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“in the pink of health” ってどういう状態!?直訳不可能な英語のお決まりフレーズ

“in the pink of health” ってどういう状態!?直訳不可能な英語のお決まりフレーズ

“It rains cats and dogs.”
突然ですが、この英語を日本語に直せますか?
「犬や猫が雨のように降る」「犬や猫に雨が降り注ぐ」、そのどちらも違います。

今回は、このような日本語に直訳不可能である英語表現を集めてみました。ぜひ英語の難しさ、そして面白さを味わってみてください。

由来まで覚えたい “直訳不可能” な英語フレーズ

rain cats and dogs

雨が激しく降る

雨が激しく降る

「雨が降る」はわかりますが、「犬」や「猫」の意味するところがわかりにくいですよね。
この言葉は、北欧神話のなかで「猫は雨を降らせる力があり、犬は風を起こす力がある」と信じられていたことに由来します。そのため “rain cats and dogs”  は「雨が激しく降る」「大雨が降る」という意味を表すのです。

It's raining cats and dogs.

「雨が激しく降る」

a skeleton in the closet

人に知られたくない秘密

直訳すると「クローゼットの中の骸骨」。
古代エジプトでは、人生には楽しみばかりでなく苦しみもあることを思い起こさせるため、宴会では骸骨を飾っていたそうです。19世紀になると “skeleton” が「他人に知られたくない秘密」の意味で使われるようになりました。

Everybody has a skeleton in the closet.

「誰にでも人に言えない秘密がある」

in the pink of health

元気いっぱい

「健康のピンクの中で」と訳すと、全く意味が掴めません。英語においてピンクという色は極めて健康な状態、最高な状態を意味します。これは赤ん坊の肌の色を連想するためと言われています。
日本語における「ピンク映画」のような、性的なニュアンスが英語にはありません。英語では “blue” がその意味にあたります。

My grandfather is in the pink of health.

「私の祖父は元気いっぱいです」

apple-pie order

きちんと整理されている状態
きちんと整理されている状態

直訳すると「アップルパイの順序」。
通説では、昔アメリカにやってきたイギリス婦人らが、週の初めに1週間分のパイを焼いておき、貯蔵室の棚に「食べる曜日の順」に置いたことに由来すると言われています。

Her room is always in apple-pie order.

「彼女の部屋はいつも整然としている」

egg someone on

人をそそのかして~させる、扇動する

このフレーズを「卵をぶつける」と解釈して「批判する」や「罵倒する」と予想したかもしれませんが、そうではありません。
この “egg” は “edge” が変化したものです。“edge” には「少しずつ進む、ジワジワと進む」という意味があり、それが転じて「人をそそのかして~させる、扇動する」という意味が生まれました。
ちなみに、「卵をぶつける」は “have egg on one’s face” で、「面目丸つぶれ」「赤面する」という意味にもなります。

I egged him on to join the prank.

「私はイタズラに加わるよう彼をそそのかした」

ambulance chaser

悪徳弁護士

直訳すると「救急車を追いかける人」となるこの言葉が意味するのは、「悪徳弁護士」。
交通事故の被害者が乗った救急車を追跡して被害者やその家族に会い、加害者に損害賠償金を請求するようけしかけて儲けようとする弁護士の様子から、この言葉が生まれました。
ここから転じて、惨劇などを追いかける報道人のことを “jet-age ambulance chaser” とも言います。

I can’t trust him because he is an ambulance chaser.

「彼は悪徳弁護士だから信用できない」

bring home the bacon

生活費を稼ぐ

働いて金を持ち帰る、生活費を稼ぐ

15世紀、イギリスのとある教会で、「この教会で結婚式を挙げ、一年後も仲良く暮らしている夫婦に賞品としてベーコンを与える」という行事が始まりました。この行事は19世紀末まで続き、“bring the bacon home” は「勝利」や「成功」の意味で使われたのです。
これが「食いぶちを得る」や「事業に成功する」の意味に発展したと言われています。

I have to work hard to bring home the bacon.

「家族を養うために一生懸命働かなければならない」

Indian summer

小春日和

「インドの夏」とも訳せますが、正解は「小春日和」。
そもそも小春日和とは春ではなく、11月から12月にかけてのよく晴れた暖かい日を指します。小春日和を「インドの夏」と表現する理由はさまざまな説があるようです。一説には、アメリカ・インディアンが最後の収穫を済ませ、冬の食糧をしまう季節、つまり「インディアンの夏の終わり」に当たるからだと言われています。

It is an Indian summer today.

「今日は小春日和だ」

knock on wood

いつまでも運が続きますように
いつまでも運が続きますように、嫌な目にあいませんように

直訳すると「木材を叩く」。日本語にしづらいですが、あえて訳すとすれば「いつまでも運が続きますように」「嫌な目にあいませんように」となります。英語圏には「木に触れる」という迷信的な仕草があります。自慢話や調子のいいこと、幸運なことについて話した直後、災いを避けるためのおまじないなのです。
“knock on wood” と言う代わりに、木でできているものを叩いてみせることもあります。この仕草は鬼ごっこ遊びで「木に触れている間は鬼に捕まらない」というルールに由来すると言われています。

I’ve never been defeated in poker. Knock on wood!

「ポーカーでは負けたことがない。おっと!」

total recall

完全記憶能力

“total” は「完全な」、“recall” は「思い出す」という意味で、「完全記憶能力」を意味します。アメリカのベストセラー小説のタイトルが語源です。
ちなみに、“remember” と “recall” は似ていますが意味が異なります。
“remember” は「忘れていたことを(もう一度)自分の過去や過去の情報の中から思い出すこと」です。覚えていることを、必要に応じて思い出すとも言えます。

一方 “recall” は、「忘れていたことを(誰かに過去の出来事や思い出を話すために)意識して思い出すこと」です。つまり一度は忘れているということです。

He has total recall of the episode.

「彼はその出来事を完全に記憶している」

おわりに

いかがでしたか? 奇想天外な、とても予想できない意味を持つ表現ばかりだったのではないでしょうか。
英語に限らず、言葉にはそれを生み出した地域や国の歴史、文化が反映されています。そして語源を紐解くことで、実にさまざまなエピソードに触れることができます。
「この言葉はどういう意味だろう?」という表現に出会ったときは、さらっと流さずにその背景まで追ってみると、覚えやすくなるかもしれませんね。
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