Hiroe H
(更新)
英語で「例えば」ってなんて言うの?
このように聞かれたら、最初に頭に浮かぶ英語フレーズは何ですか?
大多数の人が for example と答えるのではないでしょうか。
実は英語には for example 以外にも、ニュアンス別に使い分けたい「例えば」の表現方法がたくさんあります。
ワンパターン化しないためにも、そしてそれぞれの「例えば」をしっかり使い分けるためにも、今回はさまざまな「例えば」の英語表現をご紹介します。
まずは基本の「例えば」を覚えましょう。for example と、もう一つは for instance です。
どちらも口語と文語で使え、意味も同じですから、置き換えて使うことも可能です。
あえて違いを言うなら for example より for instance の方が少し形式ばっています。
「ここでアジアの食品を買うことができます。例えば、味噌やキムチです」
「日本にはたくさんの美しいお寺があります。例えば、浅草寺や金閣寺です」
「例えば、もし10万円見つけたらどうする?」
「たくさんの女性がフルタイムで仕事をして、家族の世話もしている。例えば、アナを見てごらんよ」
上で述べましたが、for example も for instance も同じ意味ですので、置き換えて使っても問題ありません。
次に、例を挙げるときの「例えば」を見てみましょう。
「〜とか」「〜など」のように例を列挙するときに使える表現方法です。
like は「(例えば)〜のような」という意味で、カジュアルな言い方でネイティブもよく使います。
「(例えば)フロリダみたいな暖かい場所に引っ越したい」
「(例えば)東京や大阪のような日本の大都市を訪れたい」
such as も like に似ており、例を挙げるときによく使われます。
like ほどカジュアルではないので、ちゃんとした文章でも使えます。
「(例えば)運転免許証とパスポートのような、身分証明書を2つ持って来てください」
「(例えば)トヨタやホンダのような日本車は、とても信頼できるので北米で人気です」
to name a few は「いくつか例を挙げると」という意味で、こちらも例を列挙する際に使える表現です。
時々、such as や like を一緒に使ったりもします。(下記2例目参照)
「この辺りには素敵なビーチがたくさんあります。例を挙げると(例えば)、ヒューストンビーチ、キングスポートビーチ、そしてスコッツベイなどです」
「キャンプ、バーベキューパーティー、キャンプファイヤーなど少し例を挙げるだけでも(例えば)、この辺りでできる楽しい夏の遊びがたくさんあります」
to give an example は「例を挙げると」という意味で、to give you an example という形で見かけることが多いかもしれません。
「(例えば)彼女の親切さの例を挙げると、彼女は毎日私のお見舞いに来てくれた」
to give you an example とよく似た表現で、Let me give you an example という言い方もあります。
これは「あなたに一例を示しましょう」という意味で、言い方によってはちょっと上から目線になる可能性もありますので、使う相手に気を付けてください。
「例えば彼の傲慢さを示すと、彼は自信過剰で人の意見を絶対に聞きません」
次に、仮の話をするときの「例えば」の英語表現を見てみましょう。
日本語では「仮に〜として」「〜と仮定する」のような意味でも「例えば」と言ったりしますね。
Let’s say は「例えば〜として」「仮に〜として」という意味で使います。
Let’s を省略して Say だけでも大丈夫です。
「例えば、それらが全て彼女の作り話だったら」
「例えばあなたが試験に合格しなかったら、どうするの?」
Let’s suppose は「〜と仮定しましょう」という意味です。
こちらも Let’s を省略して Suppose だけで使用可能。
「例えばあなたのお母さんがここにいるとしましょう」
「例えば彼のアリバイが本当だとしましょう」
What if…? は「例えば〜ならどうする?」「もし〜ならどうする?」という意味。
What will (would) happen if …? の略です。
「もし(例えば)彼がノーと言ったらどうする?」
「もし(例えば)私が50歳でまだ独身だったらどうする?」
How about…? は「例えば〜はどう?」という意味です。
相手の好みを聞いたりするときに使えるカジュアルなフレーズです。
「近いうちに一緒に晩御飯食べに行かない?」
「(例えば)来週の金曜はどう?」
「ジェイクはどっちのネクタイを着けると思う?」
「(例えば)これなんかどう?」
最後に、書き言葉の「例えば」を見てみましょう。
「例えば」と書くとき、もちろん for example とそのまま書いても問題ありませんが、ネイティブはよく省略して書いたりもするので、こちらも一緒に覚えておくと良いでしょう。
こちらはカジュアルなシチュエーションはもちろん、プレゼンや論文などでも使えます。
ネイティブがよく使う for example の略語 は e.g. です。
これはラテン語の exempli gratia の略で、意味は「例えば」「例を挙げると」になります。
読み方は「イージー」、または for example と読んでも良いです。
「ビタミンD3を多く含む食べ物をもっと食べたほうが良い。例を挙げると(例えば)、脂肪の多い魚や、卵黄、チーズなどです」
「インフルエンザは通常秋と冬に発生します。例を挙げると(例えば)、11月から3月です」
ex. は example の略語で「例えば」という意味です。
ただ ex. は exception や exercise などの ex で始まる多くの単語の略語と混同されやすいので ex. より e.g. を使ったほうが無難でしょう。
「マンションに住むのは良いが、不都合な点もある。例えば、自分だけの庭がないなど」
「英語と同じフランス語の言葉がいくつかある。例えば、menu や petite です」
i.e. はラテン語の id est の略。
前に述べたことをもう少し詳しく言うときに使われる表現で、that is「すなわち・言い換えれば」という意味です。
i.e. には「例えば」の意味はありませんが、ぱっと見「例えば」と訳せそうなので、この i.e. を e.g. と同じ意味だと思って使っている方が意外にたくさんいます。注意しましょう。
「この映画は子供に向いていない。すなわち、17歳以下の子供です」
「そのレストランは閑散期に休業する。すなわち、1月から3月の間です」
「例えば」を意味する英語表現、いかがでしたか?
日本語では同じ「例えば」でも、英語だとざっと挙げただけでも、10通りの言い方(口語表現)がありました。
そして、その10通りの中にも、基本の「例えば」、例を挙げるときの「例えば」、仮の話をするときの「例えば」とあり、使い分ける必要がありました。
英語上達のカギは、学んだことを実際の会話でどんどん使ってみることです! 間違っても良いので、何度も繰り返し使って覚えていきましょう。