今さら聞けない《分詞を使った後置修飾》のキホン【大人のやりなおし中学英文法 vol.18】

今さら聞けない中学英文法_分詞を使った後置修飾

英語の注目度と必要性の高まりに呼応して学習者の方々の勉強熱も高まっています。

そんな中で、いきなりTOEIC対策問題集を解いてみたり、はじめから「実践」をうたったライティングやスピーキング教材に手を出してみたりと、英語の基礎基本を置き去りにした学習をしてしまっていませんか?

中学英語は、英語学習の根幹をなす最も重要な基礎基本を教えてくれるものです。中学英語を理解することなく、より高度な英語を理解したり技能として身に付けたりすることは不可能と言ってもいいでしょう。

それだけ重要な中学英語を基礎基本から徹底解説する連載【大人のやりなおし中学英文法】。今回は「分詞を使った後置修飾」についてご説明します。

 

はじめに

関係代名詞を使って名詞を修飾する方法を、前回ご説明しました。

実は関係代名詞以外にも、あるものを使って名詞を修飾することができることをご存知でしょうか?

そのあるものとは、分詞です。

「あれ、分詞って何だっけ?」と思われるかもしれませんね。

分詞というのは、進行形で使う~ing形や受動態で使う過去分詞のことです。

分詞そのものについて詳しくは説明してきませんでしたが、ああ、あの~ing形や過去分詞のことね、ととりあえず思い出していただければ大丈夫です。

では、そんな分詞を使って名詞を修飾する方法をご紹介していきましょう。
 

1. 分詞には2種類ある

英語の分詞には2種類ある

分詞には2種類あることをまずは押さえておきましょう。①現在分詞②過去分詞です。

現在分詞は進行形で使う~ing形、過去分詞は受動態や完了形で~edなどの形で使うものです。
(当連載【vol.7】【15】【16】をご参照ください。)

これら分詞の形と基本的意味をまとめると次のようになります。

2種類の分詞基本的意味
現在分詞動詞の~ing形~している(能動)
過去分詞動詞の過去分詞形
(~edなど)
~される/た(受動)
~した(完了)※

※ここでは過去分詞の受動の意味に重点を置きます。
 

2. 分詞の役割

分詞の役割

分詞は、形容詞としてはたらきます。

形容詞は “a tall man”「背の高い男性」の “tall”「背の高い」や “young people”「若者」の “young”「若い」のように名詞を修飾(説明)するはたらきを持つものでしたね。

分詞も同じように名詞を修飾することができます。

【例】
“a sleeping baby”
「眠っている赤ん坊」

“a boiled egg”
「ゆでられた卵」(ゆで卵)

このように分詞はその他の形容詞のように名詞の前に置いて、

・現在分詞は「~している」(能動)
・過去分詞は「~される/た」(受動)

という意味で後ろの名詞を修飾することができます。

※受け身の意味を表せない自動詞の過去分詞の場合は、「完了」の意味を表します。
例: “a fallen leaf”「落ちた葉っぱ(落ち葉)」
ただ、ここではまずは受動の意味に慣れてもらいたいと思います。

ところで、「分詞」という用語がなぜ「分ける」という意味の「分」の字を使っているか不思議ですよね。

そもそも動詞の変化形である分詞には、能動であれ受動(または完了)であれ、最初から何らかの動詞の意味が含まれています。

上の例では、“sleeping” には「眠る」という動詞、“boiled” には「ゆでる」という動詞の意味がもともと含まれていますね。かと言って、分詞自体は文中では動詞ではなく形容詞としてはたらきます。

つまり、分詞とは「動詞の意味」と「形容詞のはたらき」の両方の性質を「分かち持つ詞(ことば)」であり、その意味で「分詞」と呼ばれているのです。
 

3. 分詞を使った後置修飾

分詞を使った後置修飾

分詞がその他の形容詞のように名詞を前から修飾することが分かりました。ここでようやく、今回の本題に突入です。

分詞は、名詞を後ろから修飾することもできます。

【例】
“the woman <standing at the door>”
「<ドアのところで立っている>女性」

“the bus <going to Kyoto station>”
「<京都駅に行く>バス」

“the language <spoken in many countries>”
「<たくさんの国で話されている>言語」

このように、分詞を伴うまとまりが<2語以上の大きなまとまり>となるとき、これを修飾される名詞の後ろに置いて修飾します。

これを「後置修飾」と呼びます。
 

修飾される名詞と分詞のまとまりの関係

・現在分詞を用いた後置修飾の場合、修飾される名詞を主語にすると、現在進行形または現在形の能動態の文を作ることができます。

【例】
“The woman is standing at the door.”
「その女性はドアのところで立っている

“The bus goes to Kyoto station.”
「そのバスは京都駅へ行きます

・過去分詞を用いた後置修飾の場合、修飾される名詞を主語にすると、受動態の文を作ることができます。

【例】
“The language is spoken in many countries.”
「その言語は多くの国で話されている

自分で英文を作る際、現在分詞と過去分詞のどちらを使えばいいのか判断に困るという方が多くいらっしゃいます。

そんなときは、このように能動態と受動態のどちらであれば修飾される名詞と分詞の関係が適切に成り立つか、を考えてあげるとよいでしょう。
 

4. 分詞1語で後置修飾する場合

分詞1語で後置修飾する場合

実は、分詞1語だけであっても名詞を後置修飾する場合があります。

それは、「そのとき限りの行為」「一時的な状況」を表す場合です。

【例】
“There is only one ticket left.
「チケットが一枚だけ残っています」(そのときのチケットの状況)

“The first problem discussed was a lack of water supply in the region.”
「最初に議論された問題はその地域の水供給源が無いことだ」(そのときに議論された行為)

こうしたケースでは、名詞がどのようなものかを説明しているというよりも、そのときの名詞がどうしたのか、どのような状況なのかについて述べています。
 

5. 返り読みしない意識を

返り読みしない意識を

関係代名詞の記事でもご説明したように、何らかの名詞に対する説明が後ろにあるとき、日本語訳ではどうしても後ろから前に戻ってくるように訳さなければなりません。

ですがそれは日本語の都合であって、不自然に英語の呼吸を乱してしまいます。

そうならないように、語順をなるべくくずさずに前から順に意味を追いかけるようにしてください。

【例】
“The woman <standing at the door> is my aunt.”
「<ドアのところで立っている>女性は僕の伯母です」
___
The woman「女性はね」
→standing「立っているでしょ」
→at the door「ドアのところでね」
→is my aunt.「僕の伯母なんだ」

語順にしたがって前から意味を付け足しながら理解していくことが、より自然に英語らしく付き合っていくコツです。
 

まとめ

いかがだったでしょうか。

名詞を修飾すると一言で言っても、英語では前から修飾することも後ろから修飾(後置修飾)することもあります。

特に後置修飾は日本語にあまり馴染みがありませんから、最初は少し理解しにくいところもあるかもしれません。でも、ある名詞やことがらに対して、後ろにどんどん情報を付け足して説明していくのが英語の特徴でもあります。

後置修飾は文を長く複雑に見せる原因の一つですが、名詞の付け足し説明だと思って、あまり難しく考え込まないようにしてください。

そのためにも今回の内容を理解し、たくさん音読して英語のリズムに慣れるように取り組んでもらえると嬉しいです。