今さら聞けない《to不定詞を使ったいろいろな表現》のキホン【大人のやりなおし中学英文法 vol.11】

英語の注目度と必要性の高まりに呼応して学習者の方々の勉強熱も高まっています。

そんな中で、いきなりTOEIC対策問題集を解いてみたり、はじめから「実践」をうたったライティングやスピーキング教材に手を出してみたりと、英語の基礎基本を置き去りにした学習をしてしまっていませんか?

中学英語は、英語学習の根幹をなす最も重要な基礎基本を教えてくれるものです。中学英語を理解することなく、より高度な英語を理解したり技能として身に付けたりすることは不可能と言ってもいいでしょう。

それだけ重要な中学英語を基礎基本から徹底解説する連載【大人のやりなおし中学英文法】。今回は「to不定詞を使ったいろいろな表現」についてご説明します。

はじめに

前回の記事で「to不定詞」の基本をご説明しました。

今回はプラスアルファとして、「to不定詞」を使ったいろいろな表現をご紹介したいと思います。
 

1. 形式主語

まずは基本3用法のうちの一つ、名詞的用法に関連する表現をご紹介します。

次の文をご覧ください。

この文では「to不定詞」のまとまりが「~すること」という意味の大きな主語として文頭に置かれています。前回ご説明したように、名詞的用法では「to不定詞」が主語のはたらきをします。

ところがこの文章は、英語的にはとてもバランスが悪いとみなされ、あまり好まれません。主語のまとまりだけで5つも単語が連なっていて、頭でっかちな文になってしまっているからです。

英語ではこのような文は嫌われてしまいます。

そこで、この巨大な「to不定詞」のまとまりを “It” の一語に置き換え、文の後ろにまわして次のようにしてあげます。

こうすれば、頭でっかちだった文のバランスが整い、とてもすっきりした英文になります。

このときの “It” のように、大きな主語のまとまりを後ろにまわすために、便宜的に主語の位置に置いたもの「形式主語」または「仮(の)主語」と呼びます。

そして後ろにまわした本来の主語、つまりここでは「to不定詞」のまとまりのことを「真(の)主語」と呼びます。

意味の流れとしては、前から

「僕にとっては大変なんだよね」→「毎日バスケの練習するのはさ」

という具合に流れていくことになります。

「to不定詞」を主語に置いた使い方は日常的にはほとんど使われないと前回ご説明しましたが、ネイティブの人たちは日ごろからこうした形式主語を使った文章に慣れ親しんでいるのです。
 

2. 形式目的語

目的語に「to不定詞」が用いられるケースでも、先ほどと同様に “it” が代わりに用いられることがあります。


※find O C = 「OがCだと分かる・気づく」

この文章では目的語の位置に「to不定詞」のまとまりがきています。ですがこれもやはりOだけが大きなまとまりとなっていてバランスが悪いとみなされます。

そこで “it” の登場です。

形式主語の場合と同様に、大きな「to不定詞」のまとまりを “it” に置き換え、後ろにまわすことでバランスを整えることができます。

このようにOの位置に便宜的に置いた “it” のことを「形式目的語」または「仮(の)目的語」と呼び、後ろにまわした本来の目的語のことを「真(の)目的語」と呼びます。

こちらも意味の流れとして、前から

「面白いと分かったんだよ」→「その本を読むのがさ」

という具合に流れていきます。

形式主語も形式目的語も、「to不定詞」のまとまりが大きすぎるがゆえのバランスの悪さを整え、文構造を分かりやすくする効果があると思ってください。

そしてこのようにバランスを整えた英文の方が好まれるということをぜひ知っておいて、英作文や会話に生かしてください。
 

3. 疑問詞+to不定詞

疑問詞(what/which/who/when/where/how)に「to不定詞」をつけて、「~すべきか」といった意味の名詞のまとまりを作ることができます。

これもやはり名詞的用法です。

 

4. 「目的」の明確化

次は副詞的用法に関連する表現です。

副詞的用法では、このように「~するために」という「目的」の意味を表すことができると前回解説しました。この「目的」の意味をより明確にする二つの表現があります。

一つは “in order to”、もう一つは “so as to” です。

このように “in order to” や “so as to” を使うと「目的」の意味がより明確になります。

なお、“so as to” は「それを行えば必然的にそうなる」というニュアンスが含まれます(早く出発すれば必然的に時間に間に合う、など)。
 

5. too…to~
「~するには…すぎる/あまりに・・・なので~できない」

これも副詞的用法の一つで、中学校でよく登場する構文です。

「~できない」という否定的なニュアンスになることがポイントです。

そういえば「そんな構文習ったな」と懐かしく思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 

6. …enough to~
「~するに足りるほど…/十分に…なので~できる」

もう一つ副詞的用法の表現をご紹介します。

このように「十分に…だから~できる」というニュアンスを表すお決まりの表現です。
 

7. 独立不定詞

最後に「独立不定詞」と呼ばれる表現をご紹介します。

これはある決まった形で特定の意味を持った表現で、文章の前置きとして使われたり、途中で差し込まれたりします。
 

“to tell (you) the truth” 「実を言うと」

“To tell the truth, I don’t want to go.”
「実を言うと、僕は行きたくないんだ」
 

“to be frank〔honest〕 (with you)” 「率直に言って」

“To be frank with you, I’m not really interested.”
「率直に言うけど、僕はあまり興味がないね」
 

“to begin with” 「まず・第一に」

“To begin with, we would like to apologize for the inconvenience.”
「まず、ご不便をおかけしたことについてお詫び申し上げます」
 

“needless to say” 「言うまでもなく」

“He is the best, needless to say.”
「彼が一番さ、言うまでもなくね」
 

“strange to say” 「不思議・奇妙なことに」

“Strange to say, I was thinking the same thing.”
「不思議なことだけどさ、僕も同じこと考えてたんだ」

など、たくさんのフレーズがあります。
 

まとめ

いかがだったでしょうか。

「to不定詞」に関連するいろいろな表現をご紹介しましたが、実はこれでもまだ終わりではありません。

「to不定詞」の世界はとても広く、今回ご紹介できなかったものもまだまだたくさん登場します(それらは全て高校レベルになってしまうので割愛しました)。

ですが、(今回ご紹介したものも高校レベルに十分足を突っ込んでいますが)今後の英語学習のためにも絶対に知っておいていただきたいものや、ぜひ実践したいよく使われる表現などを重点的に取り上げました。

たくさんあるからこそ余計に「to不定詞は難しい」となってしまいがちですが、ご紹介した大切なものから順に身に付けて、少しずつマスターしていってください。