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【5分解説】This, that, these, those の違いは?正しい用法を伝授

【5分解説】This, that, these, those の違いは?正しい用法を伝授

指示代名詞と聞いても何のことか覚えていない人が多いかと思いますが、this, that, these, those なら知っている人は多いですよね。

「これ」「あれ」「これら」「あれら」のようにはっきり何かを指し示す代名詞のことを指示代名詞と言います。

今回はこの指示代名詞 this, that, these, those の違いと用法を詳しく解説していきたいと思います。

This, that, these, those の用法

パン屋でパンに指を差す母親と子供

This は時間的、または距離的に近くのもの、that は遠くのものを言うときに使います。These は this の複数形、those は that の複数形です。

この違いを踏まえて、this, that, these, those の使い方を見ていきましょう。

具体的な人やものを指す

この具体的な人やものを指す用法は、日本語の「これ」「あれ」という使い方と同じだと思って良いでしょう。

This is my friend Kate, and that is my brother Jake.
「こちらは友達のケイトで、あっちは兄のジェイクです」

話し手の隣に立っている(距離が近い)人は this を使い、ちょっと離れたところにいる(距離が遠い)人は that を使います。

Lots of people buy electric cars these days.
「最近、多くの人が電気自動車を買います」

These days「最近・この頃」は those days「当時・あの頃」に比べ時間的に近いですね。また days は複数形なので this ではなく these を使います。

I swore I saw a ghost that night!
「あの晩、絶対幽霊を見たってば!」

That night「あの晩」は tonight「今晩」より時間的に遠いですね(ちなみに this night はあまり使いません)。また、night は単数形なので those ではなく that を使います。

すでに出た内容を指す

Sam said he wasn’t with Ben last Tuesday night, but that's not true.
「サムは先週の火曜の夜、ベンと一緒じゃなかったって言っていたけど、あれは嘘だよ」

この that は「サムがベンと一緒じゃなかった」という内容を指しており、これはすでに出た内容なので、繰り返さないよう that とします。

My sister tells everyone that she jogs all the time, but that only happens a couple times a month.
「妹はみんなにいつもジョギングしてるって言うけど、月に2回しかしてないよ」

この that は「妹がジョギングをしている」という内容を指しており、すでに出た内容を繰り返さないよう that とします。

Jen
My brother is coming home from Italy for Christmas.
「弟がクリスマスにイタリアから帰ってくるんだ」
Dan
That’ll make your mother happy. 
「それはあなたのお母さんを喜ばせるでしょう」=「あなたのお母さん、嬉しいだろうね」

この that は「弟がクリスマスにイタリアから帰ってくる」という内容を指しており、すでに出た内容を繰り返さないよう that とします。

名詞の繰り返しを避ける that/those

名詞の繰り返しを避けるため、the+名詞の代わりに that/those of… にすることができます。

The temperature of Hokkaido is lower than that of Osaka.
「北海道の気温は大阪より低い」

ここの that は the temperature を指しています。The temperature を繰り返さないよう that とします。

Hen eggs are bigger than those of quails.
「鶏の卵はウズラの卵より大きい」

ここの those は the eggs を指しています。The eggs の繰り返しを避けるため、those を使います。The eggs は複数なので、that ではなく that の複数形 those にします。

The winter in Canada is colder than that in Australia. 
「カナダの冬はオーストラリアの冬より寒い」

ここの that は the winter を指しています。The winter を繰り返さないよう that を使います。

また、名詞の繰り返しを避ける that/those に使える前置詞は of だけとは限らず、他の前置詞を使うこともできます。

そして口語では that/those of… 抜きで表現することが一般的なので、上記の例文の場合は that/those を使っても使わなくても大丈夫ということを覚えておいてください。

【口語の場合】

  • The temperature in Hokkaido is lower than Osaka.
  • Hen eggs are bigger than quail eggs.
  • The winter in Canada is colder than in Australia.

このようになります。ぜひどちらのバージョンも使えるようにしておきましょう! 次は、that を the one で置き換える例文を見ていきます。

Peter
Do you know John Smith?
「ジョン・スミスを知ってる?」
Sarah
The one who teaches at the high school?
「高校で教えている人?」

通常、that はものに対して使い、人や動物には使いません。(誤)That who teaches at the high school? は間違いです。

この場合は、John Smith(人)を指しているので that ではなく the one を使って言います。ただし、話題になっている人物を確認する場合は例外です。この場合、that の後に人名が必ずきます。

(上記の会話の続き)

Peter
No, the one who works at the bookstore.
「いや、本屋で働いてる人」
Sarah
Oh, that John Smith! Yeah, we went to school together.
「あー、そのジョン・スミスね! 知ってるよ、学校が一緒だった」

「その〇〇ね!」や「あの〇〇ね!」のような確認の場合は、上記のように that を用いることができます。

There were 15 players who made the team, and Luca was among those chosen.
「チームに15人が入り、ルカは選ばれた人たちの中に入っていた」

そして最後に、those は人や動物だけでなくものに対しても使えます。ここの those は 15 players を指しています。これは those who were chosen の who were が省略された形と考えることもできます。

その他の用法

会話をする女性2人

This と that が対になる場合

この this と that は「あれやこれや」「あれこれの」と不確かなものを指します。

She tried this medicine and that medicine, but none of them worked.
「彼女はあれやこれや薬を試したが、どれも効かなかった」

ここでは「あの薬やこの薬」と不確かな薬を意味しています。

We were talking about this and that for hours.
「私たちはあれこれとりとめのない話を何時間もしていた」

ここではいろいろとりとめのない不確かな会話を意味しています。

This と that の副詞的用法

口語では this や that が形容詞や副詞を修飾すると「これほど・それほど」「これだけ・それだけ」という意味になります。

I didn’t think snowboarding would be this hard.
「スノーボードがこんなに難しいとは思わなかったよ」

この this は hard「難しい」という形容詞を修飾しているので「これほど・こんなに」という意味になります。

I’ve never stayed up that late before.
「今まであんなに遅くまで起きていたことがない」

この that は late「遅くまで」という副詞を修飾しているので「それだけ・あれだけ」という意味になります。

まとめ

今日は this, that, these, those の違いと用法を紹介しましたが、いかがでしたか?

「これ(これら)」「あれ(あれら)」と具体的な人や物を指す使い方だけを覚えていた方は、他にもたくさんの用法があって驚かれたかもしれませんね。

文中に同じ内容や同じ名詞が二度出てきたら、「あっ、これは this や that に置き換えられるかな?」と考えるクセをつけてみてください。

今回ご紹介した用法は、どれも日常会話で意外とよく使いますので、ここでぜひしっかり押さえておきましょう!