SHIORI
(更新)
「貸す・借りる」という英単語は学校でも習うため、誰でも聞いたことはあると思います。
しかし主に使われる単語は lend、rent、lease、borrow といくつかあり、習ったにもかかわらず、何がどう違うのかまで覚えている・把握しているという人はそう多くないかもしれません。
そこで今回は、この4つの単語の違いと使い分けはもちろん、そしてそのほかに使える「貸す・借りる」の英語表現をまとめて紹介していきたいと思います。
lend には「貸す」という意味がありますが、「無料で」というニュアンスが強く、お金のやり取りのない貸し借りをする際に使われます。
また、後で返ってくるというニュアンスもあり、しばらくの間無料で何かを貸すときに使われる表現です。
「彼女はお気に入りのDVDを私に貸してくれた」
「少しの間あなたの充電器貸してくれない?」
「手を貸してくれない?」
lend と同様、「貸す」という意味がありますが、lend とは違い、「有料で」というニュアンスが強くなります。
そのため、お金が発生する貸し出しをする際に使われます。
「レンタカー」という言葉を誰もが聞いたことがあると思いますが、有料で車の貸し出しをすることから来ています。
有料でビデオを貸し出す「レンタルビデオ」も同様です。
また、賃貸物件などもお金が発生する部屋の貸し出しという意味で、rent を使うことができます。
その際に発生する「家賃」のことも、名詞の rent を使って表すことができます。
「彼は友達に車を1週間(有料で)貸しています」
「貸し出している空きの部屋はありますか?」
「出来るだけ早く今月分の家賃を払う必要がある」
lease にも「貸す・賃貸」という意味がありますが、ポイントは、有料でなおかつ契約を結んだ、長期間(特定期間)にわたる貸し出しのことを指すということ。
そのため、一般的に機材や土地、建物などを賃貸するときに使われます。
「私の隣人は5年契約で家を借りた」
「私の叔父はアパートを貸し出している」
「賃借契約は2年間で、追加2年の更新ができるオプション付きだ」
sublet には、lease と同じように契約を結ぶ特定期間の貸し出しという意味がありますが、lease と大きく違うところは、テナント(借主)です。
わかりやすく説明すると、すでに契約を結んで賃貸(lease)している部屋などがあるとします。
しかしなんらかの理由で、一定の期間その部屋を使用しない場合、テナント(借主)は、その期間中代わりに借りてくれる人(サブテナント)を探し、部屋を貸し出すことができます。
そうすることで自分(テナント)はその期間中家賃を払わずにすみ、代わりの人(サブテナント)は都合の良い短期間で部屋を借りることができるのです。その貸し出しのことを sublet/sublease と言います。
このサブテナントは、実際のテナントとやり取りをしますが、大家さんと実際に契約を結ぶわけではありません。そのため、短期間で部屋を探している人にはもってこいです。
特に海外に住んでいる留学生はアパートを借りて住んでいると思いますが、夏休みなどの休暇中、長期間母国に帰ってしまう人も多いです。
その期間中、誰か他の人(subtenant)に自分の部屋を貸し出し、代わりに契約を満たしてもらうことで、自分が国外にいる間、家賃を払う必要がなくなります。
「彼女は生徒に夏の期間中アパートを貸した」
「彼は一時帰国している間に(誰かに)部屋を貸し出していいか大家さんに聞いた」
住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなど、「ローン」という言葉は誰もが聞いたことがありますよね。
私たちのイメージするローンは、何か高額なものを買う際に銀行からお金を借りて、少しずつお金を返していくものだと思います。
英語の loan も同じです。loan にはもともと「何かを貸す」や「貸付する」といった意味があり、借りる側の視点から見ると「借り入れ」という意味にもなります。
名詞として使われると、主に返される予定であるお金の合計額+利息(貸付金)を表し、動詞として使われる場合は「(お金またはモノ、資産)を貸す」という意味になります。
一般的に loan と言うと、お金が関係していることが多いですが、ただ単に「貸す」という lend と同じ意味で使われることもあります。その場合、lend よりも loan の方が硬い印象になります。
「彼女は新しい車を買うためにローンを借りた」
「車貸してくれる?」
「この図書館は本とCDを貸し出している」
「あのサッカー選手は派遣に違いない。彼を一度も見たことがない」
※ on loan=貸出中で/(一時的に)派遣されて
borrow は「借りる」を表す王道の単語ですよね? しかし何に対しても borrow を使っていると、ちょっと貸して欲しいだけなのに「だめ」と断られてしまうことがあるかもしれません。
その主な理由は、borrow は「しばらくの間返ってこない」「後日返す」というニュアンスを持っているからです。
「図書館で(いくつかの)本を借りた」
「テニスラケット借りてもいい? 今週末息子がテニスしたいっていうの」
borrow は後日返すというニュアンスがあると言いましたが、その場でちょっと借りたい場合などは、use を使うことができます。
「ちょっと一瞬ペン借りていい?」
「ねえ、今忙しい? 手伝って欲しいんだけど」
「トイレ(お手洗い)を借りてもいいですか?」
use の他にも、その場で少しの間、何かを貸してほしい場合に、ネイティブは see を使うことがよくあります。とてもカジュアルな表現です。
「ちょっとホッチキス借りてもいい?」
「ちょっとパソコン借りていい?」
どうでしたか?
「貸す・借りる」を表す単語はいくつかありますが、有料だったり無料だったり、貸す・借りる期間や契約状態など、それぞれ違ったニュアンスを持っていることが分かったと思います。
間違った解釈をされないよう、「貸す・借りる」を正しく使いこなし、よりスムーズな英語コミュニケーションをとっていきましょう!