「もしも~」という仮定の表現をしたいとき、英語ではどんな表現を作ればよいでしょうか。真っ先に思い浮かぶのは、きっと「if を使う」ということでしょう。
しかし、他にも when(いつ、~するとき)を使って表現することも可能です。あるいは case(ケース、場合)を使って「~の場合は」という言い表し方もできますよ。
今回は、英語で「もしも~」を表す表現について見ていきましょう!
「もしも~」の英語表現
例えば、下の4つはどれも「もしも、フライトがキャンセルになったらどうすればいいだろうか?」という意味の文章です。if だけでなく when や in case を使うなど、「もしも~」を表すにはいろいろな言い方があることがわかりますね。
- What should I do if my flight is cancelled?
- What should I do when my flight is cancelled?
- What should I do in case my flight is cancelled?
- What should I do in the case my flight is cancelled?
どの表現も言いたいことは同じですが、どのくらいの可能性を想定しながら言っているかという点にニュアンスの違いが生じています。
それぞれの表現の違いを順番に見ていきましょう。
if(もし~ならば)
英語で仮定の状況を表すのに最も一般的な表現が if を使った文章です。if は「もしも〜ならば」を表すのに使う単語ですね。if の後ろに条件を表す文章を続けるだけで仮定文を作れます。
If the weather is good tomorrow, let's go hiking.「もし明日天気が良ければハイキングに行こう」
If you like, please take my seat.「もしよければ、私の席にお座りください」
If all goes well, we should arrive at our destination by sundown.「もし全て順調にいけば、日没までには目的地に到着するだろう」
If you need my help, please don't hesitate to call me at any time.「もし私の助けが必要なら、いつでも遠慮なく電話してください」
日本語で「もし~だったら」と過去形を使うと、非現実的なことや現在の状況に反することを仮定する表現になりますね。英語でも過去形を使うことで同じ表現を作れます。
If I had a car, I would drive to the coast every weekend to watch the sunset.「もし車があったら、毎週末、夕日を見るために海岸までドライブしていただろう」
be動詞を使えば「もし〇〇が~だったら」という表現を作れますが、主語が I / he / she のとき was ではなく were が使われることが多いです。通常の文型では見られない組み合わせですが、仮定文では間違いではありません。
If I were you, I'd take the opportunity to travel while you have the chance.「もし私が君だったら、チャンスがあるうちに旅に出るよ」
If she were here, she would have brightened the room with her laughter.「もし彼女がここにいたら、笑い声で部屋を明るくしたことだろう」
when(もし~のときは)
When といえば「いつ、~するとき」を表す単語ですが、「もしもの『とき』」を表すのに使うこともできます。日本語でも「~のときは」と仮定して言いますよね。When は起こると予想される仮定の状況を表現するのに使われます。
Let’s have lunch when we meet next time.「次に会うときはランチしましょう」
Please give him my regards when you see him next time.「次に彼に会うときは、よろしく伝えてください」
I will give a speech when our next team meeting takes place.「次回チームミーティングがあるときは、私がスピーチしますね」
in case(~した場合)
case は「ケース、場合、例」などと訳される単語です。in case+文章 で文字通り「~した場合」という意味になります。仮定する状況が起きるかわからないけれど「もしも起きた場合に備えて」「万が一」といったニュアンスがあります。
Bring an umbrella in case it rains.「雨が降る場合に備えて傘を持ってきてください」
Save your work frequently in case the computer crashes.「コンピューターがダウンした場合に備えて、頻繁に作業を保存してください」
in case of(~の場合)
前置詞 of と組み合わせて in case of の形にすると、後ろに名詞を続けるだけで表現できます。これは予防措置や準備の文脈でよく使われます。何かが起こる可能性があるときに、その事態に備えて何をすべきかを指示します。
In case of rain, bring an umbrella.「雨が降った場合に備えて傘を持ってきなさい」
I will send you the seat number in case of my late arrival.「私の到着が遅れる場合に備えて座席番号を伝えておくね」
in the case of(~の場合)
上で挙げた in case of のほかに、in the case of という表現もあります。the があるとないとでは何が変わるのでしょうか?
特定の物ごとに言及するのに使う定冠詞 the を入れることによって、仮定する内容の具体性が高まります。仮定する状況を具体的に想定しながら話すときに使うのが in the case of~です。可能性を念頭に置いている状態で使うので、「万が一」といったニュアンスはなくなります。
In the case of heavy rain, the event will be postponed.「大雨の場合、イベントは延期されます」
In the case of emergency, please call this number.「緊急の場合、この番号にお電話ください」
In the case of disagreement, we will need to seek a mediator.「意見の不一致の場合、仲介者を求める必要があります」
要するに、in case of は予防や準備を意味し、in the case of は特定のケースや事例について話しているという違いがあります。
「もしも」を表す英語表現を使いこなそう
今回は、「もしも~」を表す英語表現を見てきました。
上でご紹介した if , when , in (the) case (of) といった言葉を交えれば、「仮定」を表す文章であることは間違いなく伝わります。しかし詳しく見てみると、ニュアンスの違いがありましたね。
起きる可能性をどのくらい想定しているかが使い分けのポイントです。使い分けしなくても意味は通じますが、違和感は生じます。
例えば、「もし出かけるなら~」と軽く訊くのと、「もし出かけることがあるならば~」では想定している度合いの違いを感じますよね。