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Hyperbole(誇張法)とは?ネイティブがよく使う誇張表現10選

Hyperbole(誇張法)とは?ネイティブがよく使う誇張表現10選

「世界中が涙した名作」「首がちぎれるくらいうなずく」などなど、冷静に考えるとありえない表現ってありますよね。大げさな言い方をすることで強い印象を与える表現技法です。

日本語では「誇張法」、英語では hyperbole(ハイパーボリ)といいます。

Hyperboleをうまく取り入れると単に意味を強調させるだけでなく、ユーモアを感じさせ、生き生きとした表現効果も生み出すことができます。

今回は英語のhyperboleの効果や使い方のポイントなどについてご案内していきます。英語ならではのhyperboleの例もたくさん挙げていきますよ!

Hyperboleとは?

Hyperboleとは先に述べた通り、日本語では「誇張法」と呼ばれているものです。大げさな言い方(exaggeration)をすることで相手に強く印象付ける表現テクニックです。

例えば、「You're killing me」という英語フレーズを文字通りに解釈すれば「あなたは私を殺す」になりますね。でも、普段の会話で使われるときの意味は「もう無理、耐えられない、いい加減にして」といった感じです。

「殺す」というのはあくまで比喩的な表現であって、文字通りの意味で使っているのではありません。単なる言い回しに過ぎないことは相手にも伝わっています。

次のような例も同様です。本当に「光の速度」だったり、本気で死を考えて言っているわけではありません。

She types at the speed of light.
「彼女は光速でパソコン入力をする」
I would rather die.
「死んだ方がマシだよ」

ちなみに、hyperboleの形容詞形で hyperbolic という言葉もあります。「誇張した、誇張法を使った」という意味です。

Stop being so hyperbolic.
「大げさなことはやめて」
I got tons of hyperbolic messages from him.
「彼から大げさなメッセージが、どっさり届いたよ」

Hyperboleはなぜ使われる?

「何回も聞いたよ」と言いたいとき、文字通り英語にすれば「I've heard it so many times」になるでしょう。でも、次のようにhyperboleを使った表現にするとニュアンスが強まりますよね。

I've heard it a hundred times.
「もう100回聞いたよ」
I've heard it a million times.
「もう100万回聞いたよ」

Hyperboleの効果的な使い方と注意点

Hyperboleは大げさな言い方で意味を強調するのが目的です。けれども、実際に有り得るような程度の誇張ではhyperboleの効果は出ません。

明らかに誇張であると分かるくらい大胆な例えでなければならず、単なる exaggeration(誇張)と hyperbole(誇張法)の違いはこの「程度」の違いにあります。

例えば下記の例を見てみましょう。

I've seen that movie twenty times.
「その映画は20回も観たよ」
I've seen that movie hundreds of times.
「その映画は何100回も観たよ」

同じ映画を20回観るくらいの映画好きな人は実際にいる可能性があります。これでは効果的にhyperboleが使えているとは言えません。

また、hyperboleを使う状況についても考える必要があります。正確性や真面目さが求められる場面では不正確で不真面目な誇張表現は場違いになることがあります。

Hyperboleの効果をちゃんと発揮させるには、使う状況やタイミングを見極めることがポイントです。

よく使われるHyperbole10選

ここからは、英語でよく使われるhyperboleのパターンを見てみましょう。「100万年に1人の逸材(You are one in a million)」など、誇張の仕方が日本語とよく似ている

ので、納得のいく例ばかりだと思いますよ。

●never(決して〜ない)や 最上級の形容詞など、極まった表現を使うのはよくあるパターンです。

never stop ~ing(~することを決して止めない)

He never stops talking.
「彼のおしゃべりは一向に止まらない」

never sleeps(決して眠らない)

Hong Kong is a city that never sleeps.
「香港は眠らない街です」

best in the world(世界で一番)

This pizza is the best in the world.
「このピザは世界一美味しい」

●death(死)や forever(永遠)などの究極的な言葉もよく使われます。

to death(死ぬほど)

I'm starving to death.
「空腹で飢え死にしそうだよ」

go on forever(永遠に続く)

His speech went on forever.
「彼のスピーチは永遠に続いた」

●イメージを喚起する典型的な比喩を使った表現もよく出て来ます。

eat like a bird / eat like a horse(小鳥のように小食/馬のように大食い)

You eat like a bird/horse.
「小食だね/大食いだね」

the size of a pea(豆粒大)

His brain is the size of a pea.
「彼の脳みそのサイズは豆粒程度だよ」

take years(何年もかかる)

It feels like it'll take me years to finish this sandwich.
「このサンドイッチを食べきるのに、何年もかかるような気がする」

to the bone(骨の髄まで、芯まで)

I got caught in the rain and now I'm soaked to the bone.
「雨に降られ、(骨まで)びしょ濡れだ!」

an avalanche of(雪崩のような)

When the singer announced her concerts, there was an avalanche of ticket requests, crashing the website within minutes.
「歌手がコンサートを発表したら、チケットの申し込みが殺到し、数分でサイトがダウンした」

Hyperboleを使って会話に花を咲かせよう

物ごとを誇張して表現するテクニックhyperboleの使い方のコツや使う楽しさが伝わったでしょうか? 

Hyperboleを取り入れた会話や文章はユーモラスなイメージが膨らむので、聞く方も言う方も楽しくなる表現です。

普段、英語を使うときは基本に沿った表現をしがちだと思いますが、ときにはこんなテクニックも取り入れて楽しんでみてはいかがでしょう。

英語での誇張表現は日本語の表現と共通するものが多かった点も面白く思いませんでしたか?