K. Inoue
(更新)
英語の初歩である「be動詞」の使い方から、すでにつまずいてしまったという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
たとえば代表格の「is」。
「これが be動詞だとわかっていても、日本語と照らし合わせると意味がわからない…」
「is の意味は『~です』だと習ったはずなのに、全然その意味にならないことだらけ…」
今回は、そんな is (be動詞)の使い方に自信がない人や、be動詞と一般動詞の違いがよくわからない人のために、be動詞を初歩から解説します。
最後には、be動詞を使ったいろいろな表現もご紹介しますので、この記事が be動詞の克服と、一歩先へ進むためのお手伝いになれば嬉しいです。
「be動詞」にはいくつかの形があり、そのうちの一つが「is」です。
少し詳しく言うと、is は be動詞の中で、主語の人称・数・時制が三人称・単数・現在のときに使われる形です。
人称というのは、動作の主体が誰なのかを表すもので、たとえば「私(たち)」が主体なら一人称、「あなた(たち)」が主体なら二人称と呼びます。
三人称は「私(たち)とあなた(たち)以外の第三者(たち)(人・モノ・コト)」のこと。たとえば「彼(ら)」とか「彼女(たち)」、「それ(ら)」のように、私もあなたも含まれない第三者のことです。
単数は「一人(または一つ)」のこと、そして現在はその名の通り時制が現在であることを指します。
例文を見てみましょう。
「彼はパイロットです」
そもそも動詞とは何でしょうか?
「動」という文字からも分かるように、「走る」や「投げる」などの動きを感じさせる動作を表すものが動詞です。
しかしそうした動作以外にも、「愛している」とか「知っている」のように、必ずしも動きを感じさせない、目に見えない心や頭の中の状態なども全て動詞に含まれます。
人や物事の動作や状態を表すもの、それが動詞です。
英語では、動詞を大きく「be動詞」と「一般動詞」の二種類に区別して扱います。
be動詞の形はとても少なく、現在形として is/am/are、過去形として was/were があります。
さらに過去分詞と呼ばれる been、現在分詞と呼ばれる being もありますが、それで全てです。
つまり原形の be を含めても、be動詞にはたった8つの形しかありません。
そしてこれら be動詞以外の全ての動詞を、「一般動詞」と呼びます。
一般動詞は先ほどの「走る」や「愛する」などをはじめ、無数に存在します。
ですから、be動詞と一般動詞の区別においては、一般動詞一つ一つの意味を見ていくよりも、数少ない be動詞の意味を知ることの方が手っ取り早く、また大切でもある、ということになります。
ということで、以下で be動詞の意味を確認していきましょう。
is は「存在する」という意味を表すことができます。
「存在する」というとなんだか難しく聞こえるかもしれませんが、分かりやすく言えば、「ある」という意味、つまり「人やモノの所在」を表します。
「スティーブは図書館にいます」
「君の本ならここにあるよ」
「角を曲がったところにコンビニがあります」
is を使って「同じ」という意味を表すこともできます。
「彼女は英語教師です」
「タクヤは(=)二十歳です」
「オリビアは(=)体調不良で寝ています」
「今日は晴れですね」
「今9時ちょうどです」
is 以外の be動詞に「am」と「are」があります。
am は一人称・単数・現在形です。
つまり、主語が I「私」一人で現在時制の場合にのみ使われるということ。
「私はダンサーです」
「私はお腹が減っています」
「君はとても特別なんだよ」
「僕たちは日本人です」
「彼らはコメディアンです」
「あの国では人々は疲れてしまっています」
過去を表す be動詞に「was」と「were」があります。
現在形 am と is の代わりに was、are の代わりに were を使うと覚えておきましょう。
「彼は偉大なピアニストでした」
「メグとジェニーはキッチンにいたよ」
※ Meg と Jenny はそれぞれ個人ですが、ここでは二人合わせて一つの主語として扱うため複数になります。
「過去分詞」と呼ばれる形もあり、それが「been」です。
これは主に完了形と呼ばれる文法で使われ、have been という形で次のような意味を表すことができます。
「私はロンドンに二度行ったことがあります」
「彼女は15年前から看護師をしています」
be動詞は、主語とセットで短縮して使うことができます。
このように、主語の右上にアポストロフィー(’)をつけて、セットになる be動詞の1文字目を取り除いて隣にくっつけます。
日常的な会話ではこうした短縮形が使われることが多く、逆に短縮せずに be動詞をハッキリと言うと、意味を強調したいニュアンスになることが多くあります。
be動詞を使う表現を用いて、いろいろな意味を表すことができ、それらを覚えておくだけでも、英語表現のバリュエーションがグッと広がります。
<be+~ing>で「~しているところ」という動作の最中を表すことができます。
「彼女は今図書館で勉強しているところです」
「私はそのときシャワーを浴びていました」
<be going to ~(動詞の原形)>で「~するつもり・予定」という未来の意味を表すことができます。
「私は来週仕事でパリを訪れる予定です」
「私たちは日曜日に試験を受けに行きます」
<be+過去分詞>で「~される」という受け身の意味を表すことができます。
「英語は世界中で話されています」
「東京スカイツリーは2012年に建てられました」
いかがだったでしょうか。
is は be動詞の代表的なものですが、am/are/was/were との使い分けを間違えないように気をつけることが大切です。
そしてどの場合でも「存在」、「同じ」という意味を抱えていることを忘れずに取り組んでください。
ときに be動詞は「~です」という和訳とともに教えられることがあります。でもそれは絶対ではありません。
和訳ありきではなく、「ある」や「イコール」というイメージを持ちながら向き合ってみてください。
それができれば、一般動詞との区別もばっちりできるようになります。
なぜなら一般動詞は be動詞が表す意味以外を表すものだからです。
その上で、進行形や受け身などの多様な表現も覚えて身に付けていけば、is どころか be動詞マスターになれます。
小さな be動詞から大きな英語の世界へ、ぜひ一歩進めてください。