Yumiko Akeba
(更新)
簡単なフレーズなのに聞き取れない、ネイティブの会話についていけない・・・
意味は通じるけれど、どこか不自然な英語を話している・・・
あなたもそんな経験はありませんか?
文法的には間違っていないのに、どこかぎこちない英語になってしまうのは、あるものを使っていないからかもしれません。
それは句動詞!ネイティブの会話の多くは、この句動詞やコロケーションと呼ばれる簡単な単語の組み合わせから成り立っています。
今回は、ネイティブが日常生活でよく使う句動詞・コロケーションを紹介していきますので、ぜひ覚えて使ってみてくださいね。
句動詞とは、"phrasal verbs"のことで、これは「基本動詞+前置詞(副詞)」が組み合わさったものです。句動詞という言葉がピンと来ない人は、「熟語」とという言い方ならイメージがつかめるのではないでしょうか。
また、もう少し広い概念を表すものとして"collocation"がありますが、最近では“コロケーション”として一般的に使われるようになってきましたね。このコロケーションは、「会話の中でよく使われる単語と単語の組み合わせ、連語」などと訳されます。
句動詞やコロケーションは会話の骨組みとなるもので、ネイティブの会話中にもしょっちゅう登場します。
しかしやっかいなのは、たとえ簡単な単語の組み合わせであっても、組み合わさることで、それぞれの単語が持つ意味とは違う内容になり、知っていないとその意味を理解できないという点です。
たとえば、"get up(起きる)"や"look for(探す)"といった熟語を、受験勉強で覚えた記憶はないですか?
これらは超基本的な句動詞ですが、"get"という動詞と"up"という前置詞をそれぞれ知っていても、“get up”という組み合わせを知らないと意味がわかりませんよね?
"look for"も同様に、"look(見る)"と"for(~のために)"を覚えているだけではダメなのです。こういったものが、英語にはたくさんあります。
また句動詞だけでなく、コロケーションも同じです。
「私が言っている意味、わかります?」と相手に確認したい場合、あなたはなんて言いますか?
"Do you understand?"なんて言っていませんか?
これでは「あなた、わかってますか」と、ちょっと偉そうな感じになってしまいます。そうではなく「私の伝えたい意図がわかってもらえますか」と言いたい場合は、"Does that make sense?"と言うのが正解。この "make sense”"は「意味をなす、筋が通っている」というコロケーションです。ネイティブなら子供でも知っているフレーズですが、日本人学習者は意外と知らないことが多いです。
句動詞やコロケーションは、自然な英語を話す上でとても重要です。これが使いこなせるようになると、あなたの英語はグンとネイティブっぽくなりますよ!
それでは、代表的な句動詞・コロケーションをいくつか紹介していきます。
まずは、"get"を使った代表的な句動詞、コロケーションを見ていきましょう。
「彼らは仲良くやっています」
「人をどこにも連れて行かない」ということでつまり、「どうにもならない」「結局らちがあかない」という意味になります。
「長い時間話し合ったけれど、らちがあかなかった」
「この一日担当者をつかまえようとしたんだけど、ダメだった」
元は「波に流される」という意味ですが、状況や雰囲気に流されて興奮してしまい、悪乗りしてしまうことを指します。
「おい、調子に乗るなよ」
"over"は「向こう側に、~渡って」というイメージの前置詞です。
向こう側に渡っていく、つまり面倒や困難を乗り越えていくという意味になります。
句動詞は、前置詞の持つイメージを理解していると、想像しやすく覚えやすいですよ。
「やっと風邪が治ったよ」
続いては"make"を使ったものです。意外な単語と組み合わせて「乾杯」を意味するって知っていましたか?
「ごめん、今夜無理だわ(約束していたが行けない)」
「この埋め合わせは必ずするから」
「ドアに鍵をかけるの忘れないでね」
"toast"は「パン」「パンを焼く」という意味は知っている人が多いのではないでしょうか。
「乾杯」という意味もありますので、覚えてくださいね。
「では、乾杯といきましょうか」
お次は、"put"を使ったフレーズを見てみましょう。
"put down"は「下に置く、下ろす」というのが元の意味ですが、そこから派生して「電話を切る(受話器を置く)」、「書きとめる」という意味にもなります。
「ここに名前を書いて」
“Just put down the phone.”
「電話を切りなさい」
「この騒音によく耐えられるね」
「課長にお繋ぎします」
「心を~に向けて置く」ということから「~に全力で向かって行く」という意味になります。
「なせば成る、なさねばならぬ何ごとも(全力を傾ければ何ごとも達成できる)」
「(洋服などを)身に付ける」という意味の"put on"ですが、こちらの意味は知らない人が多いのではないでしょうか。人をかつぐ、だますという意味です。
「マジ?(からかってるの?)」
では最後に、"give"を使った句動詞、コロケーションです。
「私にそれをストレートにください」ということから「回りくどい言いかたをせず(ごまかさず)にはっきり言ってください」という意味になります。
「はっきり言ってよ」
「やってみるべきですよ」
「我々は決してテロには屈しない」
shotとは「一撃」のこと。
つまり「ベストな一撃を与える」ということで「全力を出す」となります。
「成功したいんだったら全力を尽くせ」
直訳すると「私に休憩を与えてください」となり、つまり「ちょっと待ってよ」「もう勘弁して」「いい加減にしてちょうだい」となります。
会話でしょっちゅう使う、便利なフレーズですよ。
「昨日の夜、UFOを見たんだ!」
“Give me a break!”
「勘弁してくれよ!」
ネイティブは、いわゆるbig wordと呼ばれる難しい動詞よりも、"get"や"give"といった基本動詞を使ったフレーズを使うことの方が、圧倒的に多いです。
これらのフレーズは、ひとかたまりとしてのリズムがあり、英語を話す時は、このリズムを意識して話すことが大切。
英語は、音と音が繋がる言語です。特に子音の後に母音が続く場合、リエゾンという現象が起こります。
たとえば、"give me a break" は「ギヴ ミー ア ブレイク」ではなく、「ギミァブレイ(ク)」です。"give"の「v」の音が脱落するため「gimme」となります。
また、"break"の最後の子音「k」は省略されるため聞こえてきません。
音の繋がりや強弱、イントネーション、リズムを普段から意識しておかないと、話したときに伝わらないばかりか、ナチュラルスピードの会話を聞き取ることも難しくなってしまいます。
句動詞やコロケーションを覚える際は、正しい発音も同時に覚えるようにしましょう。
句動詞やコロケーションは、自然な英語を話す上で欠かせません。
その多くは"get, make, put, give, take, have, do"といった、基本動詞から成り立っていて、単独で使うよりもむしろ他の単語と組み合わさって、色んな意味に拡がっていくのです。
「わからないよ」と言いたいとき、つい“I don't understand.”と言ってしまいがちです。
これは「私には理解できません」という意味で、「あなたの言うこと、意味わかんないよ」というのとは、少しニュアンスが違います。
「えー、なにそれ、意味わかんない」と言いたいときは、"That doesn't make any sense."を使ってみましょう。
それだけで、一気にネイティブっぽい英語に近づきますよ!