セレン@英語キュレーター™
(更新)
英語を話す、という時に一番いやーな瞬間というのはずばり
「何も出てこない」
という瞬間ではないでしょうか?
で、これなんでこんなことが起こるのか?
というと理由はほぼ一つに絞られます。
1、言いたい事が頭に日本語で浮かぶ。
↓
2、それをどう英語にするか、その場で考える。
↓
3、上手く訳せず、しかも会話の途中なので焦って思考が停止する。
↓
4、何も出てこない。
これ、本当にいやーな瞬間なんですよね。
これが起こるたびに落ち込みますし、ああやっぱり英語を話すって難しいなあ、と思ってしまうんです。
ただ、僕は「ちょっと待った」と言いたい。
そこでそう思ってしまうのはちょっと筋違いなんです。
というかもったいない。
僕も以前はそう思ってたんです。
こんな簡単な英語すら出てこないなんて、英語ってやっぱり難しい、
とか
ああ自分は英語に向いてないんだ、
なんて。
でも、これ実は違うんです。
ポイントは2点あります。
まず、一点目。
「日常会話は決して簡単ではない」ということ。
よく日常会話レベルなら英語はできるんだけどなー、
という言い方、耳にした事あると思います。
でもですね、日常会話というのは実はかなり難しいものなんです。
で、問題はその難しさの種類なんですね。
なんで難しいか、ってことなんですけど
要は
「学校で習わなかったことが沢山ある」
これ、なんです。
能力とかではなく、僕らが知っている「英語」の
枠の外にあるものが本当にたくさんあるんです。
そのパソコン、画面傾いてない?
靴ひもほどけてるよ。
指に刺がささった。
(これから食べるレストランなど)適当に決めようよ。
などなど、これ英語の試験なんかで高得点を取得してる人の中でも相当数の人が何も考えずにスッと言えないのではないかと思います。
日本語ではなんの苦労もないこんな簡単な表現、でも僕もこういう自然な表現などを学校で習った記憶は一切ありません。
だから、いざこういう場面になると困っちゃうわけです。
因に、上記の表現は
Isn’t that screen crooked?
Your shoelaces have come loose. (ほどけかけ、の時)
Your shoelaces are untied. (完全にほどけてる時)
I got a splinter in my finger.
Let’s wing it! (何も決めずに流れにあわせてやろう!というニュアンス)
などと言ったりします。
意外と知らなかったりするんですよね、こういうの。
なので、まずは日常英会話というのは結構難しいんだよ、
でもってどうしてかと言うと学校では習わなかった、それだけなんだよ、
ということ。
もう一つは
日本語→英語への翻訳は難しい、ということ。
頭の中に日本語が浮かび、そしてそれをその場で英語に訳す、
というのは通訳者と同じことをしてるわけで、これ実はかなり
高度な作業なんです。
しかも浮かんだ日本語が元々英語にしにくいフレーズだったら
これは大変。
この二つ目が今回の記事のテーマでもある。
「知らないと訳せない」
つまり
「会話で絶対詰まってしまう」フレーズなんです。
でも、逆に言うと知っておけば詰まらないんです!
僕らは日本人で、そして日本語が頭の中にベースとしてあるので、
英語を使う、という時詰まるポイントは結構共通してるんです。
なにもあなた1人が特別そこでつまずくわけじゃない、
みんな同じとこでつまずくんだよ!
という事は声を大にして言いたい。
変に落ち込んだりしなくていいんです。
ということで、
そんな日本人みんなに共通する英会話での頻出つまずきフレーズ、つまづきポイント
が今日のテーマです。
また、同時に日本語に引っ張られて必ず間違えちゃうポイントもおさえておきましょう。
今回は英語を始めたばかりの人に必ず起こるシチュエーション、
初めましてのシチュエーションにフォーカスします。
自己紹介などで会社や部署や部活などなど、
日本語では何かに属する、という言い方、よくしますよね。
で、もってこれをそのまま英語にして "belong to" などで表現しちゃう。
これは状況によって違うんですが
I work for ABC company.
ABC会社に務めています。I work in the accounting department at ABC company.
ABC会社の経理部で働いています。I’m a member of the basketball team.
そのバスケットチームのメンバーです。
"belong to" という表現は "to" 以下の何かに所有されている、というような
結構強い、かつ特殊なニュアンスがあるので、自己紹介などではほとんど使われているところを見る事はないと思います。
日本人だとどうしても『属する』という日本語に引っ張られて使っちゃうんですよね。
これもあるある、の一つですね。
まあ、あまり英語で年齢を聞かれる場面は少ないとは思いますが。
日本人が年を気にするのは敬語かタメ口かをはっきりさせたい場合が
多くて、そういう概念がない外国の人が他人の年齢を聞く事はまあ殆どないんですが、
自分発信でも
ちょうどこないだ何歳になりました、って言いたいときはあるはず、こんなときは
I just turned 22.
という表現。
何歳になる、ということをturnで表せる
というのは知っておくと非常に便利です。
今年で23歳になる、だったら
I’m turning 23 this year.
と言えます。かなり自然な表現。
この日本語の「趣味」という言葉の意味の広さ、あいまいさが
英語を話す時にちょっと溝を生んじゃうんですね。
趣味はなんですか?は英語では
What do you do in your free time?
が一番近いかと思います。
あれ、
"What is your hobby?"
じゃないの?
と思った人もいると思うんですが、
英語で "hobby" は特殊な、あまり普通の人がやらない趣味を指します。
切手集め、レアレコード収集、バイクいじり、ガーデニングなどなど、
つまり日本語でいう趣味は人間観察ですとか(笑)、寝るのが趣味です、
また映画、読書、なんかも英語でいう "hobby" には入らないんですね。
で、こういう話をすると
『いやいやこないだ "What is your hobby?" で通じましたよ』
という人が必ず出てくるんですが、それは恐らく日本で、ですよね?
日本にいる外国人はあまりにも日本人が "What is your hobby?"
と聞くので、ああ日本人はずいぶん広い意味でホビーというのだなと既に理解している人が多いです。
でも、全く知らない人なんかには本当に通じないのでやってみてください(笑)
というか元々 "hobby" は特殊なものを指すので、
"What is your hobby?"
と聞くと結構な確率で
"I don’t have any hobbies." とか
"Nothing,"
つまり、特にない、という答えが返ってきます。
"What is your hobby?"
ってもうそういう趣味があることを前提にしてるので
そもそも英語ではそういう聞き方をしない、というのがポイントなんです。
だから日本語で言う、趣味なに?
は英語でいう、暇な時なにしてるの?
にニュアンスとしては近くなり、
"What do you do in your free time?"
となるんですね。
で、どーしても趣味が聞きたい時は
Do you have any hobbies?
という聞き方をすると非常に自然です。
会話を深めたいときは是非。
意外な答えが返ってくるかも(!?)
これは簡単、
"Do you have a boyfriend /girlfriend?"
でしょ?
と思われた方、
これも残念、少し違うんです。
英語では
Are you seeing anyone?
これが一番よく使われる表現。
日本語でも恋人はいますか?ってあまり聞かず、
付き合ってる人いる?
なんていう自然な聞き方がありますよね。
それと同じく、英語でも
定期的に会ってる人いるの?
というニュアンスで
"Are you seeing anyone?"
という聞き方をします。
"Do you have a boyfriend /girlfriend?"
でも、もちろん意味としては通じますので、ご安心を。
でもせっかくなら自然な表現の方が、
相手も自然に本音で答えてくれるかも(!?)
これも意味は通じるけど、その言い方では…
という表現なんですが
"Why did you come to Japan?"
と聞いてしまいがち。
また僕も実際あったのですが、例えばコンサートなんかに行って
そのコンサートにアーティストが何人か出るような時、
誰を見に来たの?と聞きたくて
つまってしまったことがあります。
この二つ、同じ表現でクリアできるんです。
それが
What brought you here?
What brought you to Japan?
という表現。
"Why 〜" で聞くと
どうしても理由を聞いてるので、なにか問いつめてるような印象になりがちなんです。
なんで来たのか?どうしてここにいるのか?
悪気はないからこそ、あまり嫌な印象は与えたくないですよね?
そんな時に使えるのがこの表現、
なにがあなたをここに連れてきたのか?
という
"What brought you"
『場所』という表現。"bring"「連れて行く」という動詞。
この表現は初めて誰かに会うときなど本当に便利な表現で、
そこに来た理由をいろんな場面でやんわりと聞く事ができます。
また、これを使うと、「おおーよく知ってるね」という顔をよくされたりします。
そのくらい世界中の人が "Why Why" と聞いているんだなあと思います(笑)
日本人だけじゃないんですね、これは。
これもせっかくなら自然な、柔らかい表現でいきたいところです。
日本語で僕らはよく使いますね「よろしく」という表現。
外国語を学ぶまで殆どの日本人が気付かないと思いますが、こんなに便利で複雑な言葉はありません。
数えられないくらいの意味を持ち、僕ら日本人はこのたった一つの言葉「よろしく」を
多様な文脈の中で使い分けてるんです。
だから、この日本語特有の言葉「よろしく」を英語にしようとすると必ず、言えないんです。
つまり、よろしく=◯◯、という対になる言葉が英語にはないんです。
これを先ず覚えておかないといけない。
つまり、状況によって英語の方が変わるんです。
代表的なものをいくつかピックアップします。
初めまして、の「よろしく」
会社や友人として、初めて会った人に僕らは「よろしく」って言いたくなりますよね。
そういうシチュエーションでは
Nice to meet you.
はじめまして。
これが一番一般的だと思います。
会えてよかったよ、というニュアンスが含まれているため、
日本語で言うよろしく、にこの場面では一番近いと思います。
「この仕事、よろしく!」の『よろしく』
これは場面的にこの仕事やってほしいんだけど、というのが発言の真意です。
言いたい事を英語にする、というのはその日本語の奥にあるコアの部分を抽出し
自然な英語に変換する作業です。
で、はじめは変換するんだけど、いつの間にかシチュエーションに応じて自然に
ダイレクトに英語が出てくる、これが『英語が話せるようになる』ということ。
つまりこの場面の「よろしく」は
I’ll leave it to you.
これ、君に任せるよ。Could you please help me out?
ちょっと手伝ってくれませんか?
というようになり、話し手の意図が明確に伝わる表現になります。
実家、という日本語
これ知らないと完全に言えない日本語の一つですね。
「実家に帰省します」や「実家に住んでいます」
などなど、日本語でいう「実家」
これ見れば見るほど不思議な言葉だなあと思います。
実の家と書いて実家、じゃあ今住んでるとこなんなんだっていう(笑)
当然ですが、英語で「実家」と言おうとして
"real home" とか "genuine house" だと完全に通じないスパイラルに突入します。
ここは発想の転換、かつ英語ではこういうというのを先取りしておくことで簡単に防げますのでご紹介。
「実家」というのはつまり「両親の家」という表現なんですね。
つまり英語では
parents' house
となります。
"home" でもオッケーですが、
"house" のほうがより『場所』感が強くなるため
「実家に帰った」とかだと
I visited my parents’ house.
とよく言ったりします。
より自然な英語だと
I visited my family.
なんかもよく聞きます。
「実家に帰る」という日本語に引っ張られず
「家族のとこに行った」という感じで自然な英語が出れば最高ですよね。
これも必ず英語を話そうとするときつまづくポイントです。
「用事があってさあ」というような時の「用事」
これも実に曖昧な日本語です。
なにかとは言わないけれど「なにかしらやるべき事」って感じです。
これ、英語でも "chores" とか "errands" という用事、雑事、にあたる単語はあります。
ただ、普通の日常会話ではそこまで使わず、
Something important came up.
ちょっと用事できちゃって。
はよく使う表現です。
I already have some plans today.
今日はもう用事があって。
何かに誘われて、もう用事あるんだよね、という時なんかは
"plan" を使ったりします。
逆に「なんか用事ある?」
などの場合は
Do you have any plans?
予定はあるの?
や
What are you up to today?
今日なにするの?
という表現がしっくりくると思います。
どうでしたか?
日常会話というのは非常にカジュアルで間違いなんか恐れずにどんどん自分を出せる場、なんです。
だからこそ、ネガティブなマインドや消極的な姿勢になってしまわないよう、
こういう誰もがつまずくポイントは先に押さえておいて、
どんどん会話を楽しんじゃいましょう。
セレン