SHIORI
(更新)
英語で「ゴミ」というと、一般的に trash と garbage、この2つの単語がパッと頭に浮かぶ人が多いと思います。
ですが、この2つの単語の違いまで答えられるという人はどうやら少ないようです。
実を言うと、この他にも「ゴミ」の英語表現はまだまだたくさんあり、いろいろな種類のゴミがあるように、それぞれの単語の使われ方や、表す「ゴミ」の形体が違ってきたりします。
そこで今回は、「ゴミ」の英語表現6つと、英米の違いや使い分け方を徹底解説していきたいと思います。
冒頭でも少しだけ触れていますが、「ゴミ」を表す英単語はいくつかあります。中でも、ネイティブが日頃使っているものを6つ紹介しますね。
アメリカでよく使われている trash(トゥラッシュ)という単語は、紙くずや布、ガラスなどの一般的なゴミ(腐敗しない乾いたゴミ)を指します。生ゴミ以外のものに対して使われ、家具家電などの、大きくてかさばるようなゴミに対しても使われます。
また、trash は動詞としても使われることがありますが、あまり頻繁ではありません。例えばオンラインゲームをしているときなどに、対戦相手に対して I’ll trash you というふうに使われ、「圧倒的に倒してやる・めちゃくちゃにしてやる」などという意味になります。
また、厳しい評価をするときに「(ゴミのように)悲惨だ・(ゴミ同然に)ひどい・くだらない・たわごと」といった意味で使われたりもするので、いろいろな場面で聞く機会があります。
「このゴミ外に出してくれる? 外にゴミ箱(大型ゴミ容器)あるからね」
「これゴミ?」
「うん、捨てていいよ」
「新人のことどう思う?」
「彼はダメだ」
「彼女は酔っ払っているときにホテルルームをめちゃくちゃにした」
「彼はくだらない話をしている」
garbage(ガービッジ)という英単語は、主に食品廃棄物などの腐敗してしまう生ゴミを指します。
アメリカでよく使われる英語表現で、価値に値しないものや、意味のないもの、くだらないもの、質が悪いもの、またはひどく気嫌っているものに対しても使われます。
trash と garbage はもともと区別して使われていましたが、最近ではどちらも一般的なゴミとして使われることが多くなってきています。
「この(なま)ゴミすっごい臭うね。外に出そう」
「みんなが話してた映画、悲惨だったよ」
「トムの口から出てくる言葉ひとつひとつがくだらない」
=「トムはいつもくだらない話をしている」
rubbish(ラビッシュ)はイギリスでよく使われる単語で、trash と同じような意味があります。
主に紙くずやガラス、布や木材、ペットボトルなど、腐ることのない乾いたゴミを指すことが多いです。しかし、生ゴミと区別せずに使われることもあり、ゴミ全般に使うことができる英単語です。
不要になったゴミといっても、rubbish はリサイクル可能なものとそうでないもの、どちらも指すことができます。
また、rubbish はアメリカでも使われることがあり、その場合は trash よりもフォーマルなニュアンスを持っています。特に、形容詞的な用法の悪い意味で使われる場合は、trash や garbage よりも少し上品(柔らかめ)な聞こえ方になります。
「ゴミをゴミ箱に入れてちょうだい。そこに(ゴミを)残さないで」
「あのオペラは残念だった」
ゴミの性質を表現できるこの waste(ウェイストゥ)という単語は、使用済みの廃棄物(リサイクル不可能なもの)を指します。
前に単語を付け加えることにより、どこから出た廃棄物なのかをさらに詳しく表すことができます。
「キャビンアテンダントがまもなくゴミの回収にやってきます」
「私たちはオレンジの皮でお茶をいれて食品廃棄物を出さないようにしています」
公共の場などに散乱した紙くず、空き缶、ペットボトル、タバコの吸いがらなどのゴミは、litter (リダー)といいます。
また、「道路にゴミを落とす」という意味の動詞としても使われることがあります。
海外に行ったことがある人は、「ポイ捨て禁止」という意味の No Littering や Don’t litter が書かれたサインに見覚えがあるのではないでしょうか?
「ポイ捨てをしないでください。ゴミは提供された入れ物に入れてください」
「パーティーの後、床はビール瓶のキャップで散らかっていた」
量が多かったり、ゴミそのもののサイズが大きい場合などは、refuse(レフューズ)という単語を使うことができます。
とはいっても、refuse は今まで紹介してきた全ての単語(trash、garbage、rubbish、waste、litter)に代わって使うことができ、幅広い意味を持っています。
使用済の廃棄物という意味で使うこともありますが、refuse は waste と違い、リサイクルできないものからできるものまでの、廃棄物全般を指します。
しかし、refuse はあまり一般的に使われることはなく、大量に製品生産をしている工場など、企業で使われることが多い単語です。
「すべての残飯をゴミ箱に入れてください」
「私たちの不要になったゴミをリサイクルセンターに持っていってください」
「ゴミ」という英語表現がいくつかあるように、「ゴミ箱」もさまざまな呼び方があります。下記では、「ゴミ箱」の種類とその使い分け方を説明していきます。
家などで一般的に使われるゴミ箱のことを、アメリカ英語で trash can または trash bin と言います。
しかし、オフィスなどで使われる場合、同じゴミ箱でも wastebasket と呼ばれることがあります。
これは、単純に trash よりも waste の方が聞こえが良くて、オフィスなどの場所に適しているからだと言われています。
イギリス英語では can よりも bin や basket が一般的に使われ、rubbish bin や waste bin、waste paper basket という単語が使われます。
ちなみに日本では、ゴミ箱という意味で「ダストボックス」という言葉を耳にすることがありますが、これは和製英語なのでネイティブには通じません…
家の外に置くような大きめのゴミ箱のことも、アメリカ英語では trash can と呼びます。
garbage can と呼ぶこともできますが、ほとんどの人が trash can と呼びます。
イギリス英語では dustbin と呼ぶのが一般的です。
さらに大きい金属製の大型ゴミ収集容器のことを、アメリカ英語で dumpster と言います。
これは、Dumpster Brothers社登録商標であり、dump「投げ捨てる」という単語からきています。
イギリス英語では rubbish cart または skip と呼ばれ、この単語は、skep というバスケットを示す単語からきているとされています。
今やゴミの分別をすることは当たり前になってきていますよね。ゴミの分別を表すときに使われる英単語は separate「分別する」です。
separate the trash/garbage/rubbish「ゴミを分別する」という英語表現が使われます。
また、「ゴミを回収する」場合は、collect the trash/garbage/rubbish になります。
「ちょっと! 資源ゴミと(そうでない)ゴミで分別してって言ったじゃん!」
「ゴミ外に出してくれる? 今日は可燃ゴミの回収してるはずよ」
なお、ゴミ分別をする上でよく使われる「可燃ゴミ」や「不燃ゴミ」、「資源ゴミ」の英語表現は下記の通りです。
アメリカ英語→ flammables/burnable trash/burnable garbage
イギリス英語→ burnable rubbish/combustibles/flammables
アメリカ英語→ non-flammables
イギリス英語→ non-combustibles/non-flammables
アメリカ英語→ recyclable trash/recyclable garbage/recyclables
イギリス英語→ recyclable rubbish/recyclables
アメリカでは、会話の中で「資源ゴミ」と「その他のゴミ」を分けて表現することはしょっちゅうありますが、「可燃ゴミ」と「不燃ゴミ」を分けて表現することは滅多にありません。
ですが、燃えるものなのか燃えないものなのか、または非常に燃えやすいものなのかを表現する際には、flammable「可燃性の」という単語が使われます。
flammable「可燃性の」、non-flammable「不可燃性の」、extremely/highly flammable「高可燃性の」の3段階で分けられることが多いです。
flammable という単語はもともと形容詞で、「〜は可燃性だ」や「可燃性の〜」などという意味で使用します。
しかし、「可燃性のもの/物質」を総合して、英語ネイティブは flammable を名詞として扱うこともあります。
名詞の場合は次のように訳すのが自然です:
名詞として扱う場合は、複数のものを指していることが多く、複数の場合は単語の最後に s がつきます。
「これらは可燃物(可燃ゴミ)です」
「今日は不燃物(不燃ゴミ)の回収してるよ」
単数形の名詞として使う場合、This flammable「この可燃物」という言い方はできるものの、This is a flammable というような使い方はあまりしません。
これは、もともとの単語 flammable が形容詞で、後に何も付けずに終わってしまうと不自然に聞こえるからです。
少し難しい話をしましたが、基本的に flammable は形容詞で名詞を修飾するものなので、名詞的用法で使うのが難しい場合は、まずは形容詞として使えるようになると良いでしょう。
・形容詞として使う場合の例:
「このゴミは可燃性がある(これは可燃ゴミです)」
「これは可燃性がある」
「空気中の可燃性の高いガスを吸い込まないで」
「これは不燃性のおもちゃです」
・名詞として使う場合の例:
「これらは可燃物(可燃ゴミ)です」
「今日は不燃物(不燃ゴミ)の回収してるよ」
「この可燃物は正しく処理される必要がある」
どうでしたか? 単にゴミといっても、たくさんの英語表現があります。
今回は6つのゴミの英語表現を紹介しましたが、中でも使われる頻度が高いものは、アメリカ英語の trash/garbage とイギリス英語の rubbish の3つです。
また、英米どちらでも使える waste/litter/refuse の使い分けができるようになると、会話の範囲も一段と広がります。
環境問題に大きく関わるゴミのトピックは、世界共通でとても関心の高いものになっているため、これを機にゴミの種類による英語表現の使い分けができるようになるといいですね!