Kurumi
(更新)
日本語でも使う brunch(ブランチ) という言葉は breakfast と lunch が合わさってできた言葉。
このように2つの言葉が合わさって1つの言葉になった言葉を、portmanteau「ポートマントー」というのをご存知ですか?
ポートマントーはもともとフランス語で suitcase を意味していて、両開きタイプの旅行カバンのように、2つの言葉の意味が1つに合わさった言葉のことをいいます。そのため、日本語では「かばん語」または「混成語」とも呼ばれています。
今回の記事では、クリエイティブでユニークな英語のポートマントーをご紹介します。
motel(motorcar + hotel)
motorcar は「自動車」、hotel は「ホテル」のこと。
モーテルは自動車旅行をする人たちのための「駐車場つきの宿泊施設」という意味です。
「私は地元のモーテルにチェックインした」
glamping(glamorous + camping)
glamorous は「魅力的な」、camping は「キャンピング」。
「グランピング」は、ホテル並みの設備やサービスを利用しながら贅沢に自然の中で過ごす、最近流行しているキャンプスタイルのことです。
「今週末グランピングに行くんだよ。そこにはエアコンもテレビもあるんだって!」
anklet(ankle + bracelet)
ankle は「足首」、bracelet は日本語と同じく「ブレスレット」のことです。
したがって、anklet は足首につけるアクセサリー「アンクレット」を意味します。
「彼女らはアンクレットとブレスレットとネックレスを身につけている」
cosplay(costume + roleplay)
costume は「衣装」、 roleplayは「役割を演じる」という意味。
日本語の「コスプレ」と同じく、アニメなどの登場人物の服装をしてその登場人物になりきることを指します。
「彼女はアニメキャラのコスプレするのが好きだ」
workaholic(work + alcoholic)
work「仕事」と alcoholic「アルコール中毒」が合わさってできた workaholic(ワーカホリック)は、「仕事中毒」の人のことを指します。
workaholicの他にも shopaholic(買い物中毒)/chocoholic(チョコレート中毒)/rageaholic(怒り中毒)などがあります。
「彼は典型的な仕事人間です」
spork(spoon + fork)
spoon「スプーン」と fork「フォーク」が合わさってできた言葉。先がフォークのように尖っているスプーンのことを指します。
「いつもスポークでランチを食べます」
fortnight(fourteen + night)
fourteen は数字の「14」、night は「夜」です。
これら2つがあわさって14日間、つまり「2週間」を表すイギリス英語です。
「2週間後に会いましょう」
jeggings(jeans + leggings)
jeans は「デニム生地でできたズボン」、leggings は「レギンスパンツ」のこと。
ジェギンズは日本語でいう「デニンス」のことで、一見するとジーンズに見えるレギンスのことを指します。
「とても快適でオシャレなのでデニンスが好きです」
athleisure(athletic + leisure)
athletic は「運動用の」、leisure は「余暇」の意味です。
アスレジャーは、トレーニングの際に着用するような運動着を、普段着のコーディネートに取り入れたファッションのこと。
「アスレジャーの流行は女性のヨガパンツ着用から生じた。」
hangry(hungry + angry)
hungry は「空腹」、angry は「怒っている」という意味の形容詞です。
したがって hangry は、「お腹が空いてイライラした状態」を指します。
「彼女がお腹が空いてイライラしているときは話しかけない方がいい」
chillax(chill + relax)
chill は「のんびり」「ゆっくり」、relax は日本語の「リラックス」と同じ意味です。
2つの意味が合わさって「ゆっくりのんびりとリラックスする」という意味で使われます。
「来週ビーチに行ってゆっくりしようよ」
sheeple(sheep + people)
sheep は「羊」、people は「人々」です。
sheeple は「従順で自分の意見がなく大勢に従う人々のこと」という意味。人の言いなりになったり、影響を受けやすい人たちを指し、ちょっと皮肉を含んだ言葉として使われます。
「ほとんどの自分の意見がない人たちは、他の人が買っている物を買う」
staycation(stay + vacation)
stay は「滞在する/滞在」、vacation は「休暇」のことです。
staycation は、休暇を海外や宿泊を要するところで過ごすのではなく、「自宅や自宅から近い場所で過ごす」ことを意味します。
「コロナウイルスによる旅行制限のため、多くの家族はステイケーションをすることにしている」
frenemy(friend + enemy)
friend は「友達」、enemy は「敵」。
「友人を装う敵」であったり、「ライバルでもある友達」のことをいいます。
「ユウコとハナはよきライバル関係だ」
brainiac(brain + maniac)
brain は「頭」、maniac は日本語でも使う「マニアック」という意味。
アインシュタインのような「ずば抜けた知的能力と独創性を持つ人」のことを指します。
「彼は本当の天才だ」
guesstimate(guess + estimate)
guess は「推測する」、estimate は「見積もる」という意味。
つまり、guesstimate は「推測による見積もり」のことをいいます。
「推測でいいので費用をすぐに見積もってもらえますか?」
ginormous(gigantic/giant + enormous)
gigantic も enormous も「巨大な」という意味の言葉です。
したがって、同じ「巨大な」という言葉を2つ掛け合わせた ginormous は「とてつもなく大きい」を表します。
「今日庭で、とてつもなく大きいカエルを見たんだ」」
froyo(frozen + yogurt)
frozen は「凍った」、yogurtは「ヨーグルト」の意味。2つがあわさって、「フローズンヨーグルト」を意味します。
「彼女はアイスクリームの代わりにフローズンヨーグルトを注文した」
frappuccino (frappe + cappuccino)
frappe は「氷で冷やされた」、cappuccino は「泡立てたミルクを乗せたコーヒー」のこと。
スターバックスで提供されるような「コーヒーやクリームなどに氷を加え、ミキサーでフローズン状にした飲み物」のことを指します。
「抹茶フラペチーノを1つください」
mocktail(mock + cocktail)
mockは「偽りの、見せかけの」、cocktail は「カクテル」のこと。
モクテルは「カクテルもどきのノンアルコールカクテル」のことを指します。
「彼女はその日の夜運転しなければならなかったのでモクテルを楽しんだ」
Frankenfood(Frankenstein+food)
Frankenstein は怪物として知られる人造人間の「フランケンシュタイン」、food は「食べ物」のことです。
したがって、Frankenfood は「遺伝子組み換え食品」という意味。死体から作られたフランケンシュタインのように、人間が作った怖い食物というニュアンスです。
「遺伝子組み換え食品を食べないようにしています」
gastropub(gastronomy + pub)
gastronomy は「美食学」を、pub は public house の略語で「酒場」を意味します。
2つが合わさったガストロパブは、「良質な酒と食べ物を提供するバーとレストランの要素を兼ねた飲食店」のことを指します。
「私の近所にはさまざまなワインバー、コーヒーショップ、ガストロパブがあります」
Bollywood(Bombay + Hollywood)
Bombay はインドにある「ムンバイ」、Hollywood は「アメリカ映画産業」の中心地のこと。
よって、Bollywood は「インドで作られた映画」や「インドの映画産業」を意味します。
「インド文化が好きなので、ボリウッド映画を見るのが好きです」
biopic(biography + picture)
biography は「自伝」、picture は「映画」。
2つが合わさって「伝記映画」という意味で使われます。
「その俳優はスティーブジョブスの伝記映画で主演を務めました」
dramedy(drama + comedy)
drama は映画ジャンルの1つで、日本語でいう「ヒューマンドラマ」、comedy はジョークがたくさん出てくる「面白くて笑える作品」のことです。
dramedy は「ドラマ」と「コメディ」が合わさったようなテレビ番組や映画を指します。
「そのコメディドラマは評論家たちからたくさんの悪い評価を受けた」
mockumentary(mock + documentary)
mock は「模擬の」、documentary は日本語と同じ「ドキュメンタリー」です。
モキュメンタリーとは「フィクションをドキュメンタリー映像のように演出する映画やテレビ番組」のジャンルのことを言います。日本語では「フェイクドキュメンタリー」ともいいますね。
「このモキュメンタリーはその映画祭で3つ賞を受賞しました」
romcom(romance + comedy)
romance は「恋愛映画」、comedy は「コメディ映画」のこと。
「ロマンティック・コメディ」、つまり日本語でいう「ラブコメ」の意味になります。
「私の好きなラブコメ映画は『ラブアクチュアリー』です」
prequel(previous + sequel)
previous は「前の」、sequelは「続編」という意味で、2つが合わさって「過去を描く続編」の意味になります。
スターウォーズシリーズのように、前作に引き続き公開されていて、なおかつ物語の舞台が前作より過去のものを指します。
「『スターウォーズ』エピソード1、2、3は前3作の過去を描く続編です」
telethon(television + marathon)
television は「テレビ」、marathon は「マラソン」です。
マラソンのようなテレビ、つまり、日本の24時間テレビのような、募金を集めるための特別な長尺番組のことを指します。ちなみに、ラジオの場合は radiothon と言います。
「日本放送が『24時間テレビ』というテレソンを毎年放送します」
affluenza(affluent + influenza)
affluent は「裕福な」、influenza は「インフルエンザ」つまり「病気」であることです。
affluenza は日本語でいう「金持ち病」を意味していて、いつも新しくて高価なものを欲しがって不安になったり、働きすぎてしまうことを表します。
「彼らは、金持ち病は大量消費と働きすぎを引き起こすと話す」
Ebonics(ebony + phonics)
ebony は「黒人」、phonics は「音声学」のこと。
したがって、Ebonics は「アフリカ系アメリカ人特有の英語の話し方」を表します。
また、発音の特徴だけではなく、アメリカのラップやヒップホップでよく使用されるようなスラング表現のことも指していて、辞書には載っていない英語表現もたくさんあります。
「アメリカのヒップホップでエボニクスの言葉が流行っています」
stagflation(stagnation + inflation)
stagnation は「停滞」、inflation は「物価の持続的上昇、インフレ」の意味。
これら2つを合わせた stagflation は「経済活動の停滞と物価の持続的な上昇が併存する状態」を指します。
「1970年代の間は、スタグフレーションによって起きた経済危機があった」
Brexit(British + exit)
British は「英国の」、exit は「出ていくこと」の意味で、2021年の1月から、イギリスがヨーロッパ連合から離脱することを指します。
「ブレクジットはイギリスがヨーロッパ連合から離脱することを意味する」
ポートマントーはその時期の流行や話題の言葉でも作られます。最近では、以下のようなコロナウイルス関連のポートマントーが生まれました。
covidiot(COVID-19 + idiot)
idiot は「馬鹿、間抜け」の意味で、コロナ禍でマスクをしなかったり、買い溜めをしたり、自粛をしない人のことを指します。
「あのコビディットは会う人みんなハグしている」
covidient(COVID-19 + obedient)
obedient は「従順な、素直な」という意味。先ほどの covidit の反対の意味を表します。
「コビディエントになって家で過ごそう」
adware(advertising + software)
advertising は「広告」、software は「ソフトウェア」のこと。
アドウェアとは、広告を目的とした無料のソフトウェアのことを指します。
「あなたのパソコンに何かしらのアドウェアがあるようです」
emoticon(emotion + icon)
emotion は「感情」、icon は「象徴」です。
emoticon は、日本語でいう「顔文字」のことで、:-) のような記号を使って表情を表すことをいいます。
「“:-)” のエモーティコンは幸せな表情を表しています」
podcast(iPod + broadcast)
iPod はアップルが販売する「デジタル音楽プレイヤー」、broadcast は「放送」を意味します。
podcast は音声や動画データをネット上にアップすることを指し、インターネットラジオ・テレビの一種に該当します。
「私のお気に入りのポットキャストは毎週配信されます」
webinar(web + seminar)
日本語でも使う「ウェブ」と「セミナー」を合わせた webinar は、オンライン上で開催される「ウェブセミナー」のことをいいます。
「彼らは英語の学習法についての無料ウェビナーを開きます」
netiquette(network + etiquette)
network も etiquette も日本語と同じくそれぞれ「ネットワーク」、「エチケット」のこと。
netiquette は「インターネットを利用する際に心がけるべきマナーや規範」のことを表します
「サヨナラを言わずにチャットルームを去るのは悪いネチケットです」
freemium(free + premium)
free は「無料の」、premium は「割増金」という意味。
2つが合わさった freemium は、「基本的な製品やサービスは無料で提供し、より高度な機能やサービスについては料金を課金するビジネスモデル」のことをいいます。
「ズームとスカイプはフリーミアムのビジネスモデルを使っている」
知っている、または聞いたことのあるポートマントーはどれぐらいありましたか?
わからない言葉でも、2つのうちの1つの意味がわかると、なんとなく意味をイメージすることができたのではないでしょうか?
この言葉は「もしかして2つの意味が混ざっている?」と思ったら、ぜひその言葉の意味をググってみてくださいね!