轟 なぎさ
(更新)
「とても〜、大変〜、本当に〜」を全部 “very” にしていませんか?
皆さんが英語を話す時、「今日はとても暑い日です」と言いたければ “It’s very hot today.” と即座に訳し、また「彼のチームはとても強いね」と言いたい時は “His team is very strong.” と表す。
そのように強調をしたいとき、“very” を形容詞の前に入れて表現することが多いと思いますが、それだと何か表現力が足りないとか、単純な文に聞こえてしまうと感じることはありませんか?
今回は「とても〜」「大変〜」「本当に〜」と言う時に “very” 以外で強調できる表現方法と、 “very” はどんな時に使ったら効果的なのかを説明し、ネイティブに近い表現力を身につける “Tips” (耳より情報)をご紹介します!
皆さんは、「コロケーション」という言葉を聞かれたことはありますか?
言語学では言語の勉強をする際、最初に学ぶこととされていて、日本語では「連語」と言っています。
これは、「言葉と言葉をつなげ、新たな意味をもつような言葉や表現」を指しますが、英語の場合は“beautiful car” とか “big table” というように形容詞と名詞をセットにした表現もコロケーションです。
英語を勉強する時には「どの言葉とどの言葉がうまくつながるのかを考え、適切な組み合わせや表現を用いる」ことはとても大切なこと。
単語と単語を組み合わせて適切な表現ができないと、どうしても不自然な英語になってしまったり、時には使えない表現を平気で使っている、ということにもなりかねません。
したがって、英語の単語は単に文法通りにひっつければいいというものではなく、適切な組み合わせによって表現力を豊かにする勉強法がとても重要になってきます。
“very” をつけてさっと訳しても文法上何もおかしくないので、ついつい何でも “very” をつけて強調する癖がついているかもしれませんが、 “very” だけではどうしても表現力や語彙力が限定されてしまいます。
様々な情景や状態を示す表現を強調する時には、他にどんな表現を使うとよりプロフェッショナルに聞こえるのでしょうか。
また、ちょっと豊かな表現やスマートなビジネスセンスにあった表現をするには、どんなことに注意すればよいのでしょうか。それでは次に例をあげてご紹介していきます。
「今日はひどい頭痛があるの」と言いたい時の「ひどい」という表現や、「利益が非常に増えた!」という場合の「非常に」にはどんな表現を使えばいいのか。
ここでは「強い形容詞」と「副詞」を使って表す方法の2パターンをご紹介します。
「頭痛」は英語で “headache”。
「ひどい頭痛」と言いたい時、以下のように表現するとかなりネイティブに近くなります。
“a severe headache”
“a terrible headache”
“a splitting headache”
“a bad headache”
ここでは “heavy” や “strong” は通常使わないのです!
“very” を使って強調しようとすると、 “heavy” とか “strong” とひっつきそうになるので、むしろこのような表現は、 “very” を使用せずより強い意味を持つ「形容詞」を用いて表現するようにしましょう!
英語のコロケーションには、使用頻度がかなり高い表現はある程度はっきりとしていますので、できるだけネイティブに近く、みんながよく使用している、頻度の高い表現を選んで身につけるようにしましょう!
今ご紹介したものは、「形容詞」を用いて「非常にひどい」や「大変な」などを表現する場合ですが、もう一つ便利な方法があります。
それは、「副詞」を使った強調方法です。
例えば「利益が非常に増えた」は副詞を使って次のように表すことができます。
「利益が非常に増えた」
“tremendously" は「ものすごく、非常に、大幅に」のような意味合いがあります。同様に使われるその他の副詞は以下の通りです。
“extremely” (非常に、大変、ものすごくなどの意味で特によく使う口語表現)
“substantially” (大幅に、相当など、大きく伸びたような場合に使う表現)
“remarkably” (著しく、顕著に、目立ってといった意味合いが強い)
“drastically” (徹底的に、劇的に、抜本的になどの意味)
上記のものは、いずれも「著しく」とか「非常に」とか「目立って」を表す副詞として使われます。
これらはそれぞれ多少意味合いが異なりますが、「大幅に」や「非常に」といった表現をしたい場合にとてもよく使われます。
英語でプレゼンをする際に、売り上げや個数など数字を強調する表現をたくさん使いたい場合には、これらの「副詞」を使って強調するのがよいでしょう。
これらは概ね数字全般、例えば、幅、大きさ、程度や量などが著しく変化するような動詞と一緒に使われる便利な表現です。
ここまで読まれた方は「じゃあ “very” を使うのはよくないの?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
“very” は使うタイミングによっては、大変効果があり、また強烈な印象を与える単語でもあります。
それではどのように使えばより効果的なのでしょうか。
冒頭で「今日はとても暑い日です」は “It’s very hot today.” と表し、また「彼のチームはとても強いね」は “His team is very strong.” と言うように、 “very” を形容詞の前に入れて使うことが多いと述べましたが、これは即ち「人の感情を表す場合に効果的」ということ!
「暑い日」と感じているのは人です。また、彼のチームが「強い」と感じているのも人の印象ですよね。
即ち、「人が受けた感情や印象」を如実に表したい時は、 “very” がすっきりとしていて、なおかつストレートに人に強烈な印象を与える表現だということです。
また口語表現の中では、“very” の他に、“so” や “really” なども頻繁に使いますので、一緒に覚えておきましょう!
「彼は今、とても気分がいい」
“His voice is very big!”
「彼の声はとても大きい」
“It’s so good!!”
「とてもイイね!」
“He can speak really fast!”
「彼はとても早く話す」
このように「どの名詞にはどのような形容詞が適切で、どの動詞とどの副詞の相性がいいのか」ということを、いつも考えなければいけないので、英語を勉強する際には、主に次の二つのことを念頭に入れて勉強をしましょう!
①「コロケーション」は、口を動かして発音しながら覚えましょう!
ネイティブが書いた「質の高い英語の文章」、あるいはネイティブによる使用頻度が高いコロケーションをできるだけ用い、イントネーションも含めて「発声する」練習を日頃からしましょう。
質の高い英語の文章を見ていつも “Vocalization” (発声)しながら勉強することで、「この名詞にはこの形容詞がよくついている」というような語調や言葉の流れなど、適切な英語の表現をコロケーションとして覚えていくようにしましょう!
②一つの名詞には使えても別の種類の名詞には適さない形容詞があることを常にチェックし、自分だけの単語帳をつくりましょう!
インターネットニュースや英字新聞などで見かけた良い表現は、こまめに単語帳に書きとめ、それぞれの組み合わせを考えながらコロケーションの単位で覚えるようにしましょう。
以上、いかがだったでしょうか。
この記事が英語学習者の一助けになれば嬉しいです。