Yoko
(更新)
“whom” という単語、英語の授業で習ったのを覚えていますか?
これは【関係代名詞】の一つなのですが、関係代名詞と聞いただけで頭が痛くなってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、関係代名詞の “whom” とは一体何なのかを、分かりやすく解説します!
まずは、関係代名詞とは何なのかをさらっとおさらいしてみましょう!
関係代名詞のとっても詳しい説明は以下の記事でご覧いただけますが、関係代名詞とは、簡単に言ってしまうと<説明を加えるために使われるもの>です。
【参考】
例えば「傘を持っている女性」を英語で表すとしましょう。
日本語であれば、どんな女性かを説明するには「女性」の前に「傘を持っている」という説明を加えますが、英語ではこれを前に加えることはできません。そこで “the woman” の後ろに説明を足していく、という作業が必要になり、以下のように関係代名詞が登場します。
「傘を持っている女性」
この場合は “who” という関係代名詞を使っていますが、説明したい名詞(=先行詞と呼ばれます。この例文では “the woman”)がその文章の中でどんな役割をしているかによって “who、which、whose、whom、that” と姿を変えます。
今回紹介する “whom” は、先行詞が【人】であり、かつ後ろに足される説明文(=関係詞節と呼ばれます)の目的語となっている場合に使われる関係代名詞です。そのことから、“whom” は「目的格の関係代名詞」とも呼ばれます。
これだけでは何のことか分かりにくいと思うので、例文を見てみましょう。
先行詞が【人】であり、かつ後ろに足される説明文(=関係詞節)の目的語となっている場合に使われるのが “whom” と紹介しましたが、こんな例文があります。
「私が道で見た女性は赤い傘を持っていました」
通常、見るという動作には何を見るのか目的語が必要になります。例えば「私は時計を見た」「私はクマを見た」「私は芸能人を見た」と、何でもいいのですがどれも目的語(時計、クマ、芸能人)がありますよね。
もう一度上の例文に戻りましょう。
この文章の骨格は「その女性は赤い傘を持っていました」です。そして「その女性(=先行詞)」がどんな女性なのかという説明が加わっていますが、説明文(=関係詞節)の中の「見た(saw)」の目的語が「その女性」になっていますよね。ですので、“whom” が使われるのです。
これが “whom” を使うルール、先行詞が【人】であり、かつ後ろに足される説明文(=関係詞節)の目的語となっているということです。
もう一つ例を挙げてみましょう。
「パーティーで出会った男性はハワイに住んでいる」
この文章の骨格は「その男性はハワイに住んでいる」です。そして「その男性」がどんな男性なのかが関係代名詞を使って説明されていますが、説明文の中の「出会った(met)」の目的語が「その男性」になっています。ですので、この場合も “whom” が使われているのです。
ここまで読んでいて「でも、“whom” って普段あまり耳にしないな」と思ったかもしれません。
確かにその通りなんです。それには理由が2つあります。その理由とは、
です。なので、あまり耳にしないのも当然なんです。
口語では関係代名詞を省略することが多いですが、残す場合には “whom” は堅い文章体の表現で口語には向かないので、 “who” で代用することが多いです。
それでも、絶対に省略できない場合というのがあります。普段あまり見かけないだけに、たまに出てくると、急にわけが分からなくなるのも “whom” の特徴かもしれませんね。
そこで、“whom” を省略できる場合とできない場合の違いを見てみましょう。
先ほど出てきた “whom” を使った2つの例文は、こうでしたね。
「私が道で見た女性は赤い傘を持っていました」
「パーティーで出会った男性はハワイに住んでいる」
この2つの “whom” は “who” で代用したり、完全に省略することが可能です。
また、以下のような場合も “who” での代用、完全に省略が可能です。
「彼女が私が傘をあげた女性です」
この文章は “She is the woman” が骨格になっていて、どのような “woman” かというと “I gave my umbrella to the woman” です。
文末に “to” だけが取り残されているように見えますが、“to the woman” の “the woman” が先行詞(=関係詞節の目的語)になっているので、これが正しい形となります。
ということですね。
このような、前置詞を後ろに残した形の “whom (もしくは who)” は省略が可能ですが、前置詞は省略できません。つまり、以下の文章も正しくなり、この “whom (もしくは who)” を省略した形態が口語では最もよく使われます。
まずは、“whom(もしくは who)” が省略できると紹介した、前置詞を後ろに残した形の文章をもう一度見てみましょう。
この文章はまったく意味を変えずに、以下のように言うこともできるんです。
文末にあった前置詞の “to” が “whom” の前に出て “to whom” という形になりました。これはとてもフォーマルな堅い表現になります。
そして、この形になった場合には “whom” の代わりに “who” を使うことはできず、必ず “whom” が使われます。
そして、この【前置詞+whom】こそが、省略できない “whom” なのです。
省略できない【前置詞+whom】のパターンを、例文を使ってもう少し詳しく見ていきましょう。
※whom/who は省略可
※whomは省略不可
※whom/who は省略可
※whomは省略不可
※whom/who は省略可
※whomは省略不可
※whom/who は省略可
※whomは省略不可
繰り返しになりますが、口語では上段の(whom/who)を省略した形が最もよく使われ、下段の【前置詞+whom】はほとんど使われない、とてもフォーマルな文章体の表現です。
関係代名詞 “whom” の基本的な使い方、そして【前置詞+whom】の意味は分かりましたか?
最後に、重要なポイントをまとめておきますので、もう一度復習してみてくださいね。
【関係代名詞を使いこなせ!】