日本を訪れる外国人観光客が年々増加し、2016年の訪日外国人数は、過去最多の2,403万人に到達。今後ますます増えることが予想されています。
そんな中、飲食店でお仕事をされている方は、ガイドブック片手に来店する外国人のお客さんに対し、満足する接客ができていますか?
緊張のあまりいつも通りのサービスができていない、と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、レストランやカフェなどの飲食店で働く人に役立つ英語フレーズと、接客のポイントをシチュエーション別に見ていきます。また後半では、外国人客が急増している居酒屋での接客英語もご紹介します。
これらをマスターしたら、お客さんに喜ばれるだけでなく、スタッフの皆に頼りにされること間違いなしです!
入店→席に案内する
- 【あいさつ】
- Hello.
「こんにちは」 - Good morning/afternoon/evening.
「おはようございます/こんにちは/こんばんは」
★ポイント
ここで “Welcome” と言うのは不自然です。普段するような挨拶をすればOK!
- 【予約の有無】
- Do you have a reservation?
「予約はありますか」
- 【人数について】
- For two?
「お二人ですか」 - For how many?
「何人ですか」
- 【席について】
- Smoking or non-smoking?
「喫煙ですか、禁煙ですか」 - Are you okay to share a table with other customers?
「他のお客様と相席でも大丈夫ですか」 - Would you like a table, or a tatami (Japanese style) room?
「テーブルがご希望ですか、それともお座敷(日本式の部屋) がいいですか」 - In a tatami room, you’re asked to remove your shoes. Would that be alright with you?
「お座敷では靴を脱いで上がっていただきますが、よろしいでしょうか」
★ポイント
座敷の使い方を知っている外国の方も多いですが、靴については一応聞いておくと親切です。
- 【満席の場合】
- The tables are all full right now.
「ただいま満席です」 - It will take around 15 minutes for the next available table.
「次のテーブルが空くまで約15分ほどかかります」
- 【席に案内する】
- This way please.
「こちらへどうぞ」 - Please have a seat anywhere you’d like.
「ご自由にお座りください」
お客様が着席→注文を受ける
- 【お茶や水のサービス】
- Would you like Japanese tea or water? We serve them free of charge.
「日本茶かお冷はいかがですか。無料でお出ししています」
★ポイント
海外では水やお茶が有料である場合が多いので、無料であることを教えてあげるとGood!
- 【メニューを渡す】
- Would you like to see our English menu?
「英語のメニューをご覧になりますか」 - We only have a Japanese menu.
「日本語のメニューしか用意していません」 - I’ll be back to take your order in a moment.
「後ほど注文を伺いに参ります」
- 【注文を受ける】
- Are you ready to order?
「ご注文はお決まりですか」
★ポイント
男女のカップルで来店した場合は、女性から注文を受けると好印象。大人数の場合は着席順に聞いていって大丈夫です。
- 【オススメする】
- I recommend (料理名).
「私は(料理名)をおすすめします」
★ポイント
“Our recommendation is…” (当店のおすすめは…)と説明してもいいですが、個人的にすすめるとお客さんは喜びますよ。
- 【飲み物、デザート】
- Would you like anything to drink?
「何かお飲み物はいかがですか」 - Any dessert?
「デザートはどうですか」
★ポイント
デザートの注文は食後に尋ねるのが一般的です。
- 【アレルギー、ベジタリアンに関して】
- Do you have any food allergies?
「食物アレルギーはありますか」 - I’ll inform the kitchen about your gluten sensitivity.
「お客様のグルテン過敏症についてキッチンにお伝えします」 - Our dishes may contain fish broth.
「料理には魚のだしが使われる場合があります」
★ポイント
和食に使用されるカツオやにぼしベースのだしに関して、認識がない外国の方もいらっしゃいますので、ベジタリアンには事前にお伝えすることをおすすめします。
- 【その他注文時のフレーズ】
- Would you like your drinks to be served right away or after your meal?
「飲み物は先にお出ししますか、それとも食後にしますか」 - Do you want to share the dish between two people?
「お二人でお料理をシェアしますか」 - Sorry, but we don’t serve (料理名).
「すみませんが(料理名)はお出ししていません」
- 【注文を受け終わったら】
- If you need anything please let us know.
「用事がある時はお声をかけてください」 - Please buzz this button to call us.
「このボタンを押してお呼びください」
料理を出す→皿を下げる
- 【料理を出す】
- Tempura soba?
「天ぷらそばの方?」 - Is that everything?
「注文はこれで以上でしょうか」 - Enjoy!
「どうぞお楽しみください」 - Bon Apetit!
「どうぞお召し上がりください」
★ポイント
料理名を上げ口調で言うと質問文になるので "(料理名)?" で「(料理名)の方?」という意味になります。
- 【皿を下げる】
- Was everything good?
「全てご満足でしたか」 - Are you finished?
「食事はお済みですか」 - Would you like anything else?
「他にご要望はありますか」
会計→お見送り
- 【レシートを渡す】
- Here is your receipt, but please take your time.
「こちらはレシートですが、どうぞごゆっくりなさってください」 - Please pay at the front (when you leave).
「お支払いは(お店を出る際に)出口でお願いします」
★ポイント
日本では注文を全て出し終わった時点でレシートを渡す場合が多いですが、海外では、お客さんが頼まない限り渡さないケースが多いです。
支払いを催促されているように感じる人もいますので、上記のように一言付け加えると丁寧だと思います。
- 【会計】
- That would be Ten Thousand Yen.
「お会計は1万円です」 - Would you like to pay all together or separately?
「お会計は一緒ですか、それともバラバラですか」 - How should I separate the bill?
「どのように会計を分けますか」
- 【お見送り】
- Thank you very much. Have a good day/afternoon/evening/night.
「ありがとうございました。よい1日を/午後を/夕べを/夜をお過ごしください」
★ポイント
常連さんではない限り、“Please come again”(またお越しください)ではなく、普通の挨拶でお見送りするのが一般的。“Have a good evening” と言うのは午後4−7時位まで、それ以降は “…night” を使うと自然です。
観光客の場合は ”Enjoy your stay in (地名)”((地名)で良い滞在を)などと言ってお見送りするのもいいと思います。
居酒屋での英会話
居酒屋は外国人にも大人気で、欧米でも “Izakaya” スタイルのレストランを見かけるようになりました。
上記の接客英語に加えて、居酒屋で頻出するフレーズもご紹介します。
- 【おしぼり 】
- Here’s a wet towel for you.
「おしぼりをどうぞ」
- 【お通し】
- Here is a small appetizer called (料理名). Enjoy.
「これは(料理名)という前菜です。お楽しみください」This appetizer is automatically included in the service charge.
「このお通しは自動的にサービスチャージに含まれます」
★ポイント
居酒屋の「お通し」システムを知らない外国人が、支払いの際にクレームをだすケースがあります。
お通しに料金が加算される場合は、事前に伝えておくと親切です。無料の場合は "It’s on the house."(無料です)と言いましょう。
- 【飲み放題】
- Are you interested in our all-you-can-drink deal for 2 hours? You can choose any drink from this menu.
「2時間の飲み放題サービスはいかがですか。こちらのメニューから選ぶことができますよ」 - I’ll let you know when it’s time for the last order.
「ラストオーダーになりましたらお知らせします」 - I’m here to take your last order.
「ラストオーダーを承ります」
- 【ビール】
- Would you like Kirin or Asahi?
「キリンですか、アサヒですか」 - Would you like a draft or bottled beer?
「生ですか、瓶ですか」 - In a glass or a pitcher?
「グラスでですか、ピッチャーでですか」
★ポイント
日本のビールの認知度は高く、ブランド名もよく知られています。
“Beer please.”(ビールください)と言われたら、上記のように聞きましょう。
- 【日本酒】
- We serve sake warm or cold. Which way would you like?
「お酒は熱燗か冷で出しています。どちらがお好みですか」 - I recommend that you drink this sake cold.
「このお酒なら冷で飲むことをおすすめします」
- 【焼酎】
- Shochu is a distilled drink made from potatoes, barley or rice.
「焼酎は蒸留酒で、芋、麦や米で作られています」 - The alcohol content is about 25%, so it’s stronger than sake or wine.
「アルコール度は25%なので、酒やワインより強いです」 - People like to mix it with fruit juice, soda or tea.
「フルーツジュースやソーダ、お茶などと割って飲むのが人気です」
★ポイント
焼酎も人気が上昇していますが、質問されたら上記のように説明しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
接客英語は、お決まりのフレーズをマスターすれば、後はほぼ同じパターンの繰り返しです。飲食店のタイプにより頻出する質問等があると思いますので、それらは個々に取り組み、少しずつ表現の仕方を工夫していってくださいね。
外国人観光客が飲食店で最も喜ぶサービスは、お店のスタッフとのコミュニケーションだと思います。美味しいごはんを食べることも大切ですが、快適な空間を楽しんだり、いろんな会話を通して「日本」を学ぶことが、彼らにとって大切な思い出となります。
みなさんも英語を使って、日本の素晴らしい「食」と「おもてなし」文化を発信していってください。