Yoko
(更新)
ネイティブスピーカーと会話をしていると、相手が言った表現に「えっ? それってそんな言い方するの?」とハッとさせられることはありませんか?
特に、敢えて辞書やインターネットで調べるまでもないような、一見簡単そうな表現に限って「そうだったの?」という発見がとっても多いものです。
私は過去にそんな経験が何度もあり、その度に「今まで知らなかった……」という目からウロコが落ちるような思いになりました。
今回はそのような私の経験から《簡単そうに見えて意外と多くの人が間違えてしまう10の英語表現》をご紹介したいと思います!
×: “I know Katy Perry.”
◯: “I know of Katy Perry.”
「〜を知っている」を表す英単語は “know” だと習いましたし、誰でも知っている簡単な単語です。なのでついつい “I know Katy Perry.” と言ってしまいがちですが、こう言うと相手はかなりビックリするはずです。
なぜなら “know” を使うと「○○さんという人を直接知っている、面識がある」という意味になってしまうからです。
「○○さんという人の存在を知っている」という意味を伝えたい場合は “know of” を使って “I know of Katy Perry.” と言います。
×: “It’s still ten.”
◯:“It’s only ten.”
「まだ10時だからもう一軒飲みに行こうよ」のように「まだ10時」を英語で言いたい時、こう言っていませんか?
実は、こういう場合は “It’s only ten.” と表現するのです。「ほんの10時」というニュアンスです。
“still” は何かが継続している様子をあらわすので、「依然として」「相変わらず」に置き換えることができる場合のみ使用できます。「まだ雨が降っている」という場合は「相変わらず雨が降っている」と言えるので “still” で問題ありません。
でも、「相変わらず10時」とは言わないですよね。
これは「彼女はまだ20歳」という場合も同じです。「相変わらず20歳」ではなく「ほんの20歳」ということなので、これも “She is only 20.” が正解です。
×: “Can you eat natto?”
◯: “Do you eat natto?”
海外出身の人と仲良くなると “Can you eat sushi?” や “Can you eat natto?” とやたら聞く人がいますよね。この “Can you eat 〜?” という表現にも、ちょっと注意が必要です。
日本語では「納豆食べられる?」という言い方をしますが、この場合英語で “can” は使いません。“can” は「能力が備わっている」というニュアンスなので、その代わりに「食べる習慣がありますか」といったニュアンスで “Do you eat natto?” と言うのが一般的です。
同じように「ビール飲めますか?」も “Can you drink beer?” ではなく
と聞くのが一般的で、”You can’t drink.” は未成年や体の調子などの理由があって飲んではいけない人に対して使うことが多いです。
×:“I played with my friend last night.”
◯: “I hung out with my friend last night.”
友達とご飯を食べたり、飲みに行ったり、一緒に出かけたり。そんなことを日本語では大まかに「友達と遊ぶ」と表現します。その際、「遊ぶ」という意味がある単語 “play” を使いたくなるかもしれませんが、実は“play” は子どもが遊ぶ場合に使うので、大人が使うと不思議な響きになってしまうのです。
“I played with my friend.” ではなく、 “I hung out with my friend.” がよく使われる自然な表現です。“hang out” は「ぶらぶらして時を過す、つるむ」といったニュアンスのフレーズで、若い人たちがよく使う表現です。
また、「友達と遊んだ」と漠然と表現するのではなく、具体的に「○○に行った」などと表現してもいいですね。
×: “How do you think?”
◯: “What do you think?”
会話やディスカッションの中で、相手に意見を求める時に使う「あなたはどう思う?」という表現。「どう思う」の「どう」をそのまま英語にして “How do you think?” と言っていませんか?
正しくは “What do you think?” です。“How” は手段や方法、程度や状態をたずねるので、ここでは使いません。具体的に相手の意見が「何」なのかを聞きたいので “What” を使います。
×:“Nice to meet you.” “Me too.”
◯:“Nice to meet you.” “You too.”
“Nice to meet you.”は、「初めまして」と訳されることが多いですが、直訳では「お会いできて嬉しいです」という意味です。「お会いできて嬉しいです」と相手から言われると「こちらこそ」や「私の方こそ」と返したくなりますよね。
そこで「私も」の定番 “Me too.” が真っ先に思い浮かぶと思いますが、実はこのような場合は、 “Me too.” ではなく、“You too.” と言います。
理由は簡単で、“It’s nice to meet you, too.” を短く略したものだからです。
ここで “Me too.” と言ってしまうと “It’s nice to meet me, too.” とヘンテコな文章になってしまいます。“You too.” と言わずに “Nice to meet you, too.” とオウム返しにするのも丁寧でいいですね。
×:“Congratulation!”
◯:“Congratulations!”
卒業・就職・昇進・婚約・結婚・出産などに対しての「おめでとう!」を表すのに一番簡単でよく使われる表現が “Congratulations!” です。
でも、この最後の “s” を忘れて “Congratulation!” と言ってしまう人が意外に多いのです。
忘れにくくするポイントは、 “Thanks”、”Kind regards”、”greetings”、”Best wishes” のように自分の気持ちを込めて相手に伝えるフレーズには “s” が付くものが多いと覚えておくことです。
“Congratulations!” は “Congrats!” と省略することもあります。この機会に正しく覚えてしまいましょう。
×:“I like here.”
◯:“I like it here.”
自分が住んでいる地域や旅先の土地が気に入った場合「ここが好きです(気に入っています)」という表現をしますよね。“I like here.” と言いたくなるかもしれませんが、ネイティブは決して “I like here.” とは言いません。
“like” という動詞は必ず〈何が好きなのか〉という目的語の名詞が必要になりますが、“here” は副詞なので目的語にはなれません。そこで、英語にはよくありがちな特に意味のない “it” が登場するのです。
×:“I can’t find my socks.”
◯:“I can’t find my sock.”
すっかり日本でもお馴染みとなった単語でよく起こりがちなミスです。
例えば、出かける身支度をしていて「靴下が片方ない!」というような場合。「ソックス」は日本でも馴染んでいる単語なので、つい ”I can’t find my socks.” と言ってしまいがちです。「シューズ(shoes)」などもそうですね。
でも、靴下も靴も片方について話す時には複数の “s” を取って “sock”、“shoe” にしないといけないのです。
また、反対に「サングラス」は日本語では単数形で呼んでいますが、英語ではいつでも “sunglasses” と複数形になることにも注意しましょう。
×:“What time did you sleep last night?”
◯:“What time did you go to bed last night?”
「寝る」と言う場合に毎回 “sleep” を使っていませんか? 日本語では「何時に寝たの?」も「何時間寝たの?」も「寝る」という同じ言葉を使いますが、英語ではこれらを使い分ける必要があります。
「眠る」が “sleep”、「寝る(床につく)」は “go to bed” が一般的によく使われます。つまり、「昨日は何時に寝たの?」は「何時に床についたの?」という意味なので、“What time did you go to bed last night?” となるのです。
なお、”What time did you sleep last night?” は、英語では意味を成しません。おそらく、
などと聞き返されることでしょう。
いかがでしたか? どれも簡単そうな文章ですが、過去の私と同じように目からウロコ! という方もいたのではないでしょうか。
でも、いずれも伝わらないほどの間違いではないので安心してください。
英語を間違えないようにしよう! というのはかなり無謀なチャレンジです。
それよりも、間違いを恐れずに会話をして、相手に正しく伝わっていないと感じた時に、その理由を調べて都度学んでいくほうが楽しいはずです。
間違いやすい表現を頭に入れ会話の中で学んでいくことで、あなたの英語はどんどんブラッシュアップされていくこと間違いなしです!