Yui
(更新)
「体調が悪いから早退するよ」
「大丈夫? 無理しないでね」
「レジ袋は大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫です」
言葉は時代に合わせて変化するものですが、特に「大丈夫」という言葉は文脈によって幅広い意味で使われますね。
相手を気遣ったり、やんわりと断ったり、日本語の日常会話には「大丈夫」という便利な言葉が頻繁に登場します。
そのため、「大丈夫=OK」とひとくくりにして覚えていると、間違って伝わってしまうが可能性が!
この記事では、「大丈夫」が使われる場面をピックアップし、そのときどきに応じたネイティブ英語フレーズをご紹介します。ぜひシーンにふさわしい英語の「大丈夫」をマスターしてください。
相手の体調を気遣って「大丈夫?」と尋ねるときの英語フレーズはこちら。
「大丈夫ですか?」
→いま具合が悪い、または悪かった人に対して、「大丈夫?」と尋ねるフレーズです。
「どうしましたか(大丈夫ですか)?」
→あきらかに具合が悪そうな人には、このように聞くこともできます。
次に、上記のような質問に対して「大丈夫」と答える英語フレーズをご紹介します。
ただ「大丈夫」というだけより、Thanks for your concern.「心配ありがとう」などのひとことを添えるとより気持ちが伝わるでしょう。例文を参考にしてみてください。
I’m fine/good/OK/alright.「大丈夫です」
「大丈夫? 顔色が悪いみたいだけど」
「大丈夫だよ。ちょっと疲れてるだけ」
feel/get better「よくなる=大丈夫」
「具合が悪かったって聞いたけど大丈夫?」
「そうなんだ。熱があったんだけど今はよくなったよ。心配してくれてありがとう」
Can/May I ~?「〜しても大丈夫?」
比較的新しい「大丈夫」の用法に、「可能・不可能」を尋ねるというものがあります。
英語では「can」や「may」を使った疑問文で表現できます。「Can I ~?」よりも「May I ~?」の方が少し丁寧なニュアンスです
「今、電話大丈夫?」
「大丈夫だよ。どうした?」
「ここで写真を撮っても大丈夫ですか?」
「お客さま、申し訳ありません。この美術館内では写真や動画の撮影は禁止されています」
Do you mind if ~?「〜しても大丈夫ですか?」
許可を尋ねる英語フレーズです。「would」を使って「Would you mind if ~?」のように尋ねると、さらに丁寧に聞こえます。
この場合、「いいよ」と答えるときは「No」、「だめ」と答えるときは「Yes」と、日本語と反対になるので注意しましょう。
「一瞬携帯を借りても大丈夫? 電話しなくちゃいけないんだ」
「全然いいよ。はい、どうぞ!」
困っている人に「大丈夫?」と声をかけますが、この場合の「大丈夫」は、「(助けなどが)必要かどうか」を聞いています。
このような、必要かどうかを尋ねる「大丈夫?」は、英語で以下のように表現できます。
Do you need ~?「〜は必要ですか?」
「お手伝いしましょうか?」
=「大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。お願いします」
Would you like ~?「〜はいかがですか?」
「お水のおかわりは大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫です」
必要がないときは、英語では「No, thanks/No, thank you.」と言いますが、他にもこのような表現があります。
「ありがとう、でも大丈夫」
「私は大丈夫。ありがとう」
また、「Thanks for asking./Thanks, anyway.」のように、気にかけてくれたことに対してお礼を一言つけるとさらに感じがよくなりますよ。
「重そうですね。お手伝いしましょうか?」
「大丈夫ですよ。心配ありがとう」
「大丈夫だよ!」と相手を安心させるときは、英語でどう言うでしょうか?
単語よりも文で覚えたほうがわかりやすいと思いますので、文ごと覚えてしまいましょう。
It/Everything will be fine/alright/good.
It/Everything is going to be fine/alright/good.
「うまくいくよ=大丈夫だよ」
「everything」を使った場合は、「すべてがうまくいく」という意味です。
「will」と「be going to」はどちらを使っても問題ありませんが、be going to の方がややカジュアルで「(私は)大丈夫だと思う」という主観的なニュアンスが出ます。
「今日は大切なプレゼンがあったんだけど、完全に失敗しちゃったよ」
「心配しないで。大丈夫だよ。だれだって失敗するんだから」
You can do it.
You can make it.
「成功するよ=大丈夫だよ」
「You can do it.」や「You can make it.」は、「成功する」という意味のフレーズです。よりカジュアルな表現に、「nail it」というイディオムもあるので友人同士で使ってみてくださいね。
「今度はうまくいくよ。大丈夫」
「息子さん、今年受験なの? 彼ならやってくれるわよ!」
Thank you!「ありがとう!」や Sorry.「ごめん」と言われて、「大丈夫だよ」と返事することってよくありますよね。
この場合の「大丈夫」は「問題がない」という意味なので以下のような英語表現になります。
That’s ok.
No problem.
No worries.
Don’t worry (about it).
Never mind.
「大丈夫です」
シンプルに「OK」でも「大丈夫」ですが、バリエーションがあると会話の幅が広がりますよ。
また、「相手の状況が問題ないか(大丈夫か)」尋ねるときには、疑問文で次のように聞くことができます。
Is everything ok?
Is there something wrong?
「大丈夫?」
日本語では何気なく「大丈夫?」と聞いているような気がしますが、英語では、相手になにか問題がありそうだから聞く、というニュアンスが強く出ていますね。
Are you ok with this/that?
「それでいい?=大丈夫?」
前述の内容について、それで問題がないかを確認するときに使えるフレーズ。this/that を、待ち合わせ時間のように具体的な言葉に変えることもできます。
「午後1時で大丈夫?」
上司「お疲れさま。今夜一杯どう?」
部下「あ、大丈夫です…」
この文脈の「大丈夫です」はどんな意味だと思いますか? ニュアンスから察するに、部下は上司の誘いを断ったのでしょう。
なんとも日本人らしいですが、誘ってもらったときにハッキリ断りたくなくて、「大丈夫」と言ってしまうことってありますよね。
英語では「行けない」とダイレクトに伝えても失礼になりませんが、なるべく日本語の「大丈夫です」のニュアンスに近い、感謝をしつつやんわりと断るフレーズをご紹介します。
Unfortunately「残念ですが…」
「なあ、今夜仕事のあと飲みに行かないか?」
「行きたいのですが、残念なことに、今夜は予定があるんです」
I’d love to, but ~「すごく行きたい(したい)のですが…」
「チーズケーキ焼いたんだけど、食べる?」
「すごく食べたいんだけど、さっきお昼ごはんをたくさん食べちゃって」
I’m good.「大丈夫/遠慮しときます」
カジュアルに断るときは、このように言うことができます。仕事などフォーマルな場で使うと失礼になってしまいますので、注意しましょう。
「明日の夜いつもの場所に飲みに行くんだけど、お前も行く?」
「いや、やめておくよ。次の日早いんだ」
いかがでしたか?
日本語では「大丈夫」の一言が実にいろいろな意味をカバーしますが、英語ではそれぞれのシーンに応じて使い分ける必要があります。
日本語直訳にとらわれずに、本質的な意味を整理して、英語ではどのように表現するかを考えてみましょう。