SHIORI
(更新)
みなさんは「in the long run」と「in the short run」という英語表現の意味をご存知でしょうか?
これらはビジネスや日常会話など、さまざまな場面で使うことのできる英語イディオムで、知っておくととても便利です。
今回は、「in the long run」と「in the short run」の意味と使い方を、例文をたくさん交えて紹介していきたいと思います。
「in the long run」と「in the short run」は英語ネイティブもよく使うイディオムです。
long run「長距離走」や short run「短距離走」という単語が含まれていることから、意味の想像はしやすいと思いますが、これらの単語は距離の長さをや時間の長さを表すことができます。
よって、in the long run と in the short run という英語表現には、それぞれ次のような意味があります。
さて、意味がわかったところで、今度は例文を見て使い方を学びましょう。
まずは「長い目で見て/長期的には/結局は」という意味の英語表現「in the long run」の例文です。
「このシルクのマスクはすごく高いけど、長い目で見ると再利用できるから結局(使い捨てより)安くすむよね」
「長い目で見るとそれは有益(助け)になることだろう」
「家を買うにはかなりの金額がかかるけど、長い目で見ると大幅な節約につながる」
※ cost a pretty penny =「かなりの費用・金額がかかる」
次に「近い未来には/短期的には/目先だけのことを考えると/差し当たりは」という意味の英語表現「in the short run」の例文です。
「差し当たりでは(短期間では)何も変わらないだろう」
「これらの変更は目先のことだけを見れば利益を上げるかもしれないが、長い目で見れば逆にお金がかかる」
「これは今(近い将来)は節約できるかもしれないが、結局(最終的に)はお金がかかってしまうだろう」
ここでは in the long run/in the short run の代わりに使える英語表現をいくつか紹介していきます。
紹介する英語表現はどれも同じような意味を持っていますが、いつもまったく同じように使えるというわけではなく、ほとんどが次のような表現をしたいときに使われます。
このように使える幅が狭いので、使い方には注意しましょう。
「eventually」という英語表現には、「やがては・最終的に・そのうち」という意味があり、in the long run の代わりに使うことができます。
しかし、in the long run のように「長期にわたって」という期間を表すことはできず、結果だけを強調したようなニュアンスがあります。
「最終的にあなたは昇進するだろう」
「やがてはお金がかかるだろう」
「in the end」という英語表現には「最終的には」という意味がありますが、こちらも結果だけを強調したようなニュアンスがあり、期間を表すニュアンスはありません。
「最終的に私たちはゴールを達成した」
「最終的にたくさんの友達が出来るだろう」
「ultimately」という英語表現には「突き詰めていくと・結局・最終的に・ついに・究極的に」という意味があり、最終的に起こるであろうことに使われます。
eventually や in the end と同じようなニュアンスで使うことができます。
「地球温暖化は最終的に世界の終わりの原因になるだろう」
「すべてのものにガソリンを使うため、最終的にガソリンは無くなってしまうだろう」
「over time」という英語表現には「やがて・時間とともに・時間が経つにつれ」という意味があります。
結果だけでなく、その過程である期間をも表すニュアンスを持ちます。
「時が経つにつれ(長い目で見ると)消費税はもっと上がるだろう」
「1日おきにバーに行って何百ドルも使っていたら後々全部の貯金なくなるよ」
直訳すると「1日の終わりに」という意味になりますが、実際に1日の終わりを表すわけではありません。
「at the end of the day」という英語表現には「最終的には・結局は・詰まるところは」という意味があり、ネイティブがよく使う eventually、in the end、ultimately に代わる英語表現です。
「決めるのにかなり時間がかかったが、最終的に私たちは良い選択をした」
「今はすごくお金がかかるけど、最終的にはいくらかの節約にはなるよ」
「the short term」という英語表現には、「短期間」という意味があり、そこに in「〜の中で」がつくことにより、文字通り「短期間の中で=短期間で」という意味で、in the short run とまったく同じように使うことができます。
「これは近いうちには(短期間で)問題を改善できるだろうが、時間が経つにつれてもっと(問題が)ひどくなるだろう」
「近い将来(短期で)株を買うつもりなら、高く売るように心がけなよ」
「in a short period of time」も、in the short run や in the short term に代わって使うことができ、「短期間で」という同じ意味を持った英語表現です。
「工事は短期間で(もうすぐ)終わるはずです」
「もし今ビットコインを買ったら、短期間で10%増しになりうるよ」
「presently」という英語表現には「現在・ただ今・やがて・まもなく」という意味があるため、状況により、同じような意味を持つ in the short run の代わりに使うことができます。
ただ、やはり「今現在」を表すニュアンスが強いため、in the short run のように期間を表すニュアンスには少し欠けます。
「これは今は節約できるかもしれないが、結局(最終的に)はお金がかかってしまうだろう」
「これは今は問題を解決するかもしれないが、そう長くは続かないだろう」
「temporarily」という英語表現には「一時的に・臨時に」という意味があります。
短いある一定の期間を表すことから、in the short run にとても近い英語表現になります。
「売上は一時的に上がるかもしれないが、利益は変わらないだろう」
「高い需要により一時的にトイレットペーパーが買えなくなるかもしれない」
いかがでしたか?
in the long run と in the short run には、それぞれ「長期的には」「短期的には」という意味があることが分かったと思います。
しかし、同じ意味やニュアンスを表す表現はほかにもたくさんあります! 1つの英語表現に執着する必要はありません。
毎回同じ表現を使うのではなく、さまざまな英語表現を使って表現力に磨きをかけていきましょう!