則岡麻里絵
(更新)
「痛い」は英語でどのように表現できるでしょうか?
「痛い」と言えば ”pain” を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし ”pain” 以外にも、痛む場所や原因によって異なる表現が使われていることをご存知ですか?
適切な表現を知らなければ、痛みを上手く伝えることができないかもしれません。また痛みにはさまざまな程度・種類・頻度があり、それらを的確に表現することは、適切な対処を仰ぐ上で非常に重要です。
この記事では、痛み方によって変わる「痛い」の英語表現をご紹介しています。痛くて困っているときに上手く伝えられるよう、ぜひ覚えてみてくださいね。
“pain” は、病気や怪我による苦しみや不快感という意味での「痛み」を表す単語で、種類や程度にかかわらずさまざまな痛みに使われます。
精神的な痛みを表して使われることもありますが、肉体的な痛みを表す場合は多くの場合(可算)名詞として使用されます。
形容詞 ”painful” も、「痛みを伴う」「痛みをもたらす」「痛みに満ちた」といった意味で会話の中でよく使われます。
具体的な使い方を見ていきましょう。
「~が痛い」は、 “have a pain in~.” と説明できます。
My grandfather says he has a sharp pain in his chest.
「祖父は胸に鋭い痛みがあると言っています」
Do you have any pain?
「痛みがありますか?」
“in pain” には、「(痛みで)苦しい」という意味があります。
肉体的な痛み・苦しみだけでなく、精神的な原因による苦しみにも使えます。
He is in a lot of pain because of the accident.
「彼は事故で大きな痛みに苦しんでいます」
Are you in pain?
「痛いですか?」
“~is painful.” で、「~が痛い」を表現できます。
I saw her wound and it looked very painful.
「彼女の傷を見ましたが、とても痛そうでした」
以下は、病院などでよく聞かれる “pain” を使った質問です。
Can you describe the pain?
「どのような痛みですか?」
How long have you had the pain?
「いつから痛みがありますか?」
How long does the pain last?
「痛みはどれくらい続きますか?」
When does the pain come on?
「いつ痛くなりますか?」
On a scale of 1-10, how bad is your pain, with one being no pain at all and 10 being the worst pain imaginable?
「1から10で表すと、痛みはどの程度ですか?1は全く痛みがない状態、10は最悪の痛みだとします」
「痛い」を表す単語では、 “pain” の他に ”ache” を覚えている方も多いことでしょう。
【éik】と発音し、長く続く鈍い痛み・慢性的な痛みを表して使用される単語です。“pain” 同様、 ”ache” も多くの場合名詞として使用されます。
身体の部位を表す名詞とともに一つの単語になっているものもあり、その代表的な例として以下の4つを覚えておくとよいでしょう。
・headache(頭痛)
I take medicine for my headache.
「頭痛の薬を飲んでいます」
・stomachache(腹痛)
Do you have a stomachache?
「お腹が痛いですか?」
・toothache(歯痛)
My toothache is unbearable.
「耐えられない歯の痛みがあります」
この他には、大切な人を失ったことによる心の痛み(精神的な痛み)を表した ”heartache” という単語もあります。
“ache” は「痛む」「うずく」という意味で、動詞としても使用されます。
I have a cold and my whole body is aching.
「風邪で全身が痛いです」
炎症、傷、腫れなどによるひりひり・ジクジクとした痛みは、 ”sore” と表現します。
形容詞 “sore” 、あるいは名詞 ”soreness” として使われることが一般的です。
My arms are sore from the push-ups I did yesterday.
「昨日の腕立て伏せで腕が痛いです」
I changed my shoes and my soreness went away finally.
「靴を変えたら痛みがやっとなくなりました」
喉の痛み、筋肉痛、靴擦れによる痛みなどは、炎症が起きていると解釈できることから、 ”sore” と表現されます。
“hurt” も、痛いことを表すのに非常によく使用される単語です。他動詞および自動詞として使われます。
発音は【hə́ːrt】です。カタカナで書くと心臓の ”hear” と同じ「ハート」ですが、英語での発音は異なります。 ”ur” をしっかりと発音しましょう。
「痛める」「けがをさせる」という意味で使用されます。
I hurt my lower back at work last week.
「先週、職場で腰を痛めました」
「痛む」という意味で使用されます。
When I move my arm, my shoulder hurts a lot.
「腕を動かすと肩がとても痛いです」
日本語では「ズキズキ」「シクシク」「キリキリ」といったオノマトペを使って痛みの種類を表しますが、英語では以下のような形容詞が役立ちます。種類の他に程度・頻度・場所も、痛みを説明するときに合わせて伝えられるとよいでしょう。
”ouch” は「痛っ!」「あいたっ!」という意味の間投詞です。痛みの他に熱さを表しても使われます。
「痛みを伴う軽いけが」のことは、赤ちゃん言葉で ”owie” (発音【aʊwiː】)と言います。小さい子どもが ”owie” と言っていたら、けがをして痛いという意味です。主に北米で使われているようです。
同じ「痛い」でも、痛み方によってさまざまな英語表現があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
日本語とは表現の仕方が大きく違うので、慣れるまでは少し混乱してしまう内容かもしれません。
痛いことを伝えなければならない場面を想定して会話の練習をしていくと、適切な表現が身に付き、必要な場面でもすんなり表現できるようになるのではないかと思います。
いざという時に痛みの詳細を的確に伝えらえるよう、ご参考にしていただければ幸いです。