さな
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突然ですが、みなさんは英語の接尾辞(せつびじ)をいくつ知っていますか?
接尾辞とは、言葉の最後に付加される文字のことを指します。接尾辞によっては、動詞が名詞や形容詞に変わったり、名詞が動詞になったりと、品詞の変化が伴うことが一般的です。
実は接尾辞を覚えると、さまざまなメリットがあります。
接尾辞の意味を覚えておけば、知らない単語の意味を推測することができたり、語彙力も断然上がるのです。
そこで今回は、英語の接尾辞を品詞別に一覧でご紹介します。さらに、スラングでよく使われる接尾辞も載せますので、ぜひ最後までお読みください!
接尾辞とは、新しい単語を形成したり、単語の文法機能(または品詞)を変えるために、単語の末尾に付加される文字、または文字のグループです。
英語では suffix(サフィックス)と言います。
一方で、サフィックスの反対語にあたる、単語の先端にくる文字や文字グループは「接頭辞(せっとうじ)」と呼び、英語では prefix(プリフィックス)です。
接尾辞を覚えることで、見たことのない単語が出てきたときに、なんとなく意味を推測することが可能になります。
例えば、-able で終わる単語を見たとしましょう。
もともと able は「可能である」という意味なので、-able という接尾辞も「〜可能である」という意味になります。つまり、-able の前にある単語の意味さえわかれば、「〇〇が可能である」という意味の言葉であることが推測できます。
例えば、printable という言葉。「Print=印刷」ということさえわかれば、この単語は「印刷が可能」という意味であることがわかりますね。
まずは、単語が名詞であることを示す接尾辞を見てみましょう。
接尾辞 | 意味 | 例 |
-dom | 場所または存在の状態 | freedom, boredom, kingdom |
-ee | 〜をする個人 | employee, evacuee, referee |
-er | 〜をする人 | dancer, singer, teacher |
-ism | 理論、行動または信念 | racism, sexism, narcism |
-ist | 〜をする人 | chemist, scientist, pianist |
-ment | 〜の行動または結果 | movement, appointment, measurement |
-ness | 状態または品質 | darkness, stillness, madness |
-sion | 状態または存在 | confusion, depression, diversion |
-ship | 立場 | internship, apprenticeship, partnership |
-th | 状態または品質 | warmth, depth, strength |
以下の接尾辞で終わる単語を初めて見たとしたら、「形容詞」であることが推測できます。
接尾辞 | 意味 | 例 |
-able, -ible | 〜可能である | understandable, questionable, flexible |
-al | 〜に関する | functional, emotional, sensational |
-ary | 〜に関する | planetary, hereditary, primary |
-esque | 〜を連想させる | burlesque, grotesque, picturesque |
-ful | ~に満ちている、〜に特有である | hopeful, beautiful, truthful |
-ic, -ical | 〜に関する | domestic, musical, practical |
-ious, -ous | 〜を特徴とする | conscious, humorous, cautious |
-ish | 〜の品質を持つ | childish, foolish, sluggish |
-ive | 〜の性質を持つ | creative, decisive, expensive |
-less | 〜無し | fearless, restless, endless |
-y | 〜に特徴づけられる | cosy, tasty, greasy, rosy |
接尾辞 | 意味 | 例 |
-ate | ある状態をもたらす | to regulate, to demonstrate, to mediate |
-en | 〜になる | to strengthen, to englighten, to shorten |
-ify, -fy | 〜を作る、〜になる | to satisfy, to terrify, to classify |
-ize, -ise | 〜になる | to computerize (BrE: computerise), to socialize (BrE: socialise) |
※BrEとは、イギリス英語(British English)のことです。アメリカ英語で -ize と表記される言葉は、イギリス英語では -ise と表記されます。
接尾辞 | 意味 | 例 |
-ly | どのように何かが行われているのか | remotely, quietly, bravely |
-ward | 特定の方向に | backward, afterward, homeward |
-wise | 〜に関係する | otherwise, clockwise, lengthwise |
ここからは、辞書には載っていないかもしれないけど、ネットやSNSで見かける可能性がある接尾辞を紹介していきます。
この接尾辞は、delicious(美味しい)という言葉に由来していて、スラングでは「美味しい」のほかに「良い」や「魅力的」を表すことが多いです。
例えば、「this pizza is egg-licious」と言ったら、「このピザは卵が効いていて美味しい」という意味になります。
また、少し卑猥なニュアンスで使われることも多いです。代表的なのはラッパーのSnoop Doggが初めて使ったと言われている「bootylicious」という言葉。
これは歌手のビヨンセが所属していたDestiny’s Childというグループの曲名にもなるほど普及している言葉で、意味は「(主に女性が)魅力的」であることです。Booty は「お尻」を意味します。
Core という言葉には、「中核・熱狂的な」という意味合いがあります。
-core という接尾辞が使われる理由は2つあり、1つは、新しい「サブジャンル・サブカルチャー」を作るため。そしてもう1つは「自分がある集団の一員であること」を示すためです。
音楽のジャンルやファッションの世界でよく耳にする言葉で、例えば metalcore (メタルコア)やロックの一種である emocore (エモコア)というジャンルがあります。
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ファッションだったら、最近では cottagecore というスタイルが流行っています。コテージは「小屋」を表す英語で、イギリスやヨーロッパの田舎暮らしを連想させるようなファッションスタイルのことを指します。
これは、まだ名前のないものを概念化するために使われる接尾辞で、日本語でいうと「〜化する」という意味に近いです。
例えば、personification という言葉は「擬人化」という意味の英語で、分析すると、person(人)+ -ification(〜に似せる、〜になぞらえる)ということになります。
では、meme-ification という言葉を見たとしたら意味を推測できますか?
そうです、「ミーム*化する」ということです!
*meme(ミーム)とは、インターネットでよく見かける「ネタ画像」のようなものです。
SNSやネット記事を英語で見ていれば、cringeworthy(クリンジ・ワージー)や bingeworthy(ビンジ・ワージー)という言葉をよく目にするかと思います。
-worthy という接尾辞は、「〜の価値がある」という意味で、例えば noteworthy という言葉は「注目をする価値がある」「注目すべきこと」を意味する英語です。
つまり、「気まずい」「ドン引き」という意味を持つ cringe という単語にこの接尾辞がつくことで、「cringe する価値がある」「気まずくなるに違いない」という意味になるのです。
そして、bingeworthy は新しいドラマシリーズなどに対してよく使われ、「イッキ見する価値がある」という意味になります。
こちらの動画では、「気まずくなるに違いない」 cringeworthy な映画20選が紹介されていますよ。
これは、fantastic(ファンタスティック)という英単語からきています。-tastic が最後についている言葉を見たら、それは「〜によって素晴らしい」という意味として認識して良いかと思います。
例えば、cheesetastic という言葉だったら、「チーズだらけで素晴らしい/最高」という意味になります。
ワーケーションという言葉は聞いたことがありますか? work(ワーク)と vacation(ヴァケーション)を合わせた造語で、働きながらの休暇という意味で使われる言葉です。
この vacation の -cation を単語の最後につけることで、「〜の休暇」という意味に変わります!
例えば、sleepcation(寝ているだけの休暇)、staycation(家で過ごす休暇)、foodcation(食べるだけの休暇)のように、娯楽やレジャーの言葉と合わせることが多いですよ。
いかがでしたか?
接尾辞を覚えれば、知らない言葉であってもなんとなく意味を推測できるようになります。漢字の部首のような役割をするわけです。
ぜひ今回紹介した接尾辞を参考にしてみてくださいね。
また、接尾辞とセットで「接頭辞」も復習して覚えるとより効果的なので、合わせて覚えておくといいでしょう。
こういったコツを知るだけで、語彙力は徐々に上達していくはずですよ!