SHIORI
(更新)
辛い食べ物は、季節を問わずに味わえ、万国共通でたくさんの人に愛されています。
もちろん、辛いものが苦手という人もいると思いますが、味にインパクトを与えてくれる「辛さ」は、ある一定の料理には欠かせないものでもあります。
英語で「辛い」は、主に2つの単語「hot」と「spicy」を使って表されますが、この2つの単語の違いはいったい何なのでしょう? 意外と知らないという人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、「hot」と「spicy」の違いについて説明していきたいと思います。
そもそも食品の「味」は、アミノ酸や有機酸、糖類、核酸などの水溶性の化学物質がもたらすものです。
そして私たちが舌で感じることのできる味の種類は、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5つで、一般的に基本五味と呼ばれています。
実は辛味や渋味はこの基本五味に含まれていないのです。みなさんご存知でしたか?
それではどうやって私たちは「辛味」や「渋味」を感じることができるのでしょう?
調べたところによると、辛味や渋味は化学物質がもたらす基本五味と違い、「複合的な感覚」と表現されるのだそうです。
というのも、味覚の苦味と、舌に吸着するような感覚(触覚)が合わさって起こると私たちは「渋味」を感じ、ピリピリ痛い刺激の痛覚と、体温の上昇を伴う温覚が合わさったときに「辛味」を感じるのだそうです。面白いですよね!
さて、「辛味」の正体が分かったうえで、今度は「hot」と「spicy」の違いを見ていきましょう!
普段私たちが使う hot には、「(温度が)熱い」や「(人が)美しく魅力的」などという意味があります。
しかし、それに加えて「辛い(からい)」という表現をするときにも hot が使われることがあります。
「辛い」を表現する hot は、舌がヒリヒリ、ピリピリして体温が上昇するのを感じる際に使います。
つまり、舌で感じる刺激と体温や料理の温度などが混ざり合って感じる感覚のことを hot と表すというわけです。
ちなみに、唐辛子はこの感覚をもたらす食品の一つで、唐辛子がふんだんに使われた料理やソースなどは、spicy を使わずに hot を使って表されます。
また、他の辛味のあるソースもすべて hot sauce と表現し、spicy sauce とは言いません。レストランなどで間違えて言わないように注意しましょう。
辛いものを食べると舌がヒリヒリして唾液がたくさん出るうえに、汗もたくさんかいて体温の上昇を感じますよね? この身体の内側がメラメラと燃え上がる感覚を表すのに「hot」が使われるんですね!
さて、二つ目の「辛い」を表す単語は spicy です。
ネイティブの人は spicy と hot の違いを深く考えずに、言葉を交互に使うことが多く、唐辛子からくる辛さに対し spicy と表現する人も結構います。
でも実は spicy は、文字を見ても想像できそうですが、スパイスがふんだんに使われた料理に対して使うのが正解なんです。
スパイスが効きすぎていて感じる舌の刺激で辛味を認識した場合、hot よりも spicy と表現するのが好ましいです。
香辛料や薬味がとても良く効いていて、舌がピリピリと刺激をたくさん受けるときに感じる辛味を表します。
そのため、spicy は料理の温度や体温が必ずしも関係しているというわけではありません。
レストランなどでの辛さ表示では、以下のように表されていることが多いです。
一般的には、no spice、mild、medium、hot/spicy の4種類から選べることが多いです。大辛より上は、メキシコ料理など、一般的に辛い食べ物が多いお店などで見かけることがあります。
いかがだったでしょうか?
「辛い」を表す英単語は主に2つあり、それぞれ少しニュアンスが違ってくることが、この記事を読んでわかっていただけたのではないでしょうか?
しかし私の住んでいるアメリカでは、辛さのレベルや辛いソースを表現する際に hot を使う以外に、「〜が辛い」と言う表現で hot はあまり使わないという人も結構いるような印象を受けました。
私たちが主に感じる「辛味」は、香辛料や薬味などで口の中に刺激がある場合に感じるもの。
そしてその感覚で感じる辛味はすべて spicy と表現すれば良いと、この記事を書くにあたって、何人かのアメリカ人に聞き込みをした際に教えてもらいました。
たとえそうでも、hot と spicy の違いを知っているに越したことはありません。この2つの単語をうまく使い分け、英語力向上に役立ててみてください!