【5分解説】This, that, these, those の違いは?正しい用法を伝授
指示代名詞と聞いても何のことか覚えていない人が多いかと思いますが、this, that, these, those なら知っている人は多いですよね。
「これ」「あれ」「これら」「あれら」のようにはっきり何かを指し示す代名詞のことを指示代名詞と言います。
今回はこの指示代名詞 this, that, these, those の違いと用法を詳しく解説していきたいと思います。
This, that, these, those の用法
This は時間的、または距離的に近くのもの、that は遠くのものを言うときに使います。These は this の複数形、those は that の複数形です。
この違いを踏まえて、this, that, these, those の使い方を見ていきましょう。
具体的な人やものを指す
この具体的な人やものを指す用法は、日本語の「これ」「あれ」という使い方と同じだと思って良いでしょう。
話し手の隣に立っている(距離が近い)人は this を使い、ちょっと離れたところにいる(距離が遠い)人は that を使います。
These days「最近・この頃」は those days「当時・あの頃」に比べ時間的に近いですね。また days は複数形なので this ではなく these を使います。
That night「あの晩」は tonight「今晩」より時間的に遠いですね(ちなみに this night はあまり使いません)。また、night は単数形なので those ではなく that を使います。
すでに出た内容を指す
この that は「サムがベンと一緒じゃなかった」という内容を指しており、これはすでに出た内容なので、繰り返さないよう that とします。
この that は「妹がジョギングをしている」という内容を指しており、すでに出た内容を繰り返さないよう that とします。
この that は「弟がクリスマスにイタリアから帰ってくる」という内容を指しており、すでに出た内容を繰り返さないよう that とします。
名詞の繰り返しを避ける that/those
名詞の繰り返しを避けるため、the+名詞の代わりに that/those of… にすることができます。
ここの that は the temperature を指しています。The temperature を繰り返さないよう that とします。
ここの those は the eggs を指しています。The eggs の繰り返しを避けるため、those を使います。The eggs は複数なので、that ではなく that の複数形 those にします。
ここの that は the winter を指しています。The winter を繰り返さないよう that を使います。
また、名詞の繰り返しを避ける that/those に使える前置詞は of だけとは限らず、他の前置詞を使うこともできます。
そして口語では that/those of… 抜きで表現することが一般的なので、上記の例文の場合は that/those を使っても使わなくても大丈夫ということを覚えておいてください。
【口語の場合】
- The temperature in Hokkaido is lower than Osaka.
- Hen eggs are bigger than quail eggs.
- The winter in Canada is colder than in Australia.
このようになります。ぜひどちらのバージョンも使えるようにしておきましょう! 次は、that を the one で置き換える例文を見ていきます。
通常、that はものに対して使い、人や動物には使いません。(誤)That who teaches at the high school? は間違いです。
この場合は、John Smith(人)を指しているので that ではなく the one を使って言います。ただし、話題になっている人物を確認する場合は例外です。この場合、that の後に人名が必ずきます。
(上記の会話の続き)
「その〇〇ね!」や「あの〇〇ね!」のような確認の場合は、上記のように that を用いることができます。
そして最後に、those は人や動物だけでなくものに対しても使えます。ここの those は 15 players を指しています。これは those who were chosen の who were が省略された形と考えることもできます。
その他の用法
This と that が対になる場合
この this と that は「あれやこれや」「あれこれの」と不確かなものを指します。
ここでは「あの薬やこの薬」と不確かな薬を意味しています。
ここではいろいろとりとめのない不確かな会話を意味しています。
This と that の副詞的用法
口語では this や that が形容詞や副詞を修飾すると「これほど・それほど」「これだけ・それだけ」という意味になります。
この this は hard「難しい」という形容詞を修飾しているので「これほど・こんなに」という意味になります。
この that は late「遅くまで」という副詞を修飾しているので「それだけ・あれだけ」という意味になります。
まとめ
今日は this, that, these, those の違いと用法を紹介しましたが、いかがでしたか?
「これ(これら)」「あれ(あれら)」と具体的な人や物を指す使い方だけを覚えていた方は、他にもたくさんの用法があって驚かれたかもしれませんね。
文中に同じ内容や同じ名詞が二度出てきたら、「あっ、これは this や that に置き換えられるかな?」と考えるクセをつけてみてください。
今回ご紹介した用法は、どれも日常会話で意外とよく使いますので、ここでぜひしっかり押さえておきましょう!