しい相手でもムッとするかもしれません。これを丁寧なお願いの言葉に変えましょう。

  •  Could you open the window?
    「窓を開けていただけませんか?」

このように、“Could you 〜?” をつけることで丁寧に依頼する文になります。

“Please open the window.” ではいけないのか、という意見もあるかと思いますが、実は何でも “please” をつければ丁寧になるというわけではありません。
この場合、“please” をつけても丁寧な命令文になるだけで、結局命令的であることに変わりはないのです。ですから、目上の相手に対しては “Could you 〜” や “Would you 〜” をつけて依頼の文にする方が無難です。

《使い方例》

  • Could you tell me the way to the station?
    「駅への道を教えてもらってよろしいですか?」
  • Would you mind if I smoke?
    「煙草を吸ってもよろしいですか?」

 依頼の丁寧さのレベルは10段階もある?

相手にお願いする場合には、丁寧さの度合いによって様々な表現があります。“Open the window.” を例にとってその段階を確認してみましょう。
①から⑩に進むごとにより丁寧になっていきます。

① Open the window.
「窓を開けてよ」

② Please open the window.
「窓を開けてくださいよ」

③ Will you open the window?
「窓を開けてくれるよね」

④ Can you open the window?
「窓を開けてくれますか」

⑤ Would you open the window?
「窓を開けていただけますか」

⑥ Could you open the window?
「窓を開けていただけますでしょうか」

⑦ Could you possibly open the window?
「できましたら、窓を開けていただけますでしょうか」

⑧ I wonder if you could open the window.
「窓を開けていただけたらと思うのですが」

⑨ I was wondering if you could open the window.
「窓を開けていただけたらありがたく存じますが」

⑩ Would you mind if I asked you to open the window?
「窓を開けてくださいとお願いしてもお気を悪くされないでしょうか」

※ 日本語訳はあくまでニュアンスをつかむためのものです。

ここで疑問となるのが、“Could you 〜” と “Would you 〜” の使い分けです。それぞれどのような意味を持ち、どのように使うべきなのでしょうか?

“Could you 〜” と “Would you 〜” はどう違う?

“Could you ~?” と “Would you ~?” といった表現は、日本の学校教育においては同じ意味として教えられます。しかし、厳密にはニュアンスが違います。

“could” と “would” はそれぞれ “can” と “will” に過去時制を用いて丁寧な形にしたものです。“can” には「可能、~できる」という意味が含まれ、will には「(~する)意思がある」という意味が含まれています。つまり、

  • “Would you~?” は「相手がする意思があるかどうか」を尋ねている
  • “Could you~?” は相手の意思を聞いているのではなく「可能かどうか」を尋ねている

“Would you~?” には「~してくれる意志があるよね?」というニュアンスが含まれていますが、“Could you ~?” にはそれがないため、“Could you ~?” の方がより丁寧度が高いと位置づけられているのです。

「結婚してください」という表現は “Will you marry me?” であり、これを “Could you~” で置き換えることはできません。
仮に置き換えると、以下のような事態になる可能性があります。

 Could you marry me?
「僕と結婚してくれませんか(できますか)?」

Yes, I could, but I wouldn't.
「はい、できますよ。したくはないですけど」

つまり、結婚することは(意志とは関係なしに)可能かどうかと問われれば確かに可能だが、結婚する意志自体はないというジョークです。

そのひと言を丁寧に

そのひと言を丁寧に

何気なく言ったひと言が、実は「フランクすぎる英語だった」というパターンはあり得ることです。とっさのひと言の “丁寧語バージョン” を学んでおきましょう。

日本語日常会話丁寧語
いいよOK.Certainly.
すみませんSorry.My apologies.
そう思いますI think so, too.I agree with you.
ありがとうThanks.I appreciate it.
(電話口で)待ってWait.Can you hold, please?
〜したいI want to ~I would like to ~
久しぶりLong time no see.I haven’t seen you for a long time.
本当?Really?Is that so?

おわりに < 敬語はいつ、誰に使えばいいのか?>

敬語はいつ、誰に使えばいいのか

いかがでしたか? 様々な英語の敬語表現についてご説明しましたが、いざ使うときになると「いつ・誰にこれらの丁寧な表現を使えばいいのかわからない」ということがあるかもしれません。実際には、相手が上司や先生といった相手でも、ネイティブたちはフランクな言葉を使っている場合があるからです。

冒頭で「英語には日本語のように体系だった複雑な敬語はないが、相手との距離感に応じた丁寧な表現はある」と書きました。
例えば、海外の刑事ドラマを観ていると、刑事仲間に対しては相手が上司であってもフランクな言葉づかいをしていたりしますが、被害者の家族と話すときなどはとても丁寧な言葉を選んでいます。

考え方としては、日本語においては「縦の関係(社会的地位)」に応じて使い分けられますが、英語においては「横の関係(自分との親密度)」で言葉が使い分けられます。

「とりあえず誰にでも丁寧な表現を使っていれば間違いない」という考え方もありますが、同僚や友人にあまり丁寧な言葉ばかり使いすぎていると、なかなか相手との距離が縮まらないこともありますので注意しましょう。

 

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