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関係代名詞はいつ省略できる? 超簡単な見分け方と理由を解説

関係代名詞はいつ省略できる? 超簡単な見分け方と理由を解説

「関係代名詞」が中学英語の中で一番得意だった、という人は一体どのくらいいるでしょうか?

ルールを覚えれば文法自体は意外とシンプルなのですが、関係詞全てをマスターしようものなら、とにかく範囲が広く、覚えることがたくさん! その上、難しそうな文法用語も多く、苦手だったという人の方が多いかもしれません。

今日は、関係代名詞の中でも「関係代名詞の省略」に焦点をおいて、解説したいと思います。

関係代名詞の基本的な使い方をすでに理解されている方でも、どのような場合に省略できるのかを知りたい、または省略できるかを簡単に見分けるコツを知りたいなら、探している答えがここで見つかるはずです!
 

関係代名詞を省略できる場合の見分け方

関係代名詞を省略できる場合の見分け方

それでは早速、読者の皆さんが疑問に思っている「関係代名詞はいつ省略できるの?」の答えを見ていきましょう!

  • 関係代名詞は目的格の場合、省略できる
  • 目的格の関係代名詞は、後ろに<主語+動詞(助動詞)>が続く

つまり、関係代名詞の後ろに<主語+動詞(助動詞)>が続いていれば、省略できます。これが簡単に見分けるコツです!

関係代名詞の目的格には「動詞の目的語」となる場合と「前置詞の目的語」となる場合の2種類があります。(詳しくは次の項で説明します)

どちらの場合も関係代名詞の後ろは<主語+動詞>となっているので、省略できるかを簡単に見分けたい場合はまず関係代名詞を見つけ、その後ろに<主語+動詞(助動詞)>と続いているかどうかを確認してみてください。

また、厳密には上記以外にも、関係代名詞を省略できる場合があります。

  • 関係代名詞の直後に I think/I hear/I remember などが挿入される場合
She was the last person who I thought would betray us.

「彼女が私たちを裏切るとは思いもしなかった」

こちらは関係代名詞の主格ですが、関係代名詞を省略することができますので頭の隅っこで覚えておくと良いでしょう。
 

関係代名詞を省略できる場合の例文

関係代名詞を省略できる場合の例文

それでは実際に関係代名詞を省略できる場合の例文を見ていきましょう。

動詞の目的語

例1:The movie which I saw last night was super scary.

「昨夜見た映画はすごく怖かった」

○ The movie I saw last night was super scary.

「昨夜見た映画はすごく怖かった」

この英文では The movie が先行詞です。先行詞が物なので関係代名詞は which/that を使います。

which = the movie は、I saw the movie last night. という元の文の中で動詞の目的語となっていますね。

また which の後ろには I saw と <主語+動詞>が続いているので、この例文は関係代名詞の目的格とわかります。

なので例文1は関係代名詞の目的格(動詞の目的語)で、関係代名詞の省略が可能です。

例2:The people whom we visited yesterday were very friendly.

「昨日私たちが訪れた人たちは、とてもフレンドリーだった」

○ The people we visited yesterday were very friendly.

「昨日私たちが訪れた人たちは、とてもフレンドリーだった」

この例文では the people が先行詞です。先行詞が人なので関係代名詞は whom/who/that を使います。

whom = the people は、We visited the people yesterday. という元の文の中で動詞の目的語となっています。

また whom の後ろには we visited と<主語+動詞>が続いていることから、この例文は関係代名詞の目的格とわかります。

なので例文2も関係代名詞の目的格(動詞の目的語)で、関係代名詞の省略が可能です。
 

前置詞の目的語

例3:Do you know the lady who Mom is talking to outside?

「お母さんが外で話している女性を知っていますか?」

○ Do you know the lady Mom is talking to outside?

「お母さんが外で話している女性を知っていますか?」

この例文では the lady が先行詞です。先行詞が人なので、関係代名詞は who/whom/that が使えます。

今回は前置詞の目的語として使われている場合です。まず元の形を考えてみると分かりやすいでしょう。

Mom is talking to the lady outside. という文の中で the lady は前置詞 to の目的語になっていますね。また関係代名詞の後ろは<主語+動詞>の形も成り立っています。

なので例文3は関係代名詞の目的格(前置詞の目的語)で、関係代名詞の省略が可能です。

例4:I found the book which I’ve been looking for.

「ずっと探していた本を見つけた」

○ I found the book I’ve been looking for.

「ずっと探していた本を見つけた」

この例文では the book が先行詞です。先行詞は物なので、関係代名詞は which/that が使えます。

次に元の形を考えてみましょう。元の文は I’ve been looking for the book. ですね。

the book は前置詞 for の目的語となっています。また関係代名詞の後ろは<主語+動詞>が続いています。

なので例文4も、関係代名詞の目的格 <前置詞の目的語>で、関係代名詞の省略が可能です。
 

関係代名詞を省略できない場合の例文

関係代名詞を省略できない場合の例文

上で、関係代名詞を省略できる場合は目的格の whom/who/that/which の場合であると述べました。

では逆に省略できない場合はどういうときでしょう。

who/that/which が関係詞節中で主語となる場合は、関係代名詞を省略できない。

言い換えてみると、関係代名詞の主格は(例外を除いて)省略することができないということです。

The guy who sits next to Tom is from China.

「トムの横に座っている男の人は中国人です」

× The guy sits next to Tom is from China.

この例文では the guy が先行詞です。先行詞は人なので、関係代名詞は who を使います。

the guy = who は関係詞節(who sits next to Tom)の中で主語の働きをしていますから、この場合は関係代名詞を省略することができません。

My father works for a company which makes computers.

「私の父はコンピューターを作る会社で働いています」

× My father works for a company makes computers.

この例文では a company が先行詞です。先行詞は物なので、関係代名詞は which/that を使います。

a company = which は関係詞節(which makes computers) の中で主語の働きをしていますから、この場合は関係代名詞を省略することができません。
 

関係代名詞を省略できる場合の理由と解説

主格の関係代名詞は省略できず、目的格の関係代名詞が省略できることは前項で説明しましたが、なぜこのように省略できる場合とできない場合があるのでしょうか?

この理由を理解するためには、まず英語では語順がとても大事だということを知っておかなければいけません。

通常、英語では動詞が文の軸となり、<主語→動詞>の形をとります。

この主語の部分には、名詞か代名詞しか入らないので、<名詞(代名詞)→動詞>の形と言うこともできます。

これを英語の「名詞→動詞の原則」と言います。関係代名詞が省略できるかできないかは、この原則が大きく関わってきます。
 

主格の関係代名詞が省略できない理由

関係代名詞の格は、その後ろに続く関係詞節の中での役割で決まります。

主格の関係代名詞とは、関係代名詞が関係詞節の中で主語の役割をしているということです。

では実際に例文を見ながら省略できない理由を解説していきたいと思います。

The lady who lives next door is blind.

「隣に住む女性は盲目です」

who lives next door が The lady を修飾しています。

ところが、もし関係代名詞の who を省略してしまうと The lady lives next door is blind. となり、下線の部分で「名詞→動詞の原則」が成立し、元の文とは違う意味になってしまいます。

The milk that is in the fridge is old.

「冷蔵庫にある牛乳は古い」

こちらも 関係詞節 that is in the fridge が 先行詞 The milk を修飾しています。

ところが、もし関係代名詞の that を省略してしまうと The milk is in the fridge is old. となり、下線の部分で「名詞→動詞の原則」が成立し、元の文とは違う意味になってしまうのです

このように主格の関係代名詞を省略すると、文の意味自体が変わってしまうため、省略することができないというわけですね。
 

目的格の関係代名詞が省略できる理由

目的格の関係代名詞とは、関係代名詞が関係詞節の中で目的語の役割をしていると言えます。

ではなぜ目的格の場合は省略できるのか、実際に例文を見ながら解説していきます。

I liked the poem which you wrote.

「私はあなたが書いた詩が気に入りました」

目的格の場合も、関係詞節 which you wrote が先行詞の the poem を修飾しています。

では、関係代名詞の which を省略するとどうなるか見てみましょう。

I liked the poem you wrote. となり、下線の部分で「名詞→動詞の原則」が成り立たず、「名詞(the poem) + 代名詞(you) + 動詞(wrote)」となっていますね。

名詞の後ろに代名詞があるので、この2つの間で関係代名詞が省略されていることも容易に想像でき、意味自体も変わっていません。

このように関係代名詞を省略しても意味が変わらないので、誤って意味を取り違えることがありません。

The movie that we saw last night was terrible.

「昨夜私たちが見た映画はひどかった」

こちらも関係詞節 that we saw last night が先行詞の The movie を修飾しています。

では、関係代名詞の that を省略してみましょう。

The movie we saw last night was terrible. となり、下線の部分で「名詞→動詞の原則」が成り立たず、「名詞(The movie)+代名詞(we)+動詞(saw)」となっています。

また名詞の後ろに代名詞が続いているので、この2つの間で関係代名詞が省略されていることもわかりますし、意味に変化もありませんね。

目的格の関係代名詞は、省略しても意味が変わらない=意味を取り違える可能性はほとんどないことから省略が可能になった、というわけです。
 

省略できる関係代名詞を見分けよう

関係代名詞の中でも省略できる関係代名詞に焦点を置いて解説してきましたが、いかがでしたか?

関係代名詞を省略できるかどうかを瞬時に判別するコツは、関係代名詞の後ろに<主語+動詞>が続いているかどうかを確認すれば良いだけでしたね。また、省略できる理由として、文の意味が変わらないことも重要なポイントです。

今回は、省略できる目的格の関係代名詞の他に、省略できない主格の関係代名詞、また例外として省略できる主格の関係代名詞にも触れましたので、この2つの違いをしっかり覚え、関係代名詞の理解をより深めていただけたら嬉しいです。