K. Inoue
(更新)
2019年9月、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンべリさんの、国連での演説が話題となりました。
気候変動問題解決に向けてなかなか進まないことに対する、当時若干16歳の少女の怒りに満ちた訴えは世界で大きな反響を呼びました。
そうした影響もあり、イギリス Oxford English Dictionary は、昨年の Word of the Year(「今年の単語」)に “climate emergency(気候緊急事態)” という言葉を選びました。
このように環境問題に対する意識が、現在改めて高まっているということで、今回はエコフレンドリーな英語表現についてご紹介していきます。
まずは「エコフレンドリー」についてです。英語では “eco-friendly” と表記されます。
“eco-” は「生態・自然環境」を表す “ecology” から来ていて、「環境の」という意味を表します。
“friendly” はカタカナ語「フレンドリー」でもお馴染みですが「友好的な・優しい」という意味です。
つまり “eco-friendly” で「環境に優しい」という意味になります。
「私たちはもっと環境に優しい製品を利用するべきです」
「彼はエコカーを持っています」
※「エコカー」は “eco-car” よりも “eco-friendly car” と言う方が一般的です。
“eco-friendly” とほとんど同じ意味で “environmentally (-) friendly” という表現もあります。
“environmentally” が「環境的に」という意味です。
「この品物は環境に優しいですか?」
ハイフン(-)で繋げると一つの形容詞のまとまりになります。
「環境に優しい商品をその店で買うことができますよ」
面白いことに、「緑色」で知られている “green” も「環境に優しい」とか「環境保護の」といった意味で使われます。
「私たちはより環境に優しい生活を送る方法を見つけ出そうとしています」
「再生可能エネルギーによって生み出される電力をグリーンパワーと呼びます」
環境保全にまつわる言葉と聞いて「3R」を思い浮かべる人も多いと思います。
これらはゴミの発生を抑止する効果を狙った方法ですが、実はこれらのR以外にも、環境問題対策につながるたくさんのRがあることをご存知でしょうか?
・Reform(リフォーム):改良・改修する
→衣服など直せるものは直して使う
・Refuse(リフューズ):拒否する
→ゴミになりそうなものはそもそも購入、製造しない
・Rethink(リシンク):再検討する
→本当に必要なものかどうかよく考える
・Return(リターン):戻す
→使用後に購入元に返却する
・Rent(al)(レンタル):借りる
→自分で所有しない
・Rebuy(リバイ):買う
→リサイクル品などを購入する
環境保全につながるRは他にもまだたくさんありますが、いずれも工夫次第で、普段の私たちの生活の中でできそうなものばかりではないでしょうか。
上にご紹介したRの多くは、"-able" を語尾に付けることで「~可能な」という意味を表すことができるようになります。
たとえば "Reuse" に "-able" を付けると “Reusable” となり、「再使用可能な」という意味になります。
これによって、“reusable bag” で「再使用可能な鞄」つまり「エコバッグ」を表すことができます。
他にも、
などを表したり、
「我々が提供しているビンは再使用可能です」
のように、文で「~可能」であることを伝えたりすることもできるようになります。
"Recycle" に "-able" を付ければ “Recyclable(再資源化[再生利用]可能な)” となり、
「これらのカメラは再生利用ができます」
のように使うことができます。
R以外にも、"-able" を付けた大切な言葉があります。
“compostable” もその一つ。
これは “compost(堆肥[たいひ]にする)” に "-able" が付いたもので、つまり「堆肥可能な」という意味です。
「堆肥」というのは、ごみや排泄物などを自然に発酵させるなどして作った肥料のことです。
こうした文言が印字された製品を最近よく見かけるようになりましたが、これらは捨てられた後、適切に処理されることで肥料にすることができるわけです。
同様のニュアンスを持つ “biodegradable” という単語もご紹介しておきます。
これは「生物分解性の」という意味で、細菌の作用によって無害な物質に分解できることを表しています。
コップや皿、袋、容器など、特に植物由来の製品ラベルなどで見かけます。
“bio-(生物の)” という意味ですから、植物由来の製品が分解できるわけですね。
ちなみに “degrade” が「分解する」という意味です。
さらに、“sustainable” という言葉もカタカナで「サスティナブル」として最近本当によく耳にしますね。
これは「持続する」を意味する “sustain” に "-able" が付いて「持続可能な」の意味になったものです。
名詞形で「持続可能性」を表す “sustainability(サスティナビリティ)” も合わせて覚えておきたい単語です。
いかがだったでしょうか。
最近では海洋プラスチックゴミの問題が大きく報道され、飲食店を展開する企業がプラスチック製ストローなどの提供を廃止したり、国も買い物時のレジ袋の有料化を義務付けるよう動いていたりと、私たちの身の回りでどんどん対策が進んでいます。
それでもこの問題は、企業や国の努力だけですべて解決できるものではないでしょう。
普段からエコバッグを持ち運ぶとか、使い捨て製品は買わないとか、私たち一人一人の、個人レベルでの積極的な意識と行動が大切です。
今回の記事を通して、英語表現を覚えることはもとより、環境対策について少しでも考えていただけるきっかけとなりましたら幸いです。