Mizuho
(更新)
2021年12月のクリスマスイブ、ついに待ちに待った映画が公開されます。
その映画とは...「劇場版 呪術廻戦 0」!
漫画が発表されるやいなや、大人気を博した漫画「呪術廻戦」の劇場版です。
辛酸・後悔・恥辱
人間が生む負の感情は呪いと化し日常に潜む
呪いは世に蔓延る禍源であり、最悪の場合、人間を死へと導くそして、呪いは呪いでしか祓えない
驚異的な身体能力を持つ、少年・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)はごく普通の高校生活を送っていたが、ある日“呪い”に襲われた学友を救うため、特級呪物“両面宿儺(りょうめんすくな)の指”を喰らい、己の魂に呪いを宿してしまう
呪いである“両面宿儺”と肉体を共有することとなった虎杖は、最強の呪術師である五条 悟の案内で、対呪い専門機関である「東京都立呪術高等専門学校」へと編入することになり……
呪いを祓うべく呪いを宿した少年の後戻りのできない、壮絶な物語が廻りだす―
アニメ「呪術廻戦」公式サイトより
「呪術廻戦」は海外でも話題で、ストーリーのなかで登場する名セリフは外国の人の心にも響くよう。
そこで今回は映画化を記念して、「呪術廻戦」の名セリフの英語版をご紹介します!
※ 本編のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
「自分が死ぬときのことは分からんけど、生き様で後悔したくない」
呪術高専への入学にあたって、学長との面談で「入学理由」を問われたときの悠仁の一言。確固たる覚悟をうかがえるセリフです。
the way I lived は目的語の役割を持つ名詞節になっています。
「できるかじゃねぇ やるんだよ!」
悠仁のなかにいる「呪いの王」両面宿儺(りょうめんすくな)と戦うことになってしまった、呪術高専の仲間である伏黒恵。レベルが格段に違う相手に挑もうと、闘志を燃やしたときのセリフです。
ここで登場する whether I can do it or not は節になっており、「名詞相当語句」という名詞の役割をします。matter of 名詞で「『名詞』の問題」という意味です。
「その人に揺るがない人間性があればそれ以上は何も求めません」
先輩からどんな女性がタイプかと聞かれた伏黒のセリフ。カッコいいですね!
この as far as は「〜する限り」とか「〜する範囲では」という意味で使われます。as long as とは異なるので注意しましょう。
「俺が殺した命のなかに涙はあったんだなって…」
敵を倒したあとの悠仁の言葉。「倒した」はずなのに、その敵を想う人がいることを目の当たりにして、「殺してしまった」と意識したことを表しています。
セリフにある cry over は句動詞で、「〜を嘆く」とか「〜が原因で泣く」などの意味です。
「完璧も”理不尽”も応える義務がどこにある? テメェの人生は仕事かよ」
呪術高専の東京校と京都校が力を競い合う姉妹校対決。虎杖悠仁の同級生である釘崎野薔薇は、京都校の生徒を相手に戦います。そんなとき、京都校の生徒に女性呪術師に求められるものは「完璧だ」と上から目線でただされる野薔薇。
それに反抗して出たのがこちらのセリフです。ピリッと筋が通っていてカッコいいですね!
「『死んで勝つ』と『死んでも勝つ』は全然違うよ」
呪術高専の最強教師、五条先生が石黒恵に「本気の出し方」を正すときに言ったセリフ。「死んで勝つ」のほうは死ぬことが前提となってしまいますよね。ヤケになって行動しても、失敗を見据えてしまっては本当の力が出せません。
その代わり、「死んでも勝つ」と挑んだ場合には、死ぬことが前提ではなく、失敗を恐れずに立ち向かう姿勢がうかがえます。ものごとに取り組むときの、心の持ちようを教えてくれるセリフです。
「勝つこと」の意味で使われている winning は動詞を名詞化した「動名詞」です。「動名詞」と言われると、動詞なのか名詞なのか混乱してしまう人もいるかもしれませんね。そんなときはこちらの記事を参考にしてみてください。
「私の人生の席っていうか そこに座ってない人間に私の心をどうこうされたくないのよね」
呪術師として敵を倒した虎杖悠仁は、相手を「殺してしまった」と悩みます。そんな悩みを野薔薇に打ち明けたところ、このようなセリフが返ってきたのです。助けられる命には限りがあって、自分の命が脅かされるのであれば、そんな敵は倒すべきと野薔薇は割り切っています。
自分の命を奪おうとする敵を倒すことの意味について深く考えさせられるシーンです。
ここで使われている in my shoes は「私の立場に身を置いて」という意味。in ~’s shoes で「〜の立場」というイディオムになるので、覚えておきましょう。
「命は懸けても捨てる気はありません!」
仲間を助けようと、「領域展開*」を使った作戦を立てる伏黒恵。しかし領域展開には大きなエネルギーが必要となります。その伏黒を心配して仲間が声をかけますが、安心させようとこのセリフを放ちます。
※領域展開:呪術を使って心のなかのものを現実化すること。
「オマエは何を託された?」
敵と戦っているときに一般市民を殺してしまい、何人かの仲間を亡くした虎杖悠仁は打ちひしがれます。そんな悠仁に向かって声をかけたのが、呪術高専京都校の先輩である東堂葵です。
惜しくも死んでいってしまった人びとに対して、「悠仁は何ができるのか」を考えさせてくれるセリフ。このおかげで、悠仁は改めて戦う意欲を持ちます。
「託す」の意味で使われている entrust ですが、trust とよく似ていて使い分けに迷ってしまいますよね。単語の接頭辞である en は「〜する」とか「〜中に」という意味で使われます。
trust のみだと「信頼する」という意味になりますが、この接頭辞がつくことによって「預ける」とか「託す」という意味になるのです。
「当たり前のように受け入れるな。なかったことにするんじゃねぇ」
ある事件で人を殺してしまったことに胸を痛める悠仁。仲間たちは何もなかったかのように前に進もうとしますが、悠仁が迷っている様子がこのセリフに込められています。
このセリフのなかで使われている like は実はその前に登場する as if の言い換え。同じ表現を繰り返すのを避けるために、同じ意味の異なる言葉を使っています。
こうして見てみると、「呪術廻戦」の名言には生き様をテーマにしたものが多い印象を受けますね。
英語版に訳されるときには、原作の世界観を失わないように細心の注意が払われます。日本語のニュアンスを残すために、どのような英語表現が使われているのか見てみると、また新たな言語の面白さが見出せるはずですよ。
好きな作品をぜひ日本語でも、英語でも楽しんでくださいね!