will の過去形が「would」になるのはなぜ? 時制の一致について解説します!

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「will は未来時制を表すのになぜ過去形があるの?」

「will の過去形は would だと知っているけど、使い方がイマイチよくわからない」

このように思ったことはありませんか?

今日は、will の用法をおさらいしながら、時制の一致で will が would になる場合、また will の過去形の would として使われる場合も見ていきたいと思います。

「時制の一致!? 聞き覚えはあるけど…」と思われた方もご安心ください。時制の一致について一からしっかり解説していきます!!
 

will の使い方のおさらい

will の使い方のおさらい

それではまず will の使い方のおさらいから始めましょう!

will には「単純未来」「意志未来」の用法があります。
 

will の使い方は単純未来と5つの意志未来

「単純未来」は、今よりも後に起こる事実や確信を表します。

She will be back soon.

「彼女はもうすぐ戻ってくるでしょう」

 

「意志未来」には「強い意志」「推量」「予定」「依頼」「拒絶」の5つの意味があります。

  • 強い意志や決断を表す will
  • I will do my best to pass the test next month.

    「来月のテストに合格するため最善を尽くします」

  • 「〜でしょう」と推測する will
  • She will be in her office.

    「彼女はオフィスにいるでしょう」

  • 「〜つもり」と予定を表す will
  • I won’t be coming home late tonight.

    「今夜、帰宅は遅くならないつもりです」
    ※ won’t は will not の短縮形

  • 依頼をする will
  • Will you do me a small favor?

    「ちょっとお願いをしてもいい?」

  • 否定文になると「強い拒絶」を表す
  • She won’t help me clean up.

    「彼女は片付けるのを手伝ってくれない」

「will の使い方をもっと詳しくおさらいしたい!」という方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

will は未来を表すだけ? 意味と使い方【完全ガイド】

助動詞「will」の意味と使い方|コアイメージを掴んで使いこなそう!

January 30, 2021
 

will の過去形が would とされるのは時制の一致のため

will の過去形が would とされるのは時制の一致のため

「will の過去形が would なのは知っているけど使い方がイマイチ…」と思っている方、この項目は必読です!

ここでは時制の一致について特に詳しく解説します。
 

「時制の一致」とは

まずは「時制の一致」という、なんだか難しそうな響きの文法用語を見ていきましょう。

主節の動詞と従節の動詞(※)の時制を合わせることを「時制の一致」と言います。

ここで「節」についてさっとおさらい!

I’ll go home when I finish typing this page.

「このページをタイプし終えたら帰宅します」

この文中の「I’ll go home」と「when I finish typing this page」は、それぞれの中に「主語と述語」を持っていますよね。これらを「節」と言います。

この例文で「when I finish typing this page」は副詞として働いていますが、その他にも名詞・形容詞の働きをしていて、従属している方を「従節」と言います。

またこれを従えている方「主節」と言います(ここでは「I’ll go home」)。
 

主節と従節を同じ時間軸に

時制の一致では主節と従節が同じ時間軸になるパターンがあります。

I know she is single.

「私は彼女が独身だと知っています」

この例文では、「I know」が「主節」、「she is single」が「従節」です。主節の動詞 know が過去形 knew になると、従節は次のように変化します。

I knew she was single.

「私は彼女が独身だと知っていました」

主節の動詞が過去形になることで、従節の動詞も変化します。これを時制の一致と言います。knew と was はどちらも過去形で、時間軸は同じですね。

She thinks he is bold.

「彼女は彼が図々しい男だと思っている」

この例文では「She thinks」が「主節」、「he is bold」が「従節」です。この例文も主節の動詞 think が過去形 thought になると、従節の動詞も変化します。

She thought he was bold.

「彼女は彼が図々しい男だと思った」

こちらも thought と was は過去形で、時間軸が同じですね。

このように「主節」と「従節」の動詞が同じ時制になる(同じ時間軸になる)パターンは、意外と覚えやすいかと思います。

また従節に関しては、時制の一致が起こる前の時制で訳しますので、ここも注意が必要です。

たとえば「I knew she was single.」では「私は彼女が独身だったと知っていた」と訳すのではなく、「私は彼女が独身だと知っていた」と訳すのが正しいです。
 

主節が過去形の場合

時制の一致では、主節の動詞が過去形になると、従節の時制も変化することは上で触れましたが、これは従節の元々の時制によって、どう変化するかが決まってきます。

I know Dad is at work.

「お父さんが会社にいるのを知っている」

I knew Dad was at work

「お父さんが会社にいるのを知っていた」

これは上述の同じ時間軸になるパターンですね。

従節「Dad is at work」は現在のことを言っています。なので主節 I know が過去形 I knew になると、従節の時制も現在形から過去形になります。

I think she has been sick.

「彼女はずっと病気だと思う」

I thought she had been sick.

「彼女はずっと病気だと思った」

ではこちらはどうでしょう?

従節「she has been sick」は現在完了ですね。主節 I think が過去形 I thought に変化すると、元々現在完了だった従節は、時制の一致によって過去完了に変化します。

She thinks he will be late for class.

「彼女は彼が授業に遅れると思う」

She thought he would be late for class.

「彼女は彼が授業に遅れると思った」

こちらの例文では、従節「he will be late for class」は未来のことを言っていますね。主節 She thinks が過去形 She thought に変化すると、従節は「過去の時点から見た未来」になります。

この「過去の時点から見た未来」に関しては後述の「would が will の過去形となる使い方」で説明します。
 

動詞だけでなく助動詞も時制を合わせる

このように時制の一致では、主節の時制に合わせて従節の動詞も変化することを上で説明しましたが、これは動詞だけでなく、助動詞も同じです。

will の過去形が would とされる理由の1つは、このことを言っています。

I think they will arrive soon.

「彼らはもうすぐ到着すると思います」

I thought they would arrive soon.

「彼らはもうすぐ到着すると思った」

従節が未来時制の場合、主節の動詞が過去形になると、助動詞を過去形にしなければいけません。

She thinks her mom may come any minute.

「彼女はお母さんがもうそろそろ来るかもと思います」

She thought her mom might come any minute.

「彼女はお母さんがもうそろそろ来るかもと思った」

will 以外の助動詞で表されている場合も、主節の動詞が過去形になると、助動詞を過去形にします。
 

would が will の過去形となる使い方

would が will の過去形となる使い方

では次に will の過去形となる would の使い方を見てみましょう。
 

過去から見た未来

ある過去の時点で、未来のことを話すときに would を使います。

He was still young, but I knew he would be a millionaire.

「彼はまだ若かったが、私は彼が億万長者になるとわかっていた」

彼が若かったときは、過去のことですね。そのときから見て、彼は億万長者になる、と未来のことを言っています。

I was only fourteen when I thought I would move to America after high school.

「高校を卒業したらアメリカに移住しようと思ったのは14歳のときだった」

「私」が14歳だったのは過去のことですね。この過去の時点から見た未来(高校卒業後アメリカに移住すること)を言っているので、would を使っています。
 

過去の意志

will の使い方のおさらいで、will には「強い意志」を表すことを説明しましたが、「過去の強い意志」を表すときには would を使います。

She would insist on buying it.

「彼女はそれを買うことにかなりこだわった」

The broken door wouldn’t open.

「壊れたドアはビクともしなかった」

否定文で使われる場合は「どうしても〜しようとしなかった」のように訳すことができます。

そのほかの would の使い方は下記の記事を参照してください!

wouldの意味

would の意味って? 使うタイミング、ニュアンス徹底解説

November 6, 2020
 

時制の一致の例外

時制の一致の例外

例外として時制の一致が起こらない場合がいくつかあります。
 

不変的なものについて表すとき

We learned that light travels faster than sound.

「私たちは光が音より早く進むことを学んだ」

My little sister knew that 100 times 100 is 10,000.

「妹は100x100=10,000だと知っていた」

「光が音より早く進む」ことも、「100x100=10,000」ということも不変の真理ですよね。

このように、不変的なことは過去でも現在でも変わらないので、現在形で表現され、主節が過去形であっても、時制の一致は起こりません。
 

現在の状態を表すとき

My friend knew that I leave home for work at 8:15 every morning.

「友人は私が毎朝8:15に仕事に行くのに家を出ることを知っていた」

My boyfriend asked me what my brother does.

「彼氏は私に、兄の職業は何かと聞いてきた」

毎朝家を8:15に出ることや(習慣)、兄が仕事で何をしているかも(職業)、現在の状態を表していますね。

このような場合も、主節が過去形であっても、時制の一致は起こりません。
 

歴史的な事実を表す場合

Did you know World War II started in 1939?

「「第二次世界大戦が1939年に始まったのを知っていましたか?」

I heard that Mozart composed a song called ‘Kiss my arse’ in 1782.

「モーツアルトは1782年に『Kiss my arse(お尻にキスをしろ)』という声楽曲を作曲したと聞いた」

第二次世界大戦が1939年に始まったのも、かの有名な作曲家モーツアルトが1782年に『Kiss my arse』というちょっと下品な曲を作曲したのも、歴史的な事実です。

このような場合、主節が過去形でも、従節はそのまま過去時制を使います。
 

仮定法を使った場合

He said that if he were rich his life would be much more fun.

「彼は、もし彼が金持ちなら人生はもっと楽しいだろうに、と言った」

She wished she were a vet so she could save those animals.

「彼女はその動物を救える獣医だったら良かったのにと思った」

どちらも仮定法過去の例文です。仮定法はあくまでも仮定であって実際のことではないので、時制の一致が行われません。

主節が過去形であっても、仮定法の時制のままですので注意してください。

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実はカンタン!仮定法、仮定法過去、仮定法過去完了の基本を徹底解説!

May 25, 2018
 

would が過去形とは限らない

今回は will と would の使い方や、時制の一致について、盛りだくさんに解説してきました。

would は will の過去形だと覚えていたのに、他にもたくさんの用法があって驚いた、という方もいらっしゃったことでしょう。

覚えることがたくさんあるとちょっと不安になってしまいますが、ただ用法を暗記するのではなく、例文と一緒にそれぞれの使い方や用法の違いを覚えることがコツだと思います。

また何度も繰り返し使ってみることも重要ですので、実際の会話でもどんどん使用してみてくださいね!