西東 たまき
(更新)
海外旅行に行かずとも、日本にいながらにして世界各国の食が楽しめる時代です。メニューの幅も広くなり、かつてなら現地へ行かないと食べられなかったものまで楽しめるようになってきています。
それとともに、メニューを見てもよく分からない未知の名詞も増えてきました。
そこで今回は「日本では馴染みの薄い外国料理のソースや調味料に関する英語表現」をご紹介します!
「調味料」は英語で “seasoning” と言います。“season” という単語を「季節」の意味で覚えている方も多いかと思いますが、「味付けをする」という動詞でもあるのです。
日本語では塩、砂糖、マスタード、マヨネーズなどはどれもひっくるめて「調味料」と呼んでいますね。しかし英語では、調理の味付けの基本となる塩、砂糖などは “seasoning”、マスタードやマヨネーズなどできあがった料理に風味付けするために使うものは “condiment” と呼んで区別します。
さて、外国料理では日本の食卓には馴染みの薄い “condiment” がたくさん登場します。いくつか挙げてみましょう。
地中海地方で使われるアイオリはマヨネーズによく似たソースですが、たっぷりのガーリックとオリーブオイル、ビネガーの代わりにレモン汁を使っているのが特徴です。
・Aioli is often confused with mayonnaise.
「アイオリは、よくマヨネーズと混同されます」
スペイン、フランスなど地中海地域で広く使われるため、“aioli / aïoli(フランス語)”、“alioli(スペイン語)”、“allioli(スペインのカタルーニャ地方で話されるカタラン語)” と、場所によって呼び方や表記が若干異なりますが、文頭 “ai / all” の部分が「ニンニク」を、“oli” の部分が「オイル」を意味しているのは共通です。
「ランチ」といっても “lunch(昼食)” ではなく、“ranch(牧場)” です。
ドレッシングとはいえ、サラダだけでなく揚げ物にも合うディップソースにもなるとあって、アメリカで最も人気のあるドレッシングと言われています。
こちらはマヨネーズをベースにバターミルク、サワークリーム、ヨーグルトを加え、ハーブ、スパイスなどで風味を出しています。
週末のブランチにぴったりな「エッグベネディクト(eggs Benedict)」に欠かせない、とろりとした黄色っぽいソースが “hollandaise sauce(オランデーズソース)” です。
イングリッシュマフィンにポーチドエッグ、ハムやベーコンなどを乗せた上からオランデーズソースをたっぷり流し掛ければエッグベネディクトの出来上がりです!
バターとレモン汁を卵黄で乳化したこの滑らかなソースは、茹でた野菜や魚など淡白な味の素材によく合います。
愛嬌(あいきょう)がある名前のこのソースは欧米のレストランメニューでもよく見られますが、もともとは南アフリカ地域で広く使われているチリソースのことです。
“peri peri” は、南東部アフリカの言葉で「トウガラシ」を意味しています。たっぷりのトウガラシを使い、タマネギ、ガーリック、オイル、レモン汁などを混ぜたピュレ状のさわやかな味はローストしたチキンにぴったり。
このソースを使った “peri peri chicken” は人気のメニューです。
メキシコ料理や南部アメリカ料理などでお馴染みのソースが “salsa” です。
トマトベースでタマネギ、ガーリック、チリ、コリアンダーなどが混ざった辛くてさっぱり、さわやかな香りの赤いソースは肉にも魚にもよく合います。
“salsa” とはスペイン語で正に “sauce(ソース)” のこと。ソースの材料に “cilantro” とあったら、それは「コリアンダー(coriander)」のことです。たっぷりのハーブで緑色になったソースは “salsa verde(緑色のソース)” と呼ばれます。
“volcano(火山)” なんて言葉が付いた食べ物なんて、どんなものかちょっと想像が付かないと思いませんか?
“volcano sauce” とあったら、それはチリソース入りマヨネーズのことで、意外にも海外の寿司レストランで使われることが多いソースです。海外の寿司メニューは名前も作りもとても独創的なのできっと驚くと思いますよ!
“iodine(ヨウ素/ヨード)” は、不足すると健康被害があるため、海外では塩への添加が義務付けられていることも多いミネラルです。
塩の売り場には “table salt / common salt(食卓塩)” や “sea salt(海塩)” などの種類がありますが、パッケージをよく見たら “iodized” と但し書きが見つかるかもしれません。
ユダヤ教の戒律に則したものを “kosher” と呼びます。
ユダヤ教の教えに従い、肉から血液を吸い取る処理をするのに使われた塩だったことから “kosher salt” と呼ばれるようになりました。粒が粗いのが特徴で、主に料理の下ごしらえに使う塩です。
調理ではなく仕上げに使う塩が、フランス語で「塩の花」という意味を持つ “fleur de sel” です。
大きめの結晶の食感を活かして、料理だけでなくパンやお菓子にも使われる高級塩として知られています。
英語のメニューを見ると、使われている食材や調理法がシンプルな表現で書かれていてとても勉強になりますよ。また、味覚表現に関する英語も少し知っておくと自分好みの味を見つけやすくなります。
当記事では “rich(コクがある)”、 “spicy(辛い)”、 “salty(しょっぱい)” の三つの味のソース/調味料をご紹介しました。
海外に行ったときは調味料売り場を覗いてみると、たくさんの発見があって面白いですよ。珍しい調味料が見つかるだけでなく、日本の調味料がどんな名称で売られているのかも知ることができます!