さな
(更新)
「猫をかぶる」。
「猫に小判」。
「猫の手も借りたい」。
日本語には、猫にまつわることわざや慣用句がたくさんあります。
そんな猫に関する言い回しは、日本語だけではなく、英語にもたくさん存在するということを、みなさんご存じでしたか?
今回は、猫にまつわる英語のイディオムやことわざ10選を、実際に使える例文とともにご紹介します!
猫は好奇心の塊ですよね。筆者はかわいい黒猫を飼っていますが、火のついたストーブに飛び上がったり、乗ってはいけないところに乗ろうとしたりして、見ているとヒヤヒヤすることばかりです。
その様子から生まれたのが、このことわざ。Curiosity は「好奇心」という意味なので、直訳すると「好奇心が猫を殺した」という意味になります。
たとえば、ホラーやサスペンス映画などで、自分とは関係のないことなのに、呪われた家に入り込んだり、事件に巻き込まれたりするキャラクターがいますよね。自ら危険を招いていて、見ているほうも少し呆れてしまいます。
猫も同じです。自ら危ないことに挑戦したり、危険な状況に身を置くことがありますよね。
最終的には知りたくないことを知ってしまうことだって、あるかもしれません。でも自ら危険なことに飛び込むことは避けたいところ。つまりこれは、気になることがあっても、あまり深入りしないように注意することわざなのです。
Copycat とは、自分のアイデアが少なく、誰かとまったく同じことをしたり、同じことを言ったりする人のことを指す表現です。
また、copycat は形容詞として使うこともできます。
さらに、copycat crime/copycat criminal という概念もあり、これは日本語では「模倣犯」と訳されます。他人が起こした犯罪を真似した犯罪のことを指す表現です。
Scared は「怖がった」や「怯えた」という意味の単語ですよね。一般的に、-y を名詞や動詞につけると、形容詞や副詞のように使うことができます。
しかし、scaredy という言葉は単体では存在しません。Cat を後ろにつけたときのみ、使用できます。
Scaredy cat は、1933年に出版されたドロシー・パーカーという詩人の「The Waltz」で初めて使用されたと言われている表現です。それ以来、scaredy cat は「すぐに怯える人・ビビりな人」を指す言葉として広く使われてきました。
特に子供に対して使うことが多いですよ。
これは「秘密を暴露する」という意味のイディオム。
では、なぜ「猫を袋から出す」ことが「秘密を暴露する」という意味になるのでしょうか? 気になるところですね。
もっとも有力な説は、中世にさかのぼります。中世の市場で、怪しげな家畜商が、買い手をだまし取ろうとしていたことに由来しているそうですよ。
誰かが豚を買うと、その業者は代わりに猫をこっそり袋に入れ、豚の高い値段から買い手をだまし取ったとのこと。そして買い手は家に着き、文字通り袋から猫を出して初めて詐欺にあったことに気づいたのです。
このように、イディオムの由来を知ると面白いですね! では例文を見てみましょう。
2つ目の例文は、皮肉がまじっていますね。英語ではこのように、皮肉って表現することが多いので、覚えておくと良いでしょう。
Catnap という表現は、「非常に短い昼寝」を意味します。初めて使用されたのは1823年とのこと。
To take a nap(昼寝をする)と同じように、to take a catnap のように用いることも可能です。
日本語に訳すと「猫に舌を取られたの?」という意味の表現。
これは、話すべきときに黙っている人に対して使います!
たとえば、ミーティング中に意見を聞かれているのに、なにも言わない人に対して、からかう感じで用いることができます。
このイディオムの由来はあいまいで、有力な説は3つほどあるそうです。
まずは、18世紀から19世紀にかけて、イギリス海軍が拷問に使っていた cat o’ nine tails という道具に由来しているという説。イギリスの船で Cat got your tongue? と言えば、ムチで打たれて服従させられるか、沈黙させられるかを意味したそうです。
2つ目は、中世のキリスト教徒に由来しているという説。当時は、「魔女」と「黒猫」は大きく関連していました。黒猫は邪悪な魔女の手先だと言う人もいれば、黒猫は魔女そのものだと言う人もいました。いずれにせよ、魔女に舌を盗まれると、話すことができなくなるので、それを連想させてこの表現が生まれたとさているそうです。
そして3つ目の説は、古代エジプト人の猫崇拝に由来しています。当時、嘘つきや冒涜(ぼうとく)者は、暴言を吐いたり、偽の証言をしたり、政府や既成の宗教に反することを言ったりすると、厳しい処罰を受けさせられていました。そのため、権力者は犯罪の報いとして人々の舌を切り取っていたそうです。そして、その舌を近くの猫に食べさせていたとのこと。
どれも残酷な説で、考えるとこわいですね。
これは、「チャンスがまったくない」「不可能」「無理」という意味合いで使われるイディオムです。
本当は「no more chance than a cat in hell without claws」という新聞に書かれていた文章に基づいています。Claws は「爪」という意味です。
ちなみに、似たような表現で not a snowball’s chance (in hell) というものもあります。Snowball は雪合戦などで使う「雪玉」です。確かに、地獄で雪玉が溶けずにいられるのは不可能ですよね!
「相手を騙してミスをさせ、自分が優位に立つことで、相手を打ち負かそうとすること」を指すこの表現。それだけでなく、「他人をコントロールしたり、バレないようにいろいろな言動をする」という行為を指すこともあります。
日本語でいうと「もてあそぶ」や「じらす」という訳し方が近いですね。
猫がネズミを追いかけたり、ネズミを殺す前に遊んだりするような行動を想像すればわかりやすいですよ!
直訳すると、「猫がいない間、ネズミは遊ぶ」です。これはなんとなく意味を想像できるのではないでしょうか?
日本語には「鬼の居ぬ間に洗濯」ということわざがありますよね。このことわざと同じ意味だと思えば想像しやすいです!
上司や、監視する人がいない間に、くつろいだり、のんびり過ごすことを指す表現です。
最後にご紹介するのは、「オシャレ」で「トレンディー」な人を表す cool cat という表現!
1940年代にジャズを演奏していた男性たちや、ジャズ愛好家の人たちが、お互いのことを cat と呼び合っていたことから由来するそうです。それから、クールでトレンディーな人に対して使われるようになったそうですよ。
いかがでしたか?
猫に関する英語表現は、今回ご紹介した10選以外にも数多く存在しますが、すべて記載するとキリがないので、普段の生活でよく見聞きするものを抜粋しました。
猫が好きでも苦手でも、英語ではよく使う表現ばかりですので、ぜひこれを機に覚えていってくださいね!