Yoko
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「かわいそう」という言葉、あなたはどんなときに使いますか?
大雨に降られビショ濡れになった友だちに対して、休日出勤によって楽しみにしていたイベントに行けなくなった同僚に対して、会社をクビになったり、親族が亡くなった人のことを話したりするときなどなど……軽い一言からシリアスな会話まで、幅広い場面で使う言葉です。
この「かわいそう」という同情の気持ちを英語で伝えようとして、うまく言えなかったことはないでしょうか? 言い回しを知らなければ、どう言えばいいのか見当もつかないタイプの言葉かもしれませんね。
そこで今回は、「かわいそう」と同情を伝えたい場面で役に立つさまざまな英語のフレーズをご紹介します。
“sorry” を「ごめんなさい」のときだけに使っていませんか?
実は “sorry” には「気の毒に思う」という意味があり、これが「かわいそう」という気持ちを伝えるときにも役立ちます。
例えば、友人から「Johnさん、仕事をクビになったらしいよ」という話を聞いたとします。そんな場合の「かわいそう」は、こんな言い回しで表せます。
「(彼が)かわいそうに」
“feel sorry for 〜” で「〜をかわいそうに思う」という意味になります。
ただし、これは第三者のことを「かわいそうに思う」という場合によく使われます。本人を目の前にしているときに “I'm sorry for you.” と言うと、少し偉そうな感じに受け取られる可能性があるのであまりおすすめしません。
代わりによく使われるのが、こんな表現です。
仕事をクビになったと “本人から直接話を聞いたとき” には、“I'm sorry to hear that.” がしっくりきます。
もし他の人から「Johnさんが仕事をクビになったんだよ」という話を事前に聞いていて、その後 Johnさん本人に「クビになったって聞いたんだけど……」と言いながら「気の毒に」のニュアンスを表すには、
このように “sorry to hear” の後ろに “about + 名詞” や “that + 文章” を続けます。
“poor” といえば「貧しい」という意味を真っ先に思い浮かべる方も多いと思いますが、実は「かわいそう」「気の毒な」を表す場合にも使われます。
例えば、友だちに「Johnさん、風邪で1週間寝込んでたみたいよ」と聞いたとき、第三者に対して使う「かわいそう」は次のように表現します。
「かわいそうなジョンさん」
“Poor” の後にその人の名前を入れるだけで「◯◯さんがかわいそう」というニュアンスが表せます。簡単ですよね。
他にも、「風邪で1週間寝込んでいたんだよ」と本人から直接聞いたときに「かわいそうに」と言う場合には、
このように “poor thing” で表すことがよくあります。
なぜ “thing”? と疑問に思うかもしれませんが、これはもう決まりきった言い方なのでこのまま覚えてしまいましょう。
「かわいそう」の直訳ではありませんが「残念だね」のニュアンスで「かわいそう」を表すフレーズに、“That's 〜” を使ったものがあります。
「それはお気の毒に」
これは「かわいそう」のニュアンスがあるとはいえ、“sorry” や “poor” を使った表現よりも感情的な度合いは低く、サラッとした軽い印象です。
その出来事自体が「残念だね」というところにポイントが置かれるため、感情的に同情する気持ちは薄くなり誰かが亡くなったり不幸に見舞われたりした場合には使わない方が良いでしょう。
それよりも、「休日なのに仕事で遊びに行けなくなってしまった」のような “残念感” を含んだ「ちょっとしたかわいそう」に使われることの多い表現です。
「それは悲しいね」
とってもシンプルな表現ですが、こちらも会話の中でよく使われます。
「それは悲しいね」という直訳どおり、相手の気持ちを察して「悲しいね」と同調する場合に使われます。
例えば、友だちから「腕を骨折しちゃって大好きなゴルフができないんだ」と聞いたときには、“I'm sorry to hear that.” ほど重すぎない “Oh, that's sad.” という表現がしっくりきます。
「それは不運だったね」
“unfortunate” は「不運な」という意味ですが、“That's unfortunate.” で「残念だね」というニュアンスの「かわいそうだね」を伝えることができます。
例えば、さっきまで晴れていたのに突然の大雨でずぶ濡れになってしまった友だちには、“That was unfortunate.” がピッタリです。
定番の表現以外にも、相手に同情するときに役立つフレーズがあります。
例えば、誰かの苦労話や辛い話を聞いたときに「それは大変でしたね……」と言いますよね。それを英語で表現してみましょう。
「大変」という日本語はさまざまな意味で使われる便利な言葉ですが、相手の話を受けて「それは大変でしたね……」と英語で言う場合には、「〜だったに違いない」を意味する “must have been” で表します。
「それは大変だったに違いない」
直訳すると「それは大変だったに違いない」ですが、相手に同情するときのフレーズとしてよく使われます。
また、話の内容が過去のことではなく現在の場合には、
なども使われます。
下の文章は “That's hard / tough.” だけでもいいのですが、“〜, isn't it?” と付加疑問文にすることで「〜だよね」というニュアンスを表せます。
これらのフレーズは、「(物事が)うまくいくといいね」や「(体調が)よくなりますように」など、相手をいたわる言葉を続けることが多くあります。
「すぐ良くなるといいですね」
「すぐ良くなるといいですね」
「大変だったね」という直接的な言葉だけではなく、こういった相手をいたわるフレーズでも自分の気持ちを伝えることができますよね。
英語でどんな言葉をかけたらいいのか悩むシーンのひとつが、誰かが亡くなったときではないでしょうか。
日本語には「ご愁傷様でした」という決まった言い回しがありますが、英語にもよく使われるフレーズがいくつかあります。
まず覚えたいのは、「お悔やみ」という意味の “condolences” という単語。
上で紹介した “I'm sorry” に “very” を合わせることで、「お気の毒に」という気持ちを強めることができます。
「ご訃報に接し、まことに残念でなりません。お悔やみ申し上げます」
お悔やみの言葉として使う “condolence” には必ず複数の “s” が付きます。忘れがちですので気をつけるようにしましょう。
そして、“loss(喪失・遺失)” という単語も、誰かを亡くしたときにかける言葉としてよく使われます。“death” は直接すぎるので、お悔やみの言葉では避けましょう。
「お悔やみ申し上げます」
メールやカードなどでお悔やみを伝える場合には、こんなフレーズもよく使われますよ。
これらは直訳するのがとても難しいですが「辛い大変なときですが、あなたのことを思っていますよ」といったニュアンスです。
これらの “thoughts” を使ったフレーズは、誰かが亡くなったとき以外にも、事件・震災などで被害にあった方に対してもよく使われます。
「お悔やみ申し上げます」という定番のフレーズにひと言を添えると、あたたかい気持ちがグッと伝わります。
「なにか私にお手伝いできることはある?」
「なにか私にできることがあったら知らせてね」
「私になにかできることがあれば、ここにいるからね」
「もし話し相手が必要だったら、いつでもここにいるよ」
親しい人を亡くした場合には、次のように一緒に悲しみを共有するような言葉をかけてあげるのもいいですね。
「彼/彼女がいなくなって寂しくなるよ」
「かわいそうに」や「お気の毒に」、そして「お悔やみの言葉」には、今回ご紹介した定番のフレーズ以外に、相手を思いやるひと言を付け加えることが大切です。
フレーズを丸暗記するだけではなく、気持ちを込めて伝えることが大事。いざというときにちゃんと心を込めて言えるように、しっかり練習しておきましょう!