Hiroe H
(更新)
日本語には「とりあえず」という便利な言い回しがありますが、英語ではどのように表現するのか疑問に思ったことはありませんか?
もちろん英語にも「とりあえず」という言い方はあり、シチュエーションによっていろいろな言い方ができます。
本記事では、シーン別の使い方、ネイティブのように使い分ける方法などにも触れながら、「とりあえず」の英語表現15選をご紹介します!
「とりあえず」の英語表現を紹介する前に、読者の皆さんは「とりあえず」の日本語の意味をご存知ですか?
「とりあえず」の語源は、「取る物も取り敢えず」という慣用句からきています。
これは「取るべきものも取ることができない」という意味で、要するに必要な物も持たないくらい大急ぎで・大慌てで、という意味になります。
私たちが日頃から使っている「とりあえず」には、大きく分けて3つの意味があります。
この中でも、「さしあたり・今のところ」という意味で使われる「とりあえず」は、3つの意味の中でも日常的によく使われていますね。
それぞれ英語でどう表現するのか、順に紹介していきます。
それでは、一番よく使われている「さしあたり、今のところ」を意味する「とりあえず」の英語表現から見ていきましょう。
for now は「今のところ・さしあたり」という意味で、ネイティブもよく使うカジュアルな言い方です。
「とりあえず(さしあたり)窓を開けておくね」
「他に何かご注文はございますか?」
「とりあえずは(今のところは)それだけです」
for the time being は「当分の間・当面は」という意味です。for now よりは少しフォーマルですが、こちらもよく使われる言い方です。
「あなたは自分の部屋を持てるけど、とりあえずは(当面は)ホストブラザーと部屋をシェアしなければいけない」
「妹はとりあえず(当分の間)ハワイの祖母と一緒に暮らしている」
for the moment も「さしあたり・今のところ」という意味ですが、for now や for the time being よりもフォーマルなシーンで使われることが多いです。
ビジネスシーンや目上の人に対して使うなら、こちらを使うと良いでしょう。
「とりあえずは(今のところ)売り手市場だから、うまく利用したほうがいいよ」
「コーヒーはいかがですか?」
「とりあえずは(今のところは)結構です」
at the present は「現在・今は・目下」という意味に訳せます。for the moment に似た表現方法です。
「とりあえず(今は)、寮に住んでいます」
「とりあえず(現在)東京に滞在していますが、旅の残りは関西エリアを旅行しているでしょう」
start off with は「〜から始める」という意味です。この後も何かが続くニュアンスがあります。
よくレストランなどで注文する際に使われますが、この注文をした後にもまだ何か別のものを注文する場合、とりあえず何かを最初に注文する際に使われます。
「とりあえず、白ワインをグラスで」
※ワインを注文した後にも食事か何かを注文するつもりである。
「とりあえずストレッチから始めましょう」
※ストレッチをした後も他の運動をするつもりである。
anyway は「とにかく・ともあれ・いずれにしても」という意味で、こちらもネイティブがよく使う言い方です。文頭に置いたり、文末に置いたりできます。
「彼女はそのシャツが妹に合うかわからなかったが、とりあえず(ともあれ)購入した」
「とりあえず(いずれにしても)そのことは今夜話そう」
as far as things go right now は「今のところは・現状は」という意味に訳せます。
「とりあえず(今のところ)彼は来週金曜の会議に参加する予定です」
「とりあえず(今のところ)来週末は街にいない予定です」
次に「ほかのことはさしおいて、まず第一に」の意味を持つ「とりあえず」の英語表現を見ていきましょう。
first of all には「まず第一に・まずは」という意味があります。これはビジネスシーンやプレゼンなどで使われることが多いですね。
「とりあえず(まず第一に)あなたの上司と話をしなければいけません」
「とりあえず(まずは)何が間違っていたかを考えましょう」
この first は形容詞ではなく、副詞で「まず第一に・最初に・先に」という意味です。
「とりあえず(先に)母に電話をかけさせて」
「とりあえず(まず)シャワーを浴びたい」
firstly も first と同じ副詞で「まず第一に・最初に」という意味です。ちょっとフォーマルな言い方で、どちらかというと文章で見かけることが多いです。
「とりあえず(まず)お互いをもっとよく知る必要がある」
「とりあえず(最初に)彼の信用を得ないと」
first off も「第一に・すぐに・まず」という意味です。文語より口語で使われることの方が多いです。
「とりあえず(まず)それがいくらするか調べよう」
「とりあえず(まず)7章を読ませて。それからそれについて話そう」
それでは最後に、「何する間もなく、すぐに」の意味の「とりあえず」の英語表現を見ていきましょう。
immediately は「直ちに・すぐさま」という意味です。
「とりあえず(すぐさま)家に帰ってきて」
「彼はとりあえず(直ちに)息子にお金を振り込んだ」
right away は immediately の類義語で「すぐに・直ちに」という意味です。
「とりあえず(直ちに)彼女に電話します」
「とりあえず(すぐに)あなたに会いたいです」
at once も immediately/right away と同じで「すぐに・直ちに」という意味です。
「とりあえず(すぐに)来てもらえますか?」
「とりあえず(今すぐ)猫を中に入れてあげて。外は土砂降りよ」
without delay は直訳すると「遅れることなく」となり「すぐさま・速やかに」という意味です。
「とりあえず(すぐさま)上司に報告しなさい」
「とりあえず(速やかに)彼女にこの情報を送ってください」
ネイティブが使う「とりあえず」の英語表現15選、いかがでしたか?
日常的に何気なく使っている「とりあえず」には3つの意味があり、日本語だとどれも「とりあえず」で通じてしまいますが、英語だとさまざまな表現方法があることがわかりましたね。
英語の「とりあえず」は、シチュエーションによって使い分ける必要があるので、ニュアンスの違いをよく理解し、正しく使い分けられるようになりましょう。
実際の会話の中でどんどん使うことが、上達への近道ですよ!