Rina
(更新)
こんにちは。英語ライフスタイリストのRinaです。
あっという間に2019年も終わろうとしていますね。
そんな中、今年も、年末恒例の『2019ユーキャン新語・流行語大賞』(「現代用語の基礎知識」選)が発表されました。なんと今回で36回目だそう!
栄えある年間大賞に輝いたのは、記憶に新しい”ONE TEAM”。受賞者はこの秋、日本列島を熱狂の渦に巻き込んだラグビー日本代表チームでした。
流行語大賞は、その年に起きた出来事の他に、どんな社会現象がみられたかなど、いろいろなことが集約されていて、一年を振り返る意味でも面白いので、いつもチェックしてしまいます。
さて、今年トップテン入りした流行語は…みなさんもうチェックしましたか?
今日は、この「新語・流行語大賞トップテンに入った流行語たちを英語で言うとどうなる?」をご紹介したいと思います。せっかくなので、今年のキーワードを振り返りながら一緒にチャレンジしてみてください!
トップテンに行く前に、そもそも「流行語大賞」は英語ではどう言ったら伝わるでしょうか。
複数の言い方がある中で、いろいろな英語メディアでの表記を参考にみてみると、これらの表現が主なところでした。
Buzzword of the year / Buzzword Awards
他にも、“the most memorable 2019 buzzwords” などと記載されている記事もあったりします。
日本語でも「流行る」という意味合いでよく「バズる」と言ったりしますが、これはもともと英語の “buzz” という単語から来ています。そもそも英語の “buzz” は、ハチや蚊などから聞こえる「ブーン」という羽音の擬音語。
他にも「ブザーをならして注意を引く」とか「電話する」「バタバタと動くこと」などいろいろな意味を持つのが ”buzz” なんです。日本語で「ブザー」と言ったりしますが、これも ”buzzer” から来ている言葉です。
そんな複数の意味を持つ ”buzz” ですが、スラング的に「ゴジップや噂話」のことも表現するようになりました。小さな振動が徐々に波紋のように広がっていくように、何かひとつの事柄が噂になったりして、たくさんの人がざわついているイメージが分かりやすいと思います。
“create a buzz” や “generate a buzz” など、フレーズとして「話題になる」とか「人々を興奮させる」という意味で使われることもあります。
なので “Buzzword of the year” は「その年人々をざわつかせた言葉」という意味になり、まさに「流行語」にぴったりな表現だと言えます。
ではさっそく、実際に2019年トップテン入りした ”Buzzwords” たちをみていきましょう!
“ONE TEAM”は2019年ラグビーW杯で使われた日本チームのスローガンです。コーチであるJamie Joseph氏はこのモットーを通じて、チームの結束を強固なものにしようとしました。
“ONE TEAM” 自体が英語なので単語そのものを説明する必要はなく、「ラグビーW杯で使われた日本チームのスローガン」だということを補足できれば十分でしょう。
また、大会のキャッチフレーズ「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」は、”It’s not once every four years. It’s once in a lifetime” のように言えます。
こちらも合わせて伝えられるといいですね!
10月の台風接近に際し、その影響を鑑み、安全の確保と乗客の混乱を避ける目的で、事前に鉄道会社によって「計画運休」が発表されました。
ポイントは「計画された鉄道の運休」であると伝えることなので、”Planned” や ”train”、“railway”に加えて ”outage” や” cancellation ” などのキーワードが入っていると伝わりやすいと思います。
また主な目的は、安全確保のためだったという背景も盛り込めると、さらに分かりやすいでしょう。
“Reduced tax rate” means that the consumption tax rate for some specific products is set lower than the general consumption tax rate.
2019年10月から消費税が8%から10%に引き上げられたのに際し、マイナス効果を軽減するために、軽減税率制度が同時に施行されました。
軽減税率とは、特定の商品の消費税率を一般的な消費税率よりも低く設定するものです。
経済の話題なのであまり一般的なテキストでは見ない単語も多めかも知れませんが、TOEICなどでは頻出の単語ばかりですし、身近な話題なのでこの際覚えてしまいましょう!ポイントになるのは以下の表現。
また、この ”implement” は ”introduce” に置き換えることもできます。いずれにしても「導入された」という意味です。
Japanese fans dubbed her the “Smiling Cinderella” for her warm grin and called her “Shibuko”, which is a truncated version of her first and last name.
「スマイリングシンデレラ」と「しぶこ」は初出場ながらAIG全英女子オープンで優勝し、日本人で二人目となるメジャタートルを獲得したプロゴルファー渋野ひなこのニックネームです。
日本人のファンは彼女の笑顔をとって彼女に「スマイリングシンデレラ」と名付け、また彼女の名字と名前を省略した「しぶこ」の愛称で呼びました。
少し長くなりましたが、一番のポイントは最初の “Smiling Cinderella” and “Shibuko”are the nicknames of a professional gold player, Hinako Shibuno.” の部分なので、まずはここを伝えましょう!
その後に、彼女がどんな偉業を成し遂げたのかや、彼女の笑顔について説明をすればさらに伝わりやすくなります。
ちなみに “dub” という単語はあまり馴染みがないかもしれませんが、「人にニックネームを付ける」という意味です。
The word “Tapiru” is the verb form of Tapioka drinks, which combines the two words Tapioka” and “suru(do).” Tapioka drinks look gorgeous and very instagrammable so they have been all the rage among young people in Japan.
「タピる」は「タピオカドリンクを飲む」という意味。タピオカドリンクはもともと台湾から来たタピオカ入りのミルクティーで「バブルティー」や「ボバティー」として知られているものです。
「タピる」という言葉は「タピオカドリンク」と「する」を組み合わせて動詞化したもの。見た目が豪華でインスタ映えすることもあり、日本中の若者の間で大ブレイク中です。
“tapioca” 自体は英語では一般的に、”bubble tea” や ”Boba tea” として知られています。カタカナなのでそのまま「タピオカ」で伝わるかなと思ってしまいますが、ここは言い換えが必要。
また、さっき出た「バズる」のように、日本人は外国語の単語や何かの名詞に「〜る」を付けて動詞化する造語を作るのが得意ですね。
特に最近はそういう単語がいくつも出てきているので、そのあたりも一緒に説明できると相手に伝わりやすいかもしれません!
The word #KuToo was conceived by combining the three words “kutsu(shoes)”, “kutsu(pain)” and #MeToo.
「#KuToo」は元グラビアモデルで作家の石川優実氏によって先導された、職場でのハイヒール着用の強要に対して抗議するキャンペーンで使われたハッシュタグです。
この言葉は「靴」を意味する ”Kutsu” と「痛み」を意味する ”Kutsu”、そして「#MeToo」のハッシュタグの三語を組み合わせて創られた造語です。
ここでもやはり、ポイントになるのは最初の ”It’s a hashtag used in a campaign” という部分です。「これはあるキャンペーンで使われたハッシュタグです」と言えれば大枠の部分は伝わります。
”protest” は「抗議する」という意味で、ニュースなどではよく目にする単語です。またここでは ”campaign” という単語を使いましたが、”social movement(社会運動)” と言い換えることもできます。
数年前に話題になったセクハラに対する海外セレブたちの起こした「#MeToo」運動は有名で、そこにインスピレーションを受けているので、“Do you know/ remember the #MeToo movement against sexual harassment?” などと聞いてみるとスムーズかもしれませんね。
「ペイ」は英語の”pay”に由来していて、これはキャッシュレスの支払い方法のことを表しています。最近、日本国内では様々なタイプの支払い方法が導入されてきているんです。
“Pay” 自体が英語からきている言葉なので、このようなシンプルな説明で伝わると思います。
もし相手が日本のキャッシュレス事情に詳しいようであれば、”For example, Pay Pay, Fami Pay, Apple Pay and so on.” のように例をあげるとさらに分かりやすいでしょう。
Some celebrities even gave up their right to drive to promote this campaign and a growing number of elderly people are actually returning their licenses, but you cannot ignore the fact that this might cause a big inconvenience for some senior citizens who live in areas with limited public transportation.
「免許」は運転免許証、「返納」は返却することを意味していて、「免許返納」は権威に自分の運転免許証を返すことです。高齢者が絡む自動車事故の増加を受けて、中央政府だけでなく地方自治体も、高齢者に免許を持つことをやめて、自らの意思で返却することを促し始めました。
この動きを促進するため何人かの芸能人が免許を返納するなどし、実際に免許を返納する高齢者の数は増えましたが、公共交通機関が充実していない地域に住む高齢者にとっては、不便さを助長するという現実も無視できません。
ポイントは ”giving up the driver’s license and return it” という部分。
“giving up” は日本語では「諦める」と習うことが多いと思いますが、「〜を放棄する」という意味で使うこともあり、ここではそちらのニュアンスになります。
ただし、今までしていたことを「諦める」というニュアンスも少し残るため、本意でないにしても「自主的に」免許を返納することを促すこのキャンペーンの説明としてはぴったりだと思います。
その他にも、同じニュアンスの”surrender(放棄する)”に置き換えてもいいでしょう。
免許返納は公共交通機関がそこまで充実していない地方に住む高齢者にとっては、簡単には受け入れることが難しい問題だとも言われていて、このような背景まで説明できると、さらにいろいろな意見の交換が出来て面白いかもしれませんね。
A scandal was reported by a weekly magazine that 13 comedians who belong to the Japanese entertainment powerhouse Yoshimoto Kogyo Co. attended a party hosted by a purported crime group about five years ago and performed to receive money in return without consulting their agency.
This scandal highlighted some problems in the entertainment business and led up to many debates on power harassment, commission fee system, a lack of written contracts in the industry and so on.
「闇営業」とは、お笑い芸人たちが報酬目的で所属する事務所を通さずに活動することで、日本のお笑い事務所大手の吉本興業に所属する13名の芸人たちが、5年ほど前に事務所を通さずに反社会勢力の主催するパーティーに出席し、報酬を得たということが週刊誌で報道されました。
このスキャンダルによって、パワハラやコミッション制度、文書化されていない契約についてなど、エンタメ業界が抱える問題が浮き彫りになり、様々な議論がされました。
“Underground” は「地下で」や「こっそりと」という意味があるので、今回問題になった「闇営業」にぴったりと言えます。
ただし、”Underground business” というと「違法取引」というニュアンスがあり完全にアウトなイメージになるので、”Underground performance” のように言えば、「事務所には内緒でイベントに出演した」という今回の件を、より的確に説明できそうです。
ニュース記事などでは芸人たちが報酬を受け取ったことに関して、”compensation(報酬、補償)” という単語も使われていたので、合わせて覚えておくと良いかもしれません。
また、もう一つ今回ポイントになったのは「反社(反社会的勢力)」という言葉ですが、こちらは複数の表現があり、例えば ”antisocial forces” や ”antisocial organization” ”antisocialgroups” などとなります。
The Chinese characters “rei” means “good” or “auspicious” and “wa” means “harmony” or “peace”. Prime Minister Shinzo Abe explained that “Reiwa” means “culture is born and grows when people come together and care for each other beautifully.”
4月1日、政府が「平成」に代わる新元号を「令和(れいわ)」と決定したと発表されました。出典は現存する日本最古の歌集「万葉集」から。
漢字の「令」には「良い」や「吉」の意味が、「和」には「調和」や「平和」の意味があります。安倍晋三首相は、令和には「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められている」と説明しました。
ポイントになる表現は “replace(代わる)”、“new era name(新元号)” あたりで、割とシンプルに説明できそうです。
海外でも大きく報道されたので、“Reiwa” という元号自体を知っている人は多いかもしれませんが、このように元号に込められた意味や出典の背景などを合わせて、説明してあげられるとより良いかもしれません。
特に、こうした日本独特の歴史・文化やしきたりについて説明する際のポイントですが、海外の人にとっては漢字そのものに馴染みがなく、文字をみただけではしっくりこないもの。
今回の元号に関してだけでなく、漢字で表記されたものや出来事は、このようにひとつひとつの漢字の持つ意味を教えてあげるとニュアンスが伝わりやすいと思います。
いかがでしたか?
今回は、2019年新語・流行語大賞トップテンを英語で言うとしたら?にチャレンジしてみました。
スポーツ、エンタメから経済まで、幅広い分野から流行語が選ばれていたので、普段目にしない単語なども出てきたかも知れません。普段から英語でニュースを読むのはなかなかハードルが高いかも知れませんが、このようにトレンドになっているものや、興味のある時事ネタをピックアップして英語で読んでみると、新しい発見があっておもしろいと思います。
実はアメリカやイギリスにも、日本と同様「流行語大賞」のようなものがあるのですが、言葉にはその国や社会の文化や時代的な背景がありありと映し出されるので、チェックしてみるのもおもしろいでしょう!
ちなみにアメリカの老舗辞書サイトの Merriam-Webster の発表した Word of the year 2019 は ”They”。これは性自認が男性でも女性でもない、ノンバイナリーの人たちを表す単数形の代名詞という意味。性に関するオープンな議論が進んでいるアメリカならではの単語と言えるかもしれません。
また今回のように、時事ネタについて海外の人に説明する際に、意外と大事なのが「言葉の意味」だけでなく「文化的背景や前提となる認識」を一緒に説明してあげることです。
例えば「闇営業」の問題も、日本ではグレーであっても、そうではない社会や文化圏もあるかも…。そうした文化的・社会的背景についても補完しながら話すことで、相互理解がより一層進むでしょうし、自分の文化を再認識しながら、様々な異文化に触れるいいチャンスですよね!
「日本では今どんなことがトレンドなの?」
そんな海外の人の疑問にさくっと答えられるよう、今日お届けした記事が参考になれば嬉しいです!!