今さら聞けない《関係代名詞》のキホン【大人のやりなおし中学英文法 vol.17】

英語の注目度と必要性の高まりに呼応して学習者の方々の勉強熱も高まっています。

そんな中で、いきなりTOEIC対策問題集を解いてみたり、はじめから「実践」をうたったライティングやスピーキング教材に手を出してみたりと、英語の基礎基本を置き去りにした学習をしてしまっていませんか?

中学英語は、英語学習の根幹をなす最も重要な基礎基本を教えてくれるものです。中学英語を理解することなく、より高度な英語を理解したり技能として身に付けたりすることは不可能と言ってもいいでしょう。

それだけ重要な中学英語を基礎基本から徹底解説する連載【大人のやりなおし中学英文法】。今回は「関係代名詞」についてご説明します。

はじめに

今回も、中学校で学習する文法の中でも特に大きなものをご説明します。

ズバリ「関係代名詞」です。

なんだかすごく複雑で難しそうな気配が漂ってきますね。でも基礎からきっちり確認していけばそれほど難しいものではありません。

また、人やモノを説明することのできる関係代名詞はとてもよく使われ、あらゆる場面で英語を扱う上ではなくてはならないものです。

この機会に関係代名詞をしっかりと復習して、ワンランク上の英語力を手に入れてください。
 

関係代名詞とは

関係代名詞とは

関係代名詞とは、一言で言えば「形容詞のまとまりを作ることのできる代名詞」です。

分かりやすいように、まず形容詞からご説明します。

たとえば日本語で「花」という名詞に「美しい」という意味を加えて説明したいとき、「美しい花」と表しますね。英語では “a flower” という名詞に “beautiful” という言葉をつけて “a beautiful flower” となります。

この「美しい」“beautiful” のように名詞を修飾(説明)するはたらきを持つ言葉が形容詞です。

ただ、言語には無数の形容詞が存在し、伝えたい内容によっては、“beautiful” のように一語の適当な形容詞が存在しないことがあります

たとえば、「花」を「僕が昨日買った」のような文のまとまりを使って説明したいケースです。辞書をどれだけ探しても、「僕が昨日買った」を意味する一語の英単語は存在しません。

そこで、どうにかして「僕が昨日買った」という文のまとまりを形容詞にする必要が生まれます。この問題を解決するために登場するのが関係代名詞です。

関係代名詞を使って「<僕が昨日買った>花」を表すと次のようになります。

【例】
a flower <which I bought yesterday>

名詞 “a flower” の後に<which I bought yesterday>というまとまりが続いていますね。

“a flower” と “I bought yesterday” の間に見慣れない “which” が挟まっています。これが関係代名詞です。

“which” を使うことで、“a flower” と “I bought yesterday” が結び付けられ、しかも “I bought yesterday”「僕が昨日買った」というまとまりが大きな形容詞になって “a flower” を後ろから修飾しているのです。

一語で存在しない形容詞の代わりに、ひとまとまりの大きな形容詞を作る、それが関係代名詞です。
 

先行詞と関係代名詞の関係

関係代名詞の使い方を確認する前に、以下の2つのことをまず頭に入れておいてください。

まず、関係代名詞を使って修飾される名詞のことを「先行詞」と呼びます。先ほどの例では “a flower” が先行詞です。

そして、関係代名詞にはいくつかの形があり、先行詞によって次のように使い分ける必要があります。

関係代名詞とは

先ほどの例では、“a flower” は人以外のモノであるため “which” を使っていたということです。

まずは基本事項として、これらのことを確認してください。
 

関係代名詞の使い方

関係代名詞の使い方

では関係代名詞の使い方を詳しく見ていきましょう。
 

主格の関係代名詞

主格の関係代名詞

このように関係代名詞は、

①まず<修飾するまとまり(文)>があり、
②その中の代名詞(She)を関係代名詞(who)に置き換え、
③修飾される名詞(a girl=先行詞)と並べてくっつける

という手順で考えることができます。

こう考えれば、関係代名詞は代名詞のはたらきと、名詞と文をつなぐはたらきを兼ねているものであることがよく分かりますね。

この例文では、先行詞 “a girl” は人間であるため、関係代名詞は “who” を使っています。そして、関係代名詞 “who” は、もともと “She” を受けていることからも分かる通り、主語のはたらきをしています。

このような関係代名詞を主格の関係代名詞と言います。

なお、主語であった “She” が “who” に置き換わったため、関係代名詞から先だけ見ると修飾するまとまりの主語(S)が抜け落ちた不完全な形に見えることが特徴です。

sが抜け落ちている
 

目的格の関係代名詞

目的格の関係代名詞

こちらの例では、まず<修飾するまとまり>の中にある代名詞 “it” を関係代名詞 “which” に置き換え、次に先行詞 “the book” とつなげるために前に持って来ています。

“which” を用いているのは、先行詞が “the book” というモノだからですね。

そしてこの関係代名詞 “which” は、もともと “it” を受けていることからも分かる通り、目的語のはたらきをしています。

このような関係代名詞を目的格の関係代名詞と言います。最初にご紹介した「僕が昨日買った花」の例はこのパターンです。

なお、目的語であった “it” が “which” に置き換わったため、関係代名詞から先だけ見ると修飾するまとまりの目的語(O)が抜け落ちた不完全な形に見えることが特徴です。

oが抜け落ちている
 

主格と目的格を例文で確認

主格と目的格を例文で確認

では主格の関係代名詞と目的格の関係代名詞を使った例文をいくつか確認しておきましょう。

例文

いかがでしょう。

関係代名詞を使って修飾するまとまりができると、単語の数が増える分、文が長くなって複雑に見えるようになります。

別の言い方をすれば、関係代名詞を使いこなすことができれば、長い文を作ることも、逆に長い文を正しく読み取ることもできるようになる、ということでもあるのです。

修飾される名詞(先行詞)がまずあって、それがどのようなものかを<関係代名詞のまとまり>が説明しているという構造と意味の流れを大切にしてください。
 

目的格whomと関係代名詞の省略

目的格whomと関係代名詞の省略

目的格whom

目的格whom

上の例文のような目的格については、“who” は “whom” という形を使うのが正式です。

ですが会話などでは “who” がかなり許容されていて、“whom” はどちらかと言えば「正しすぎて堅い、古臭い」という響きがあり日常的にはあまり使われていません。

ただし、今回は詳しくご紹介できませんが、“to whom” のように前置詞を伴う場合は必ず “whom” を使うことになるので、“whom” の存在は少しだけ頭に入れておいてください。
 

目的格の関係代名詞の省略

目的格の関係代名詞は省略することができます。

【例】
What is the title of the movie <(which) you saw last night>?
「君が昨日見た映画のタイトルは何?」

目的格の関係代名詞が省略されると、接続詞もなく突然新たなSVが登場したかのように見えるため、一気に構造が分かりづらくなります。

【例】
…the movie you saw last night
「君が昨夜見た映画」

このケースでは、その構造から[名詞(先行詞)+SV]という語順になりますので、何度も音読してそのリズムを徹底的に頭と身体に叩き込んでください。そのうちすぐに関係代名詞の省略だと見抜けるようになります。

なお、主格の関係代名詞は省略することができません。
 

所有格の関係代名詞

所有格の関係代名詞

関係代名詞には、所有格と呼ばれる格もあります。

所有格は先行詞に関わらず “whose” という形になります。
 

所有格の関係代名詞

所有格の関係代名詞

所有格 “whose” は「~(先行詞)の」という所有の意味を表します。

例文では、先行詞 “a child” と名詞 “father” の間には「子どもの父親」という所有の関係が成立しています。

“whose” を用いる場合は必ず[先行詞+whose+名詞]という語順になります。“that” を代わりに使うことはできず、省略することもできません。

【例】
Look at the house <whose roof is red>.
「その屋根の色の赤い家を見て」

 

関係代名詞の格のまとめ

改めて、関係代名詞の格と先行詞による使い分け、所有格をまとめると次のようになります。

関係代名詞の格のまとめ

 

thatが好まれる場合

“that” は先行詞が人間でも人間でなくても使うことができますが、特に先行詞が次の条件に当てはまるときは “that” を使うことが好まれます。
 

①先行詞に強い限定の意味を持つ修飾語句がつく場合

【例】
This is the first movie <that he has made>.
「これは彼が作った初めての映画だ」
You are the only person <that can help me>.
「君は僕を助けてくれる唯一の人だよ」
He gave his wife everything <that she wanted>.
「彼は妻に彼女が欲しがる全てをあげた」

“that” には「まさにそれ」という指示的なニュアンスがあり、「初めて」、「唯一」、「全て」など、それ以外の存在を認めないような限定的な人やモノとの相性が良いからです。
 

②先行詞が[人+物]の場合
(「物」は動物であることが多い)

【例】
Look at the girl and her cat <that are sleeping on the sofa>.
「ソファで眠っているその女の子と猫を見て」

人とモノ(動物)の両方に共通して使えるのは “that” だからです。
 

返り読みしない意識を

返り読みしない意識を

最後に、大切にしていただきたいことがあります。

【例】
She has a boyfriend <who teaches English at a high school>.
「彼女には高校で英語を教えている彼氏がいます」

英語と日本語は語順構造が全く違うため、英文を日本語訳するとこのようにまるで逆から訳されていくことになってしまいます。

一旦最後まで読んで改めて後ろから返り読みしながら日本語訳を考える、という作業をしていたのでは、時間がかかりすぎて現実のコミュニケーションではとても追いつけませんし、何より英語の呼吸を台無しにしてしまいます。

そこで、読んだり聞いたりする際には、次のように前から意味を捉えるように意識してください

【例】
She has a boyfriend 「彼女には彼氏がいる」
who teaches English 「誰かっていうと教えてるんだよ英語をね」
at a high school. 「高校でさ」

通常の日本語訳では訳されない “who” もあえて「誰かというと」というニュアンスで捉えます。“which” なら「どんなものかというと」という具合です。

関係代名詞 “who / which” はもともと疑問詞に由来しているため、“that” と比べて「どんな人/モノかというとね・・・」という具合に情報を知らない相手に説明してあげるような響きがあります。

語順に従い、こうした英語の呼吸やニュアンスをしっかりと感じ取りながら練習するようにしてみてください。
 

まとめ

いかがだったでしょうか。

関係代名詞は英語表現の幅を一気に広げてくれるとても便利で重要な文法です。

今回ご紹介した内容を基本に、関係副詞や複合関係詞などの高校での学習内容につなげていただければと思います。

最初は難しく感じるかもしれませんが、少しの理解と練習の積み重ねで必ず身に付けることができます。

まずは関係代名詞からマスターして、レベルアップを図っていただければ嬉しいです。