ネイティブがよく使う「ain't」の正体|意味と使い方

英語学習を続けるなかで、洋画や海外ドラマを見たり、洋楽を聞いていると「これはどんな意味?」というスラングに出くわすことがありますよね。

スラングは特に学校の英語の授業などで触れることがないので、難しく感じるかもしれません。

そんなスラングのなかでよく耳にするものに「ain’t (エイントゥ)」というものがあります。聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

実によく登場する「ain’t」の意味と使い方について、今回はご紹介します。
 

ain’t は否定表現

ain’t は否定表現

先に結論からお話しすると、ain’t は「〜ではない」を意味する否定表現で、「〜なものか!」とか、「〜じゃねーよ!」のようなニュアンスで和訳することができます。

下品な印象がある表現です。この和訳からも、あまりフォーマルな場では使うべきではないことがわかりますね。ただ、表現の形の1つとして、洋楽や洋画などエンターテインメント作品で話し言葉のなかでよく使われています。
 

ain’t は5つの否定表現の短縮形

Ain’t には is not が isn’t のように短縮されるときなどに見られる「n’t」が入っていますが、もとはどんな形なのでしょうか?

実は ain’t は以下の5つの否定表現の短縮形で、大きく2つの形に分類されます。

【be 動詞 (am / is / are)+not】

  • am not
  • is not
  • are not

【助動詞 (have / has)+not】

  • have not
  • has not

文法的にはbe動詞と助動詞の否定形になりますが、実際のところはかなり曖昧な使われ方をする表現です。
 

ain’t の語源

Ain’t のもとの原形は、 am not と are not。

1600年代には are not の短縮形として、1700年代には am not の短縮形として使われていた記録が残っています。19世紀ごろまでは、正式な表現方法として認識されていたそうです。

しかしその後、チャールズ・ディケンズ作の「Oliver Twist(オリバー・ツイスト)」などの影響によって、ロンドンの下層階級の人々が使う言葉として認識されるようになりました。

現在、are not は aren’t と使われるものの、 am not には正式な短縮形がありません。スコットランドなどイギリスの一部地域の方言では「amn’t」と使うことがありますが、ain’t はスラングで、あくまでも「間違った文法」なのです。

さらには先述のように、are not や have not などの短縮形スラングとして使われるので、人称や時制などの概念が通用しません。ある意味「なんでもあり」な、柔軟な使われ方をするのです。
 

ain’t + 否定語で強調する

Ain’t はその後に否定語を置くことで、その否定語を強調することができます。ain’t + 否定語が使われている表現を見てみると、一目瞭然です。

Chaka Khanの「Ain’t Nobody」という曲を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。(わからないという人は、動画を見てみてください。)

Ain't nobody
Loves me better
Makes me happy
Makes me feel this way
Ain't nobody
Loves me better, than you

誰もいないの
私のことをより愛してくれる人は
私のことを幸せにしてくれる人は
こんな気持ちにさせてくれる人は
誰もいないの
私をこれ以上愛してくれる人は、あなた以外に(いないの)

Ain’t nobody loves me better. で、「私をもっと愛してくれる人なんて(あなた以外に)いない」と、強調した否定で表現しています。

通常、二重否定(否定+否定)だと「強い肯定」表現になりますが、ain’t のようなスラングの場合にはこの限りではなく、強調した否定の意味になるので注意しましょう。

ほかにも、「ain’t + 否定」の例文を見てみると、感覚が掴みやすいはずですよ。

*Ain’t nothing can end a great friendship like ours.

「私たちの持つ友情に終わりを告げられるものはなにもない」
*ain’t の前には there が省略されています。

She ain’t seen nothing like what we've got planned.

「彼女は私たちが用意したものをまだ何も見ていない。(だから驚くに違いない)」

 

ain’t の例文集

ain’t の例文集

ここではいくつか、ain't を使った例文をご紹介します。例文からも、あまりフォーマルな表現ではないことがわかるはずです。

It ain’t something you can just do! You need years of experience!

「お前ができるようなことではない! 何年もの経験が必要なんだ!」

She ain’t gonna eat meat. She’s a vegetarian.

「彼女は肉なんて食べないさ。ベジタリアンだからな」

I ain’t shutting down this game! I’m almost there!

「ゲームはやめないぞ! あとちょっとなんだ!」

I ain’t going to lose this game. Next stop - the championship!

「この試合には負けねぇ。次は全国大会だ」

It ain’t real. It’s just a dream.

「現実なわけがない。ただの夢さ」

Celebs ain’t got privacy.

「セレブにはプライバシーなんてないのさ」

I ain’t gonna eat no sweets. I’m into bodybuilding.

「甘いものなんて食べねぇよ。ボディメイク中なんだ」

You ain’t seen my masterpiece yet. Prepare to be amazed.

「まだ俺の傑作は見てないぜ。驚く準備をしておいたほうがいいぞ」

Ain’t no traffic so we arrived super early.

「渋滞がまったくなかったから、とても早く到着した」

 

スラングは使わずとも知っておくと良し!

冒頭でも触れたように、ain’t はよく見聞きするスラングの1つです.

率先して使うべきではありませんが、知っておくと洋画や洋楽を楽しむときはもちろん、英会話のなかで登場したときにも話の文脈を理解しやすいはずですよ。

英語って実にさまざまな表現方法があっておもしろいですね!

ほかにもスラングはたくさんあるので、英語学習の箸休めに目を通して、うまく付き合っていってください。