西東 たまき
(更新)
人と言葉でコミュニケーションを取るときに、もっとも欠かせないフレーズは挨拶に関するものです。
「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」など、時間ごとの挨拶に加え、初めて会う人であれば「はじめまして」もよく使いますね。
挨拶は第一印象に関わる大事な要素ですので、英語を話すときも決まり文句として、勝手に口をついて出て来るくらいに慣れておくのが理想です。
今回は「はじめまして」の英語フレーズに絞り、シーン別の表現をご紹介。また記事の最後では、多くの英語学習者さんが悩む meet と see の違いや使い分けも解説しています。
まずは、使用頻度の高い基本的な英語フレーズから挙げて見ていきましょう。
英語の「はじめまして」の定番フレーズは Nice to meet you です。直訳で「会えて嬉しい」の意味で、「はじめまして」に相当する一番オーソドックスな英語表現になります。
どんな場面でもこれを使えば間違いはありません。
Hello や Hi の挨拶や自己紹介に続けて使います。
「こんにちは。アイカです。はじめまして」
なお、相手の名前が分かるなら、できるだけ相手の名前を添えるとグッと印象が良くなります。
英語のコミュニケーションは、会話の中で相手の名前をこまめに交えるのが特徴です。日本語のコミュニケーションではあまりない習慣なので意外と難しいですが、相手との距離が縮まるのでぜひ心掛けてみてください。
「はじめまして、リリアン」
「会えて嬉しい=はじめまして」の別の言い方になります。上品で洗練された印象を残す英語フレーズです。
Please ではなく Pleased「嬉しい」ですので注意しましょう。
「こんにちは。ミミと言います。はじめまして」
Nice や Pleased の部分を、似たような意味を持つ Glad や Happy に言い換えてアレンジすることもできます。
「はじめまして、ムサ」
「ハイ、グレース。はじめまして」
教科書などで How do you do? という英語フレーズを習った人もいるでしょう。
これもまた「はじめまして」の定番英語表現ですが古めかしい響きがあり、実際にこの英語フレーズを耳にすることは今ではめったにありません。
でも、古い映画の中でなら聞くことがあるでしょう。例えば、往年の人気の刑事ドラマシリーズ『刑事コロンボ』の主人公が使うのは、いつもこの英語フレーズです!
「はじめまして、奥さん」
次は、友達からの紹介など、カジュアルな出会いで使う英語フレーズです。
Hello や Hi など、人に会ったときに最初に使うこれらの挨拶も「はじめまして」の意味で使うことができます。
握手を交わしながら、Hello や Hi に続けて自分の名前を名乗りましょう。Nice to meet you などの英語フレーズがとっさに口に出てこなくでも大丈夫です。
大抵はその後に How are you? と続けます。実のところ、英語では、とりたてて「はじめまして」と言わなくてもOK。いつもの挨拶の流れと同じでも構わないのです。
「こんにちは、私はマユミです。はじめまして」
How are you doing? は How are you? よりもくだけたニュアンスです。したがって、ビジネスや目上の人への挨拶には向きません。
「よろしく」
いつも同じような英語フレーズでは芸がないと感じてきたら、バリエーションを増やすチャンス。
場面によって使い分けられたら、「できる人」の印象も演出できますよ!
Pleased to meet you をさらに丁寧にした言い方です。
「はじめまして、ジョンソンさん」
「お噂はかねがね」という意味で、相手について何かしら聞き知っていることがあれば、この英語フレーズが使えます。
ドラマのセリフのように感じるかもしれませんが、よく使われる英語表現です。
「こんにちは! お噂は伺っていますよ」
メールや電話などでやりとりして来たけれど、実際に顔を合わせるのは初めてという関係はよくあるものです。
そんなときは、定番英語フレーズに finally「ついに」を加えるだけで、ピッタリな「はじめまして」の英語表現にすることができます。
「こんにちは。あなたがニーマですね。やっとお会いできましたね」
最後は、初めての相手に電話をするときの英語表現を紹介します。
「知り合えて嬉しい」という意味です。電話の場合は特に決まった「はじめまして」の英語フレーズはありません。普通に自己紹介をしてください。
お互いに自己紹介を終え、知り合いになれた喜びを表現するのが I'm glad to know you の英語フレーズです。状況的に「はじめまして」のニュアンスになります。
「マイクさん、知り合えて嬉しいです=はじめまして」
文字通り、「電話をくれてありがとう」の意味ですね。
電話をかけてくれた相手に素直にお礼を言うことは、初めて話す相手であれば「はじめまして」に相当するような挨拶にもなります。
「アニーさん、お電話ありがとうございます」
メールでは meet「顔合わせ」していることにはならないので、Nice to meet you を使うのは不自然に感じる人もいます。
なかには、Eメールの E を使って Nice to e-meet you といった遊び心ある英語表現を使う人もいますが、電話同様、メールでは必ずしも「はじめまして」の挨拶は必要ありません。自己紹介だけで十分です。
「アミールの友人のアキと申します」
さて、いろいろな英語表現をご紹介してきましたが、「どのフレーズも meet の部分を see と言い換えても良さそうでは?」と思った人もいるのではないでしょうか。
Nice to see you/Glad to see you/Pleased to see you などもよく使われる英語表現ですからね。しかし、使う場面は明らかに異なるので頭に入れておきましょう。
「会えて嬉しい」という意味は共通ですが、meet を使ったものは初対面に限ります。初めて会ったときは meet が入った英語フレーズを使いましょう。
see を使った英語フレーズは再会したときに使うものです。よって、一度知り合いになった後は see の英語表現を使っていくことになります。
今回は「はじめまして」を意味する英語表現をシチュエーション別にご紹介しました。
日本語の「はじめまして」のように、必ずしも特定の英語表現が決まっているわけではなく、自然な流れで「自分が何者なのか」を伝え、「出会えたこと・知り合えたことを喜ぶ」表現であればよいというのがポイントです。
相手が言うことに合わせて柔軟に対応すれば良いでしょう。同じ英語表現を返すだけでも大丈夫です!