SHIORI
(更新)
must は「〜しなければならない」や「〜に違いない」など、強い義務や推測を表現するときに使われますが、みなさんは must の過去形を見たことがありますか?
他の助動詞、can/will/may などには could/would/might と過去形が存在するのに対して、must の変化した形(過去形)は目にしたことがないかと思います。
そうなんです。must には過去形がありません。
それでも時には、「〜しなければならなかった」や「〜したに違いない」など、過去形として表現したいときがありますよね。安心してください。
must の代わりに別の英語表現を使って、義務や推測の過去形を表現することが可能です。
今回は、この must の過去形を作る方法と、2つの表現を意味別に徹底解説していきたいと思います。
まずは、must の復習を簡単にしていきましょう。
先ほども少し触れましたが、must は強い義務や強制を表現するときに使われ、「〜しなければならない」という意味になります。
「あなたは今日家にいなければなりません。外出禁止です」
「彼女は今日病院に行かなければなりません。熱がまだ下がっていません」
「何日か前に借りたDVDを返しに行かなければなりません」
また、must は確信が高い推測を表現するときにも使われ、「〜に違いない」という意味になります。
「あなたは疲れているに違いない。先週からずっと働きっぱなしじゃないか」
「顔が火照っているので彼女は熱があるに違いない」
さて、must には過去形がないと述べました。それでは、どうすれば must の過去形が作れるのでしょうか?
ここでは過去形の文章を作るときに、must の代わりに使える表現を紹介していきます。
まず、「〜しなければならなかった」と表現したいときは、had to を使うことが可能です。
had to は have to 「〜しなければならない」の過去形になります。
「私は昨日家に居なければならなかった。外出禁止でした」
「熱がなかなか下がらなかったので、彼女は昨日病院に行かなければならなかった」
ここで、「おや?」と思った方もいるかもしれませんが、must と have to はどちらも「〜しなければならない」と訳されます。
では、この2つの表現には違いはないのでしょうか?
実際、アメリカではどちらも同じように使われることが多く、have to の方がより一般的に使われます。また、must は have to よりもさらに強制された義務のニュアンスが強いです。
しかし文法上、この2つには微妙な違いがあります。その違いは、以下の通りです。
この違いを頭に入れて以下の文章を見てみると、意図に若干の違いがあることがわかると思います。
「お花に水をあげなきゃ」
→自分で決めたこと
「お花に水をあげなきゃ」
→自分の意思ではなく、誰かから言われたこと
このように、若干の違いがあるものの、 must と have to/had to は同じ意味で代替可能になり、過去形の場合は had to を使います。
確信の高い推測の過去形を作る場合は、「must + have + 過去分詞」を使うことによって、「〜した/だったに違いない」と表現することができます。
「君は疲れていたに違いない。いつもはしないような凡ミスをしたね」
「彼女は熱があったに違いない。彼女と話したとき調子が悪そうだったんだ」
他の人が言った言葉をそのまま引用する直接話法に対し、他人が言った言葉を自分の言葉に言い換えて話す方法のことを間接話法と言います。
say/ask/tell などの伝達動詞と言われるものを使って、報告する言葉(他の人が言っていた言葉)を導きます。このとき、引用符は使用しません。
「彼は、『サラって可愛いよね』と言った」
「彼はサラは可愛いと言った」
間接話法は一般的に過去について話すときに使われるので、聞いた言葉の時制を変更しなければなりません(全ての動詞を過去形に合わせる)。
ですがこれには例外があり、must が使われているときは had to に変更せずに、そのまま must を使います。これは must 自体に過去形がないためです。
「先生は私に今日の17時までに課題を提出しなければならないと言った」
「母は私に部屋を片付けなければならないと言った」
いかがでしたか?
must に過去形はありませんが、have to や must have 過去分詞 を使って過去形の義務や強制、推測を表すことができます。
押さえておきたいポイントとしては:
慣れるまでは少し厄介かもしれませんが、この4つを押さえて会話の中にもぜひ取り入れてみてください!