Erik
(更新)
在宅勤務やテレワークといった働き方の多様化が多くの職場で見られる中、「ワーケーション」という言葉をよく耳にするようになりました。
今回は「ワーケーション」「ステイケーション」「リモートワーク」など、テレワーク時代に知っておきたい多様な働き方・旅の形に関する英語表現をご紹介します。
それぞれの英語表現の細かなニュアンスの違いや、どのような場面で使われるのか、海外で好まれる言い回しなどについても詳しく解説していきますので、ぜひうまく使い分けてみてください。
「ワーケーション」とは「仕事(work)」と「休暇(vacation)」が組み合わさった概念で、オフィスから離れた休暇先で仕事もするような旅・仕事の形を意味します。
これまでは主に、場所に縛られずに仕事ができるフリーランサーやデジタルノマドが旅行や休暇を楽しみながらする働き方でしたが、近年では企業でも導入が加速しています。
仕事の合間に非日常を味わい、リフレッシュできることは大きな魅力と考える人も多いはず。
特に直近では「新しい日常」の一環として政府や観光業界からも注目され、実際に「ワーケーションプラン」と題されたお得商品も出てきています。
「ワーケーション」という言葉が注目されるようになり、一部では「和製英語じゃないのか?」という声もあります。
日本ではこれまで聞きなれない表現だったかもしれませんが、海外では2000年代頃から使われ始めた英語表現だと考えられていますので、和製英語ではありません。
実際に海外のSNSで #workation のハッシュタグで検索するとたくさんの投稿が出てきますので、お時間のあるときにぜひチェックしてみてください。
和製英語ではないとすると、本来の "workation" はどのような意味やニュアンスがある英語表現なのでしょうか? ここからは新しい旅・仕事の形に関する英語表現について解説していきます。
"workation(ワーケーション)" は英語の "work(仕事)" と "vacation(休暇)" が組み合わさってできた造語。
日本語の「ワーケーション」と同じく、通常のオフィスを離れ、休暇を過ごしながら仕事もすることを意味します。
厳密な定義はなく、仕事の関係で訪れた場所で空いた時間に休暇を楽しむ場合も、休暇を楽しむ間に少しだけ仕事をする場合も当てはまるような、割と曖昧な英語表現となっています。
後述の「ステイケーション」や「ホカンス」に比べると近場に限った話ではなく、単に "work(仕事)" と "vacation(休暇)" が合体したニュアンスであると考えると良いでしょう。
"staycation(ステイケーション)" は英語の "stay(とどまる、滞在する)" と "vacation(休暇)" が組み合わさってできた造語です。
近場への旅行や、家を拠点とした休暇を意味します。
例えば海外旅行ではなく国内旅行でステイケーションできますし、外泊せずとも家の中でゴロゴロするだけの休暇もステイケーションになります。
こちらもワーケーション同様、割と定義が曖昧な英語表現になっていますが、「近場で過ごす」というニュアンスが特徴です。
日本では「ワーケーション」という言葉が最近よく話題に上りますが、海外では「ステイケーション」という英語表現が特に人気を集めているイメージがあります。
もちろん上記の通り細かなニュアンスの違いはありますが、例えば人気SNSのインスタグラムでは #workation の英語ハッシュタグがついた投稿数は約15万件なのに対し、#staycation はなんと470万件以上の投稿があります。
世界中で「近場を楽しむ旅行」の人気が加速していることがわかりますね。
"holistay(ホリステイ)" は英語の "holiday(休暇)" と "stay(とどまる、滞在する)" が組み合わさってできた造語です。
「ステイケーション」とほぼ同じニュアンスで使うことができ、近場で過ごす休暇を意味しますが、自分の家から一歩も出ない場合もあれば、近場に出かける場合もあり、文脈や使う人によって解釈は多少異なります。
「ステイケーション」と比べるとマイナーな表現と言えますが、造語なので初耳でも伝わりやすい響きがあります。
"hocance(ホカンス)" は英語の "hotel(ホテル)" とフランス語の "vacance(バカンス)" が組み合わさってできた造語です。
こちらは英語圏よりも韓国などで使われることが多く、意味としては「ステイケーション」に近いです。
"hotel" という単語が入っていることからわかるように、(近場の)ホテルでバカンス気分を楽しむ休暇のニュアンスがあります。
"telework(テレワーク)" は英語の "tele(遠隔)" と "work(仕事)" が組み合わさってできた造語。
日本語でも「テレワーク」と言うように、従来のオフィスなどから離れた場所で仕事することを意味します。
例えば在宅勤務で家から働くことも、近くのカフェやコワーキングスペースにパソコンを持って行って仕事をすることも「テレワーク」と言えます。
なので、旅先で仕事をする場合はテレワークと表現しても問題ありませんが、「休暇」のニュアンスは特にありません。
"remote work(リモートワーク)" は英語の "remote(遠隔)" と "work(仕事)" を組み合わせた英語表現です。"remote working" や "working remotely" などと言うこともできます。
基本的に「テレワーク」と「リモートワーク」は同じ意味で使うことができますが、英語圏では「リモートワーク」の方が頻繁に使われているイメージがあります。
こちらの英語表現も「休暇」のニュアンスはありません。
"work from home(ワーク・フロム・ホーム)" は「在宅勤務」「在宅ワーク」という意味を持つ英語表現です。
この場合の "work" は「仕事をする」、"from home" は「家から」になります。
つまり家での仕事に限られるので、カフェやコワーキングスペース、旅先で仕事をする場合は適切な表現ではありません。
いわゆる「在宅勤務」という働き方は、日本では「テレワーク」や「リモートワーク」と表現するのが主流になりつつありますが、英語ではこの「ワーク・フロム・ホーム」が実は最も使われている表現かもしれません。
今回はテレワーク時代に知っておきたい多様な働き方・旅の形に関する英語表現をご紹介しました。
どの英語表現も似たような意味や概念ですが、それぞれ細かなニュアンスの違いや、使われる場面の違いがあったりしますので、ぜひうまく使い分けてみてください。