masa osada
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普段、日本語で話をするとき、「そして」「また」「そのほか」などの接続詞を意識することはありませんよね。それは自分たちが日本語のネイティブで、当たり前のように使い分けているからです。
ただ、この接続詞はとても大切な役割を担っています。
試しに以下の例文を見てみましょう。
突然雨が降って来たが傘を持っていなかったので、雨が止むまで雨宿りをしなければなりませんでした。
特になんていうことのない文章ですが、この例文から接続詞を取ってみます。
突然雨が雨が降ってきた。傘を持っていなかった。雨が止むまで雨宿りをしなければいけませんでした。
いかがでしょうか。
急に小学生の作文みたいになってしまったのではないでしょうか。
これと同じことが英語でも言えます。英語をより自然でわかりやすく話すための大きなポイントの1つが「接続詞を上手に使う」ということなのです。
文章と文章を繋ぐ言葉には "and" といった「接続詞」のほかにも、 "besides" や "however" などの「副詞」、さらに "on the other hand" などのフレーズも含まれます。また、例えば "but" には「接続詞」以外にも「前置詞」としての使い方もあります。
そこで今回のコラムでは、できるだけシンプルにわかりやすくするために、それらすべてを「接続詞」としてまとめ、6種類のタイプに分けて説明していきます。
"and" は接続詞の中でも基本中の基本です。
"I like shopping" と "I like travelling overseas" を "and" でそのまま繋げることもできますが、内容の重複を避けるために以下のように短くするのが一般的です。
I like shopping and travelling overseas.
ショッピングと海外旅行が好きです。
また2つの動作が続けて起こった時にも "and" を使って繋げることがあります。
The police found the burglar and chased him down to Kings Avenue.
警察はその強盗を見つけて、キングス通りの方へ追いかけていった。
"so" は「だから」「そのため」や「その結果」「したがって」という意味で使われます。
I missed a train so I took a taxi instead.
電車を乗り過ごしたので、代わりにタクシーを使いました。
他にも「だから」「そのため」といった意味で使われる接続詞としては "therefore" や "thus" という単語もあります。表現がかたい順に並べると「thus→therefore→so」です。口語では "so" が一般的で、ビジネスシーンや文書レベルでは "therefore" や "thus" が使われることもあります。
また、「その結果」という意味合いで使われる単語・フレーズとしては "for that reason" や "as a result" 、 "consequently" などが挙げられます。
"but" は反対のことを言いたいときの定番ですね。 "and" と同じく、ほとんどの人が知っている単語だと思います。「しかし」「けれど」「ところが」といった意味で幅広く使える表現です。
Thomas speaks Japanese fluently but he hasn't been to Japan yet.
トーマスは流ちょうな日本語を話せるが、日本に行ったことはまだない。
"but" 以外にも "however" や "though" 、 "although" などがあります。細かい違いはもちろんありますが、カジュアルな順番に並べると「but→though→although→however」です。
上で紹介した "so" が前の文章で理由を話して、後ろの文章でその結果を話すのと反対で "because" は前の文章で結果を話して、後ろの文章で理由を話します。
"so" の例文として使った "I missed a train so I took a taxi instead." (電車を乗り過ごしたので、代わりにタクシーを使いました。)を "because" を使って言い換えると以下のようになります。
I took a taxi because I missed a train.
"because" は日本語では「〜なので」「だから」「なぜなら」と訳されることが多いです。
"as" は "because" と同じように「〜なので」と訳すことができます。ただし "because" とは少し違ったニュアンスを持っています。
例えば "I took a taxi as I missed a train" の場合、相手はすでに電車に乗り遅れたことを知っていて、「タクシーを使ったのは、知っての通り電車に乗り遅れたからです」といったニュアンスになります。
別の例で "because" と "as" を比較してみましょう。
I left the company last week because I started my own business.
I left the company last week as I started my own business.
日本語にすると両方とも「あの会社を先週辞めました。なぜなら自分で会社を始めたからです」となりますね。
ただ、 "as" の文章の場合、「知っての通り」というニュアンスが含まれますので、すでに会社を立ち上げたことを知っている人にしか使えません。一方の "because" にはそういったニュアンスは含まれていないため、誰に使っても大丈夫です。
「または」「あるいは」という意味で使われる接続詞です。よく使われる例としては "Would you like a cup of tea or coffee?(お茶かコーヒーを飲みますか?)" と聞き手に選択肢を提示するときです。
他には「さもなければ」という意味でもよく使われます。
You should study hard or you will probably not pass the exam.
一生懸命勉強しなければ、たぶん試験で合格しないだろう。
「さもなければ」という意味では "or" の他にも "otherwise" という単語があります。
"on the other hand" は「一方」という意味で使われます。直訳すると「もう一方の手の上には」という意味なので、初めて聞いても何となく意味がわかりますね。
Living in a big city is convenient and entertaining, on the other hand it could be more stressful.
大きな街に住むのは便利で面白い一方、ストレスが多いかもしれません。
文章で書くときは前段の文章の前に "on one hand" を付けて "On one hand, living in a big city is…" とすることがよくありますが、日常会話では省略されることが多いです。
あれこれと話をしたあとで最後に「要するに」「つまり」「結局」と話を一言でまとめたいときに使う接続詞です。
The food was great, the weather was perfect, good music, lovely people … in short I want to live in Hawaii!
食事も美味しかったし、天気も完璧だったし良い音楽、素敵な人たち... 要するにハワイに住みたい!
他にも "in short" を先に使って結論を話したあとで、 "because" などを使って説明を追加していくこともあります。
In short I decided not to buy an Apple Watch because...(省略)
結局アップルウォッチは買わないことにしたよ。何でかと言うと...(省略)
"in short" と入れることで「あれこれ迷ったあげく」というニュアンスを表すこともできるわけですね。
"anyway" も "in short" と同じように話をまとめるときに使われますが、微妙にニュアンスが変わってきます。上で紹介した例文を "anyway" に置き換えてみましょう。
The food was great, the weather was perfect, good music, lovely people … anyway I want to live in Hawaii!
食事も美味しかったし、天気も完璧だったし良い音楽、素敵な人たち...とにかく、ハワイに住みたい!
"in short" と "anyway" の違い、わかりましたか?
"in short" は「これまでの話を端的にまとめると」という意味合いです。一方の "anyway" は、「まだまだ話したいことはたくさんあるけれど、とりあえず話を収拾させると」というニュアンスになります。
他にも "anyway" には、今までの話の流れをいったん断ち切って、「さて」「ところで」と次の話に移すときにも使われます。例えば会議で脱線してしまった話を元に戻したいときは "Anyway, let me get back to the subject(さて、主題に戻らせてください)" と言うことができます。
"anyway" については、次の「話を切り替えるための接続詞」でも触れますね。
「ところで」「それはそうと」などと話を切り替えるときにピッタリな言葉が "by the way" です。
(会話の途中で)Oh, by the way, it's already 12:00. Can we talk about it during in lunch? I'm starving.
あ、ところでもう12時だ。この話お昼を食べながらにしない?お腹が空いて死にそうだ
他にも、例えば飲み会で知り合った人に対して "By the way, I'm Kenji(ところで、僕はケンジです)" とまず自分で名乗ってから相手の名前を聞いたりするときにもよく使われます。
"by the way" も上で紹介した "anyway" と同様に、 "By the way, the subject of this meeting is …(ところで今回のミーティングの主題なんですが)" などと会議で本題に入りたいときにも使われます。
"by the way" と "anyway" の大きな違いは、今までの話の流れを踏まえているかどうかです。 "anyway" はあくまでも今までの話を踏まえた上で話をまとめたり、次の話題に移ったり、脱線した話を元に戻したりするときに使われます。一方の "by the way" は今までの流れは一切無視して、まったく新しい話をするときに使われるのです。
話と話を繋げるための接続詞や副詞、フレーズはたくさんあります。それらすべてを覚えて使いこなすのはなかなか難しいはずです。
まずは基本的なものからしっかりマスターしていきましょう。そして上手に使いこなせるようになったら、表現の幅を少しずつ広げていくのです。そこで今回は6つのタイプに分けて、基本的な10個の表現と関連する接続詞を紹介しました。
以前、ニュージーランドの語学学校に通っていたとき「接続詞を覚えよう」という週がありました。その1週間は英字新聞や与えられたプリントを読みながら、接続詞にマーカーでハイライトを付けて、最後にその週にハイライトした単語で何が多かったかを数えたり、例文を発表したりするのです。そのときにたくさんの接続詞と使い方を覚えました。
もし、皆さんも「接続詞を覚えるぞ」と思ったら、ぜひ同じことをしてみてください。ただ単に暗記しようとするよりも、読んだり、書いたり、まとめたり、実際に話したりして覚えたものはなかなか忘れずにしっかりと身に付くのでオススメですよ。