SHIORI
(更新)
日本語では、何か美しいものや綺麗なもの、キラキラなものなどなど、目に映って離れないようなものや、心を惹かれるようなもののことを「魅力的」と言うことがあると思います。
日本語での「魅力」って、よくよく考えると、一言でいろいろな表現ができるので、いわゆる万能な単語です。しかし、英語で一概に「魅力」と言っても、種類に分けて使われるため、一言で表すことができません。
そこで今回は、いくつかの「魅力」の英語表現とニュアンスの違いを説明していきます。
「魅力」を意味する代表的な英語表現は13個あります。
果たして「魅力」は、英語圏ではどのような意味、場面で使われているのでしょうか。さっそく見ていきましょう!
Attractiveness は、「魅力」という意味がありますが、細かく説明すると、人やもののなかでも、何か直感的に心地よく、惹きつけられるような質を持つ人やものに対して使われます。
例えば人に対して、一緒にいてどこか安心できる部分があったり、明るい性格で周りに人が集まってくるような人は、人を惹きつける質(魅力)を持っているため、attractive(魅力的)と表現することができます。
「彼女はとても魅力的だ」
Charm もまた、「魅力」を表す単語です。
質を重視した attractiveness とは微妙に違い、人に喜びを与えたり、賞賛を呼び起こさせるような力や質を持っているような人やものに対して使われます。
日本語でいう「愛嬌」ととてもよく似た表現です。
「茶目っ気たっぷりの笑顔も彼の魅力のひとつ」
Appeal にはたくさんの意味がありますが、魅力を表すのに使われる際は「惹きつける」という意味として使われます。
その対象は、人の心に共鳴(同感/同情的な反応)を引き起こすようなものです。
「海外に住むのって憧れるなぁ」
「日本のファッションは魅力的です」
Fascinate は日本語で「魅了する」と訳すことができますが、英語での定義は extremely interesting or charming(極めて面白い/愛らしい/微笑ましい/魅力的)です。
Fascination は、fascinate の名詞形で、人々を惹きつける面白さや愛らしさのある質や力を表現します。「うっとりさせるような魅力」や「とても素晴らしい魅力」というようなニュアンスがある単語です。
「私は古代ギリシャの歴史はとても魅力的だと思う(とても面白いと思う)」
Temptation には「誘惑」という意味があり、何か少し悪いことや賢明ではないようなことをしたくなるような願望や欲望を表します。
良いことではないけれど、ある意味魅力的なものをみて、欲望的な気持ちになる際に用いられることが一般的です。
「ケビンは100ドルを道で拾いました。彼はこの100ドルを自分のものにすることに耐えて交番に行きました」
「キャンディーが食べたくて仕方ない。でもダイエット中なんだよね」
この例文で使われている constant temptation は、直訳をすると「絶え間ない誘惑」なので、「キャンディーを食べたいという欲に絶え間なく誘惑されている」というニュアンスになります。
また、temptation の形容詞、tempting と表現する場合も多く、「心をそそるような魅力」を表します。
状況的に難しかったり、そうすることで少しでも自分に不利益なことがあったとしても「どうしても欲しい」「どうしてもやってみたい」など、強く物事を願望するようなニュアンスがある表現です。
「ねえ、今日飲みに行かない?」
「行きたいけど課題を終わらせなきゃ。明日締め切りなんだ」
ちなみに、食べ物に対して使われると、「とても美味しそう」という意味になります。
「このプリンめっちゃ美味しそう」
もしかすると、グラマラスという言葉を日本語で聞いたことがある人もいるかもしれません。
日本語で使われるグラマーやグラマラスは、誘惑されるような女性などの魅力を表す際に使われることが多いです。
英語でも同じように使われます。
幻想的、そしてロマンチックな魅力に対して使われることが多く、基本的に内なる魅力と外の魅力(見た目の良さ)を兼ね備えたものや人に対して用いられます。
「魅惑」という言葉が1番しっくりくる日本語訳ですね。
「今日の服めっちゃ魅力的だね」
「グッチは洋服ブランドの中で最も魅力的だ(魅惑的だ)」
Allure もまた、「魅力」を表す単語です。
Attractivenessと同じように使われることもありますが、魅力でも、何か利点や望みなどがあり、それがあるが故に惹きつけられるようなものを指すこともあります。
「海の水の魅力が大好きだから、海で時間を過ごすのだ好きです」
「お腹の空いている女性は、パン屋さんの魅力に反することができなかった」
Witch は「魔女」という意味。
そこからも想像ができるように、bewitch には、魔法にかけられたように(不思議なくらい)人の心を魅了する(虜にする)というような意味があり、受け身で使われることが多いです。
「彼は彼女の美しさの虜になった」
「サラは笑顔でスティーブンを虜にした」
動詞形の captivate には、「人の心を奪う」や「人を虜にする」というような意味があり、人の気を独り占めしてしまう、またはされてしまうくらい魅力的なさまを表現する際に使うことができます。
名詞形は captivation で、「萌え」「虜になること」「魅了された状態」「魅惑された状態」などと表すことができます。
「彼は彼女の美しさに心を奪われた」
「彼女の魅力は男性理性を惹きつけるフローラルな香水です」
Enchanted〜 という名前の香水をよく見かけることが多いと思うのですが、この enchant には、「人の心を奪う」や「魔法をかける」「魔法をかけたかのようにうっとりさせる」という意味があります。
香水を身に付けることで、魔法がかかったかのように人々を魅了するさまに、ピッタリの名前ですよね! お気付きかもしれませんが、bewitch と同じような意味とニュアンスを持っています。
「クリーブランドの『くるみ割り人形』は魅力でいっぱいだ」
Enticement は、「人の心を惹きつける質や何か」や「誘惑により人に何かをさせる力のある何か」などという意味があります。そのため、temptation や allure と同じように使うことが可能です。
「この仕事の魅力の一つは、会社の車がもらえることです」
Magnet はみなさんもご存知、磁石という意味ですが、magnetism は、磁石の相互作用(磁石によって引っ張られたりくっついたりする動き)のことを指す単語です。
しかし、それとは別に、磁石の例えを使って、誰かを引き付ける(惹きつける)能力のことを magnetism と言うこともあります。磁石のように引き寄せられる、という表現を聞いたことがあるかと思いますが、まさにそのとおりの表現ですよ。
「彼は選挙に単なる魅力で選挙に当選することができた」
カリスマという言葉は日本語でも聞いたことがある人も多いでしょう。英語では、「人から献身を呼び起こすことができるような魅力をその人に強いること」を指します。
そのため、その人のエネルギッシュな性格や熱意などで他の人々に影響を与えている人や、何かで大勢の人に影響を与えることのできる才能のある人(リーダー素質のある人)などに使われることが多いです。
見た目重視の魅力ではなく、中身重視の魅力を表します。
「彼の成功の大半は彼のカリスマ性のおかげだ」
「素晴らしいリーダーになるためには、いくつかのカリスマ性を兼ね備えていないといけません」
いかがでしたか?
「魅力」という言葉は、日本語では一言で片付けられてしまいます。
しかし英語では、さまざまな「魅力」を表す単語があり、それぞれ少しずつ違うニュアンスがあります。
この記事でその違いを確認し、魅力の種類を少しでも上手く使い分けできるようになっていただけると幸いです。