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very・so・tooの違いって?「とても」と強調する英単語の使い分け

very・so・tooの違いって?「とても」と強調する英単語の使い分け

形容詞を強調する代表的な副詞といえば、"very" "so" "too" の3つ。どれも中学校で習う、おなじみの単語ですよね。ただこの3つ、それぞれニュアンスや使い方が異なることをご存知ですか?

I'm very busy
I'm so busy.
I'm too busy.

この3つの例文を元に、違いを見てみましょう!

フォーマルな”very"とフランクな”so”

この2つの言葉が持つ意味は、ほとんど同じです。どちらも「とても~」と強調する役割を持ち、日本語に訳したときも「私はとても忙しい」です。ただ、以下のように両者のニュアンスは少し異なります。

very

"very"は客観的な「とても」を表します。事実を正しく伝えるイメージがあり、客観的な視点があるため、スピーチや面接などのフォーマルな場で使われる傾向があります。ただ、「これはとてもいい商品で、とても人気があって、とてもオススメなんですよ」という日本語の文章から少し幼稚な印象を受けるように、"very"の多用には注意が必要です。

so

一方の"so"は、「とっても」「すっごい」「超」といった雰囲気で、もっと感情的な強調です。会話のなかで自分の気持ちを込めた表現になるので、友達や同僚などの親しい間柄で使われることが多く、フォーマルな場ではあまりそぐわない言葉です。例えば商談の最後にお礼を言うときに、"Thank you so much."ではフランクすぎる印象。"Thank you very much."のほうが適切でしょう。

  • The passengers in the train were very angry about the delay.
    「電車の乗客は遅延にとても怒った」
  • You look so sleepy. Are you all right?
    「眠そうだね。大丈夫?」

  • I got up early this morning although I drank late last night.
    「遅くまで飲んでいたのに、今朝早起きしたからね」

〜すぎる“too”

ニュアンスの違いはあれど"very"と"so"がほとんど同じ意味を持つのに対し、"too"の意味は大きく異なり、「~すぎる」という過剰さを表します。

too A to B構文「AすぎてBできない」

中学生の時に習った"too A to B"「AすぎてBできない」という構文、例えば以下のような文を覚えているでしょうか?

  • I'm too busy to study.
    「忙しすぎて、勉強できない」

どこにも"not"はないのに「勉強できない」と否定文になっていますが、その理由は"too"に「適切な程度を超えている」という否定的なニュアンスがあるから。"I'm too busy."「忙しすぎる」という文にも、ただ単にとても忙しいだけでなく、忙しさのあまり、ほかの何かを犠牲にしているといった「忙しすぎてマイナスな状態にある」というイメージがあります。

そのため、"I'm too busy."の一言には、シチュエーションによって以下のように「できないこと」が含まれています。

  • I'm too busy (to call you).
    「忙しすぎる(だからあなたに電話できない)」
  • I'm too busy (to hang out).
    「忙しすぎる(だから遊びに行けない)」
  • I'm too busy (to take a rest).
    「忙しすぎる(だから休憩できない)」

この"too A to B"「AすぎてBできない」という表現、例えば"I'm too busy to study."をみると、2つの構成要素でできているのが見えてきます。

I'm too busy + I cannot study

このように、通常、最初の文章(私は忙しすぎる)の主語と2番目の文章(私は勉強できない)の主語は一致します。ただ、ときにはこの主語が異なる場合もあり、その場合は、下記のように”for〜”で2番目の主語を補います。

  • This town is too dangerous for you to go out alone at night.(This town is too dangerous + You cannot go out alone at night.)
    「この街は夜出歩くには危険すぎる」

tooはネガティブ、soはポジティブ

ここまで見てきた通り、"too"には否定的なニュアンスが含まれます。日本語でとても楽しいことを「楽しすぎる!」と言うことがありますが、これを"It is too fun!"と表現しようとすると、楽しい気持ちがきちんと伝わりません。

「楽しすぎる!」で伝えたいのは「ものすごく楽しい!」というポジティブな意味合いですので、感情的な強調を表す"so"を使って"It is so fun!”や、次の章で紹介する別の表現を使うほうが適切です。

もちろん、仕事中に会話が盛り上がりすぎて仕事にならないシチュエーションで、ジョークとして

Our workplace is too fun for us to work!
(Our workplace is too fun + We cannnot work)

なんて使い方はオッケーです。ほかに、

She is too beautiful for me to stay calm.
(She is too beautiful + I cannnot stay calm)

といったように、「彼女が美しすぎて苦しい」という恋煩い中の切ない気持ちを"too"で表現することも。”This is too good to be true.(This is too good + This cannot be true)”「話がうますぎる」なんて言い方もよく使われます。

ネガティブなtooを使った例文

  • I can't believe it! I'm too fat to wear the cloths which I wore last summer.
    「信じられない!太り過ぎて、去年の夏に着ていた服が入らないわ」
  • My brother’s grades were too poor for him to get into university, but he owns his own company now.
    「兄は成績が悪すぎて大学に行けなかったけど、今は社長です(自分の会社を経営しています)」
  • His lack of consideration for others was too much for us to live together.
    「彼の気配りのなさがひどすぎて一緒に住むことはできなかった」

その他の強調の言葉

ほかにも「とても」という強調の意味を持つ言葉はたくさんあります。

pretty「とても」

「かわいい」でおなじみの"pretty"は、強調の副詞としても使われます。口語表現なので、文章ではあまり使いません。

  • How are you?
    「調子どう?」
  • Pretty good.
    「とてもいいよ」
  • That woman is pretty tough.
    「あの女性はかなりしたたかだ」

really「本当に」

日本語で「本当に悲しい」といった言い方をするように、英語でも強調の意味で"really"はよく使われます。

  • I'm really sorry for breaking your precious plate.
    「大事なお皿を割ってしまって、本当にごめんなさい」
  • When I was using the bathroom this morning, the ceiling suddenly fell off and almost hit me. I was really shocked by the incident.
    「今朝トイレを使っていたら、天井が落ちてきて私にあたりそうだったんだよ。本当にびっくりした」

super「ものすごく」

「スーパー疲れた」なんて言うことがありますが、同じように英語でも使えます。会話でのくだけた言い方です。

  • All my students were super excited when our school won the championship in Koshien.
    「甲子園でうちの学校が優勝したとき、生徒はみんなものすごく興奮したよ!」
  • It's super hot today. I can't stand it anymore.
    「今日はスーパー暑いね。もうやってらんないわ」

extremely「めちゃくちゃ」

程度が甚だしいことを表す強調です。これも主に口語で使われます。

  • This game is extremely difficult, isn't it?
    「このゲーム、めちゃくちゃ難しくない?」
  • The comedian is extremely funny!
    「めちゃくちゃおもしろい芸人だな!」

ほかにスラングとして以下のような言い方もありますが、友だち同士のかなりくだけた会話で使う言葉です。目上の人に対してや、フォーマルな場面での使用は避けましょう。

  • The music is fucking cool!
    「この音楽、クッソかっこいい!」
  • It’s bloody hot!
    「めちゃくちゃ暑いね」

まとめ

とても、すごい、超、めっちゃ、ものすごく……。日本語に強調を表す言葉がたくさんあるのと同じく、英語にもさまざまな単語があります。

また、「すごく」を「すーっごく」、「めちゃくちゃ」を「めっっっちゃくちゃ」と表すことで強調の度合いが変わるように、英語でも"very"を"veeeeeery"、"so"を"sooooooo"などと表現することがあり、言い方や表記の仕方によってニュアンスは変わってきます。

難しく考えなくても、会話であれば声のトーンで十分伝わるので、気負わずに気持ちを込めて使ってみてくださいね!