K. Inoue
(更新)
毎日利用するくらい身近にあるものなのに、意外と難しい単語が refrigerator「冷蔵庫」。
同じ家の中にある物でも、table や chair などに比べるとなんだか文字数は多いし発音も難しそうですね。
「冷蔵庫って英語で何だっけ…?なんか結構難しい単語だったような…」
そんなぼんやりとした記憶しかない人もきっと多いと思います。
今回はそんな refrigerator について、文法的な使い方から発音、ネイティブがよく使うカンタン省略形、そして関連表現までまとめてお届けします。
ぜひこの機会に日常会話でもサラっと使えるようにしっかりマスターしてください。
refrigerator「冷蔵庫」の文法的な使い方から見ていきましょう。
まず、refrigerator の品詞は名詞です。
物の名前なので分かりやすいですね。
そして名詞の中でも可算名詞と呼ばれるものです。
可算名詞というのは「1つ、2つ、3つ…」と数えられる名詞のこと。
英語では物を「数えることができるかどうか」というのをとても気にするので意外と重要なポイントです。
数えられる refrigerator は、1つの場合には「a refrigerator」のように「a」を付けます。
そして、このように1つを表す形を単数形と呼びます。
「先週冷蔵庫を買ったんだ」
2つ以上ある場合には「refrigerators」のように複数を表す「s」を付けます。
これを複数形と呼びます。
「彼は大の料理好きで、キッチンに冷蔵庫が2台もあるんだ」
すでに話題に上っているなどして、自分も相手もどの冷蔵庫のことを指しているか互いに分かっている場合には、単数か複数かに関わらず特定の「the」を付けることもあります。
「これが、君が昨日話していた冷蔵庫だね」
このように、可算名詞であるrefrigeratorは、文脈によって冠詞(a/the)と数(単数/複数)の使い分けが重要になります。
refrigerator は「冷蔵庫」が主な訳ですが、もともとの意味は
です。
現在では主に電気式の冷蔵庫のことを表し、一般家庭にある冷蔵庫を指すこともあれば、業務用の巨大な冷蔵庫や、人が歩いて入れるような冷蔵室自体を指すこともあります。
スーパーやコンビニで見かける、ドリンクなどの陳列棚を兼ねているものも refrigerator です。
細かく使い分ける場合には、household refrigerator「家庭用冷蔵庫」、commercial refrigerator「業務用冷蔵庫」のように別の単語を組み合わせて区別します。
おおまかに言って「保存や冷却のために食品などを入れておくもの」を refrigerator と呼ぶと思って差し支えないでしょう。
ちなみに、「refrigerate」で「(食べ物などを保存するために)冷やす・冷凍する」という意味の動詞として使うことができます。
「開栓後はジャムを冷やしておいてください」
refrigerator を学習する上で最も難しいのが発音でしょう。
そのままカタカナに直すと「リフリジェレーター」という感じになりますが、このままカタカナ発音で言っても通じませんので、正しい発音を身に付ける必要があります。
発音記号では【rɪfrídʒərèɪṭɚ】ですが、慣れない人にはなんだかよく分かりませんね。
音節(音のまとまり)ごとに練習しようとしても「re・frig・er・a・tor」と5つも音節があり、やはり初級レベルの方には難しいです。
そこでオススメなのは、次の3つのパートに分けて発音練習することです。
正式な音節通りではありませんが、実際の発音に則していてとても役立つ方法です。
まずは日本人が苦手とされる「r」の音から克服です。
唇を「ウ」の形にすぼめるようにして、そこから舌を口の中でどこにも触れさせずに「リ」と言ってみます。
どちらかと言えば「ウィ」に近い「リ」になっていればOKです。
今度は「f」と「r」の合わせ技。
「f」は上の歯を下唇に軽く触れさせるところから音を出します。
上の歯と下唇の間から息を抜きながら、先ほどの「r」でやったように舌をどこにも触れさせずに「リッ」と言ってみます。「fウィッ」みたいな音になったでしょうか。
そしてこの「ウィッ」の部分にこの単語最大のアクセントがありますから、強めに意識して発音しましょう。
「ジ」は口を横に広げすぎず、かすかに「ジュ」を意識するくらいの方が良いです。「fウィッジ(ュ)」に近い「フリッジ」になると成功です。
最後のパートもまた「r」の音があります。
まず「ra」ですが、「ウ」の口の形から舌をどこにも付けずに「レイ」と言ってみます。「ウェイ」に近い「レイ」になるはずです。
続く「tor」の部分は「ター」とはっきり言うのではなく、舌先を上あごにかすかに触れさせる程度で「ラー」か「ロォアー」のような音で発音します。
伸ばし棒「ー」つまり「or」の部分は舌を根元から喉の奥に引っ込めるようにして発声します。
これはアメリカ発音ですが、イギリス英語では「ター」とはっきり発音し、「or」部分も日本語発音の「ー」にそっくりになります。
①~③を合せて、「ウィfウィッジ(ュ)ウェイラー」(でも「ウィ」は「リ」っぽく、「ウェイ」は「レイ」っぽく聞こえる)という感じで発音できましたでしょうか。
太字の部分がアクセントですので、忘れずに強く言ってください。
英語の発音に慣れない日本人にはなかなか難しいのがこの refrigerator。
ただ「r」は4つもありますが、「l」が無いのは救いかもしれません。
(library や vocabulary のようにlとrが混在するととたんに発音がわけがわからなくなることもありますよね)
こうした単語は難しい反面、日本語には無い英語の発音を練習する格好の材料にもなるでしょう。
他の単語がうまく発音できるようになることにも繋がると思って、ゆっくりでいいのでたくさん練習してみてください。
refrigerator は単語として大きく、言いにくいものです。
そこでネイティブの人たちは、短く省略してカンタンな言い方に変えたものをよく使います。
それが「fridge」です。
一気に短くなりましたね。
※「d」が入ってスペルが少し変わったことに注意してください。
発音記号は【frídʒ】で、カタカナでは「フリッジ」のように発音します。
先ほどの発音練習②を思い出してもらえればOKです。
「サラダを冷蔵庫に入れておいて」
なお、fridge は基本的に口語で使われるものなので、正式名称を記載するなどの必要があるときはきちんとrefrigeratorと書いた方が良いです。
refrigerator に関連するいろいろな表現をご紹介します。
いかがだったでしょうか。
あまりにも身近なものだから知っていて当然と思うようなものでも、意外と知らなかったり、難しく感じてしまったりするものはあります。
refrigerator はまさにその代表的な単語と言えるでしょう。
特に発音については、私も最初はとても苦労しました。
スムーズに言えるようになるまで何度も繰り返し練習を重ねたことをよく覚えています。
スペルと意味が分かる知識としてだけではなく、正確に発音でき、関連する表現などとうまく絡めながら適切な文脈で正しく使えるようになることを目指して練習を重ねていただければと思います。