DMM英会話ブログ編集部
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形容詞を強調する代表的な副詞といえば、"very" "so" "too" の3つ。どれも中学校で習う、おなじみの単語ですよね。ただこの3つ、それぞれニュアンスや使い方が異なることをご存知ですか?
I'm very busy
I'm so busy.
I'm too busy.
この3つの例文を元に、違いを見てみましょう!
この2つの言葉が持つ意味は、ほとんど同じです。どちらも「とても~」と強調する役割を持ち、日本語に訳したときも「私はとても忙しい」です。ただ、以下のように両者のニュアンスは少し異なります。
"very"は客観的な「とても」を表します。事実を正しく伝えるイメージがあり、客観的な視点があるため、スピーチや面接などのフォーマルな場で使われる傾向があります。ただ、「これはとてもいい商品で、とても人気があって、とてもオススメなんですよ」という日本語の文章から少し幼稚な印象を受けるように、"very"の多用には注意が必要です。
一方の"so"は、「とっても」「すっごい」「超」といった雰囲気で、もっと感情的な強調です。会話のなかで自分の気持ちを込めた表現になるので、友達や同僚などの親しい間柄で使われることが多く、フォーマルな場ではあまりそぐわない言葉です。例えば商談の最後にお礼を言うときに、"Thank you so much."ではフランクすぎる印象。"Thank you very much."のほうが適切でしょう。
ニュアンスの違いはあれど"very"と"so"がほとんど同じ意味を持つのに対し、"too"の意味は大きく異なり、「~すぎる」という過剰さを表します。
中学生の時に習った"too A to B"「AすぎてBできない」という構文、例えば以下のような文を覚えているでしょうか?
どこにも"not"はないのに「勉強できない」と否定文になっていますが、その理由は"too"に「適切な程度を超えている」という否定的なニュアンスがあるから。"I'm too busy."「忙しすぎる」という文にも、ただ単にとても忙しいだけでなく、忙しさのあまり、ほかの何かを犠牲にしているといった「忙しすぎてマイナスな状態にある」というイメージがあります。
そのため、"I'm too busy."の一言には、シチュエーションによって以下のように「できないこと」が含まれています。
この"too A to B"「AすぎてBできない」という表現、例えば"I'm too busy to study."をみると、2つの構成要素でできているのが見えてきます。
I'm too busy + I cannot study
このように、通常、最初の文章(私は忙しすぎる)の主語と2番目の文章(私は勉強できない)の主語は一致します。ただ、ときにはこの主語が異なる場合もあり、その場合は、下記のように”for〜”で2番目の主語を補います。
ここまで見てきた通り、"too"には否定的なニュアンスが含まれます。日本語でとても楽しいことを「楽しすぎる!」と言うことがありますが、これを"It is too fun!"と表現しようとすると、楽しい気持ちがきちんと伝わりません。
「楽しすぎる!」で伝えたいのは「ものすごく楽しい!」というポジティブな意味合いですので、感情的な強調を表す"so"を使って"It is so fun!”や、次の章で紹介する別の表現を使うほうが適切です。
もちろん、仕事中に会話が盛り上がりすぎて仕事にならないシチュエーションで、ジョークとして
Our workplace is too fun for us to work!
(Our workplace is too fun + We cannnot work)
なんて使い方はオッケーです。ほかに、
She is too beautiful for me to stay calm.
(She is too beautiful + I cannnot stay calm)
といったように、「彼女が美しすぎて苦しい」という恋煩い中の切ない気持ちを"too"で表現することも。”This is too good to be true.(This is too good + This cannot be true)”「話がうますぎる」なんて言い方もよく使われます。
ほかにも「とても」という強調の意味を持つ言葉はたくさんあります。
「かわいい」でおなじみの"pretty"は、強調の副詞としても使われます。口語表現なので、文章ではあまり使いません。
日本語で「本当に悲しい」といった言い方をするように、英語でも強調の意味で"really"はよく使われます。
「スーパー疲れた」なんて言うことがありますが、同じように英語でも使えます。会話でのくだけた言い方です。
程度が甚だしいことを表す強調です。これも主に口語で使われます。
ほかにスラングとして以下のような言い方もありますが、友だち同士のかなりくだけた会話で使う言葉です。目上の人に対してや、フォーマルな場面での使用は避けましょう。
とても、すごい、超、めっちゃ、ものすごく……。日本語に強調を表す言葉がたくさんあるのと同じく、英語にもさまざまな単語があります。
また、「すごく」を「すーっごく」、「めちゃくちゃ」を「めっっっちゃくちゃ」と表すことで強調の度合いが変わるように、英語でも"very"を"veeeeeery"、"so"を"sooooooo"などと表現することがあり、言い方や表記の仕方によってニュアンスは変わってきます。
難しく考えなくても、会話であれば声のトーンで十分伝わるので、気負わずに気持ちを込めて使ってみてくださいね!