辻本 美有
(更新)
スラングとは、簡単に言うと「教科書では教わらない俗語」のこと。日本語でも「かっこいい」の意味で使う “cool” も、実はスラングの1つです。
仲間内などのくだけた場で使われるため、なかにはキレイとはいえない表現もありますが、ネイティブの日常会話でスラングは頻繁に登場します。そう、英語力を習得する上で、スラングを学ぶことは欠かせないのです。
今回は、どなたでも気軽に使え、かつネイティブもよく使うスラングを10つご紹介します。
「絶対に」「完全に」「きっぱり」といった強い肯定を表す副詞です。何かを強調したいときはよく “very” を使いますが、そこを “absolutely” に変えるだけでよりネイティブっぽい小慣れた表現になります。また、“not” を付け加えるだけで強い否定を表すこともできますよ。
You are absolutely correct!
「あなたは絶対に正しいよ!」Absolutely not!
「絶対に違うよ!」
「同情して共感する」ニュアンスを持ち、相手と同じ経験をしたときに使えるフレーズです。単純に “I think so,too” と言うよりも感情がこもっていて、より親密な感じがしますね。
A:I don’t wanna take the exam tomorrow…
「明日試験を受けたくないよ」B:I feel you, man. Just take it easy!
「分かる分かる。気楽にいこうぜ!」
“here” だけでももちろん通じますが、より明確に「ここ!」と伝えることができネイティブもよく使います。実は “right here” の方が “here” よりもネイティブにとっては自然なんです。
A:Where is my phone?
「私の携帯はどこ?」B:Right here!
「ここだよ!」
こちらは “jealous(ねたんで、嫉妬して)” からきたスラングです。うらやましいとき、嫉妬を感じたときなどに使われます。
A:Look at this! My mom bought me new kicks!
「見て!ママが新しいスニーカーを買ってくれたんだ!」B:So cool! I’m jelly!
「かっこいい!うらやましいよ!」
「失敗した/混乱している」という意味を持ちますが、“messed up” をbe動詞と一緒に使うか、動詞として使うかで意味が変わります。
be動詞と組み合わせて使う場合は、飲み過ぎや頭がおかしい状態を指します。
He was messed up last night.
「彼は昨夜、飲み過ぎでベロベロだった」
動詞として使う場合、「失敗した」という意味合いになります。
I messed up!
「失敗しちゃった!」
「久しぶり」を “Long time no see.” と教科書で教わった方も多いのではないでしょうか? でも実はこのフレーズ、ネイティブはほとんど使いません。
“catch up” は本来「追いつく」の意味ですが、以前頻繁に会っていた人に対して「久しぶりに会って話そう」というニュアンスを伝えたいときにも使われます。
“catch up” のあとに人を置きたいときは “with”、物事を置きたいときは “on” を使います。
I want to catch up with you.
「久しぶりにあなたに会いたいよ」
また、何かやるべきことがある場合にも「追いつく、遅れを取り戻す」のニュアンスを込めて “catch up” を使います。
I have to catch up on.
「やるべきことをしなきゃ」
“stuff” は会話のなかで特定の対象を指す際に使います。まさに日本語の「〜なもの」と同じで、何にでもあてはまる便利な単語です。
会話によって意味合いが変わるため、ここでは2つの例文をご紹介します。
I’ve got so much stuff to do today.
「今日はしなきゃいけないことがたくさんあるの」That’s my stuff!
「それは私のものよ!」
褒め言葉で、“good job!” と同じ意味合いです。誰かを励ますときや、褒めるとき、お祝いするときにも使えますよ。
A:Mom! I got through the exam!
「ママ!試験に合格したよ!」B:Way to go!
「おめでとう!」
“word” といえば「文字、言葉」という意味ですが、そこから直前の相手の話に対し「もちろん!」とうなずくときや、「ほんとうに?」と確認するとき、また「そうだよね」と同意するときに使われるスラングに派生しました。
A:He is so cool.
「彼ってとってもかっこいい」B:Word!
「だよね!」
A:I had lived in Japan for 3 years.
「日本に三年間住んでいたの」B:Word?
「ほんとうに?」
「最高」「素敵」「素晴らしい」といった、良い意味で使われるスラングです。“Excellent” と同じような感覚で使うといいでしょう。
A:How was your weekend?
「週末はどうだった?」B:It was awesome!
「最高だったよ!」
いかがでしたか? 今回紹介したスラングは、比較的誰でも使える気軽なものばかり。ネイティブとより会話を楽しむためにも、ぜひ取り入れてみてくださいね。
会話が弾めば、そこからさらにおもしろい表現に出会えるかもしれません! あまりキレイじゃないほうのスラングは、また次の機会に……。